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全力挑戦漫画坂 03

◆序章

前回の「全力挑戦漫画坂02」の最後に書きましたモノなどを横切らせる不安の演出表現についての続きです。

◆マンガ技法書の配置による演出表現 不安

不安の演出表現にて、人物手前にモノを横切らせたり、斜めに配置したりする表現が好きでよく使うんですが、これには出典があります。
昔々に古本を読んだきりのマンガ技法書で、心に残っている演出表現、

不安を表現する時に、手前に人物を横切るような物体を置く
引用:方倉陽二先生著「まんがのかき方全(オール)百科」 (コロタン文庫)

こちらは1979年発行の古典マンガ技法書で、作者じゃないのに超上手いドラ〇もんファミリーがふんだんに使われたw漫画形式で進む解説書です。
読み物としても面白く、マンガを描きたい!と思った原点のひとつです。
現在手元にないので、引用文そのものはうろ覚えです。

 記憶の答え合わせも含めてぜひとも再読したい‼ (>_<)
 けど、古本は高値になっていて手が出ない。。。
 どなたか内容など含めてご存じの方いらっしゃいませんでしょうか。

閑話休題、とにかく文章ではよくわからないので具体的に画にしました。

<タイトル>
「ヒートテック エクストラウォームボディスーツ」って。。。
◇画像1

画像4

<内容解説>
お腹周りの服のシワたるみが無くなりシルエットキープ!が売りの形とはいえ、あのヒートテック脱ぎ着めんどいのでは?という話題からの画です。
<演出意図>
人物手前に机、椅子などを置いて、三つ目のセリフの不安感を狙いました。
<感想考察>
人物手前にモノを置く演出は、いわゆる「気持ちに影が差す」という表現を形にした感じなのかなと思いました。
また感想で「第三者視点感が強まる」と頂きました。確かにキャラと読み手との間にモノを挟むので、感情移入から一歩引いた冷静な視点になりますね。。。(・_・D フムフム☆

手前の情報を取り払ったのがこちら。
◇画像2

画像2

<感想考察>
最後のセリフが少し軽い感じがします。また、ここでオチがついて終わりという印象を受ける、という感想も頂きました。
劇中の小ネタのオチをこういう形にする挑戦もアリかも。。。

人物の前面を斜めに横切るモノを入れる挑戦。
◇画像3

画像3

<感想考察>
コマ割りで斜めに横切りました。コマ枠が時間の経過を示すので、三つ目のセリフが間をおいてつぶやいてるように見えます。
※でもこれ、読み手にマンガ読みの作法を”お願い”する形ですね。

キャラの後ろにコマ割りを入れて、三つ目のセリフを次のコマに置くと。。
◇画像4

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<演出意図>
別コマなので時間が経過しており、人物がコマをまたいでいるのでセリフを発した人を特定でき、コマが水平で安定しているので、セリフ側にグラデトーンはあっても冷静なつぶやき。。のような狙いでした。
<感想考察>
個人的にはあだち充先生風に感じる、キャラの本音・感情を表す演出表現だと思っています。
次の頁で女の子が怒りだしそうな予感がするとの感想を頂きました☆

◆まとめ

長文のお付き合いありがとうございました。
客観的に比較する事で印象の違いなどをより理解できた気がしています。

セリフに頼らない演出表現の意図は、なかなか読み手に伝わらないと思いますので、「これは良い」「これは悪い」という取捨選択だけでなく、
 ◇幅広い表現の技術・引出しを増やす。
 ◇要素・ポイントを重ねたり、繰り返したりして効果を増幅。
など、次の漫画創作に生かせるよう技術を磨いていきたいと思います!
上手く使えればセリフや漫符も随分と整理できますし!!(#^^#)
もしご意見ご感想などありましたらコメントにて是非☆

あと、冒頭で紹介した「まんがのかき方全(オール)百科」ですが、他にも
 ◇ネタの展開要素「比較」「誇張」「置換」「連想」
なども非常にためになった話でした。これもうろ覚えなのが残念です。w
この話もやりたいのですが、長くなるのでまた別の機会に☆(^^)

PS.最後に、このヒートテックネタは友人のりありさんからの引用でした。非常に感謝しております。m(_ _)m 感想も含めてありがとうございました!☆
 ※ヘッダーも超カワイイりありさんのnoteはこちら!

描きたい表現の幅を広げて楽しく描くために、今後もいろいろ全力挑戦していきたいです。 精進、精進☆

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