ゲームについて話したい⑤:NEEDY GIRL OVERDOSE

ゲームについて話したい。

今では様々なYouTuberの生配信を見るようになったが、元々あまり興味はなかった。
たまたまおすすめで出てきた動画になんとなく惹かれ、それをきっかけに特定の配信者や過去動画やアーカイブを見るようになり、気づいたら生配信の予定に自分のスケジュールを合わせるようになっていた。
今回はそんな配信をテーマにしたゲームのお話。当時は配信のお決まりのやり取りも知らず(正直「スパチャ」が何かすら知らなかった)それでも面白いと思えたから、実際の配信を知らない人にもおすすめしたい。

NEEDY GIRL OVERDOSE(以下「ニディガ」)」は、承認欲求強めで"ちょっぴり"病んでる女の子「超てんちゃん」を、1か月で一人前の配信者に育てるアドベンチャーゲーム。
興味を持ったのは、発売当初から色々なところで話題になっていたから。
それこそいろいろなゲーム配信者を見るようになって、特定のゲームが話題になるとみんな同じゲームをやることを知ったし、推しが自分のやったゲームをプレイしていると嬉しくなるのが理解できた。
ニディガはそういう気持ちになれた最初の作品だったな。自分でプレイしている時にわしゃがなTVでも生配信していて、何か嬉しくなってしまった。
自分ではコメントしないが、親切心で「支持厨」になってしまう気持ちも何となく分かる気がする。

ニディガはプレイ内容によって、20以上のエンディングに分岐する。
急に配信者を引退してしまったり、凄惨な終わりを迎えたり、成功したと思ったら自分の元から離れて行ったり…多種多様な破滅が用意されている。
個人的に好きなエンディングは「Do You Love Me?」。
配信者としては終わってしまうどころか、下手したらその後通報されているかもしれないが、ピ(主人公)側としては幸せな終わり方なんだと思う。
基本的には見えているパラメータ数やフォロワー数を調整することで分岐するのでエンディング探しも苦ではなかったし、どうしても見つからないルートも条件さえ分かれば到達することが出来た。
作中でヒントもだいぶ出ている「Happy End World」の条件は自分では辿り着けなかったな…このエンディングも比較的幸せな終わり方かと。
逆に「Healthy Party」なんかはこれからちゃんとした生活が出来るかもしれないが、「何者にもなれなかった」配信者のリアル感があって恐ろしい。
超てんちゃんの正体であるあめちゃんは決して性格のいい女の子ではないけれど、「みんなの超てんちゃん」でいる間は配信者としての意地や執念を時折見せてくれ、そこに次第に惹かれていく。
後から追加されたエンド、隠しエンド、最後に待ち受ける真のエンドまで到達済みで、プレイ中にも様々な感情を抱いたが、それら全部をひっくるめて超てんちゃんの魅力なんだと感じさせる。

ゲーム外の話もしたい。
ニディガを語る上で決して忘れてならないのが楽曲。
作中で聴ける「INTERNET OVERDOSE」、それに次ぐ「INTERNET YAMERO」はインターネット上で大バズりしたが、個人的にクリティカルヒットしたのが3曲目の「月虹蝶」。
世に出たのは作中の配信になぞらえて定期的に行われているニディガの生配信で、自分はアーカイブで見たが、この曲が流れた時にまるでタイムスリップをしたような感覚を受けた。
2000年代頭の空気感、KOTOKOさんの「Shooting Star」を初めて聴いた時の感動のようなものが蘇ってきた。当時は流行ってたなぁ、I've Sound。

「月虹蝶」の歌詞を知った時に、なんとなく「ファンの想う、超てんちゃんの理想の終わり方」みたいな印象を受けた。
配信者は永久には配信できない。それこそ超てんちゃんはエンディングによって引退したり、問題や事件を起こして活動できない状態になったり(精一杯のオブラート)で、いつしかファンの前からいなくなるかもしれない。
そんな悲しい終わり方を迎えるくらいだったら、超てんちゃんは実はこの星の人間ではなく、月に帰ってしまった…と思えた方が、ファンたちにとっては素敵な思い出のまま終われて、記憶に残り続けられるかもしれない。
人は綺麗に去るのが、一番難しいから。

先述のとおり、ニディガは定期的に生配信をしており、そこでは新情報をバンバン出している。
前回の生放送では超てんちゃんに声も付き、今後は案件も取りたいとのことだった。(ゲーム中でも案件配信はあるものの…)
ファンの方も作中のネタを取り入れたコメントをして「超てんちゃんの配信」を盛り上げ、何かゲームとリンクしている印象を受ける。

ゲームは積んで、後からプレイ出来るかもしれないが、超てんちゃんをリアルタイムで「推せる」のはこの時代だけだから、今知ってほしい。
「推しは推せるときに推せ」、いい言葉だ。

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