6. vSphere Distributed Switchの概要とリンクアグリゲーションについて

最初に、チーミングについて抑えたい。

チーミングは、サーバ等に搭載した物理NIC(ネットワークアダプタ)を1つの仮想的なNICとして束ねる技術であり、チーミングにより耐障害性の強化、使用帯域の向上などを実現する。一般的にLANスイッチ側で実装するが、サーバ側の物理NICで冗長化することも可能である。

ESXiのチーミングに関して、VMware社はIEEE 802.3adのLink Aggregation Control Protocol (LACP)を推奨している。LACPは上流のスイッチで構成する必要がある。ロードベースチーミングを使用すると、構成を簡素化し、複数のアップリンクを効果的に使用できます。

vSphere Distributed Switch(vDS:分散仮想スイッチ)は複数のESXiホストに共有されるよう構築されるが、vSphere 5.5 では、LACPによるポート アグリゲーションだけでなく、LACPのすべての機能をサポートしている。以下のリンクに詳細が記載されており、20個の分散方式をサポートしている。
https://kb.vmware.com/selfservice/microsites/search.do?language=en_US&cmd=displayKC&externalId=2051826

LACP以外にもチーミング方式を採用することが可能であり、詳細はNSX Reference Designに詳細が記載されている。version 3.0時点でNSXとしては、Route Based on Physical NIC Load (LBT)はサポートしていない。

・Mellanox 社の 40 Gb ネットワークインターフェイスカードをサポート。
・トラフィックのフィルタリングとアクセスコントロールリスト (ACL)を使用して、トラフィックの有効化、ドロップ、またはタグの変更を行う。
・Layer2の Class of Service (CoS)のタグをサポート。
・Layer3 の Differentiated Services Code Point (DSCP)のタグをサポート

Layer2のネットワークで必ず問題になるループに関して、一般的にはIEEE 802.1Dで標準化されたスパニングツリープロトコル(STP)が利用され、通信ポートのブロッキングが有効化される。

しかしながら、帯域幅の制約がかかるので、NSXはSTPに一切関与せず、LACPを標準のリンクアグリゲーション方式として採用している。

vSphere 5.5 では、vSphere Distributed Switch ごとに最大 64 個のリンクアグリゲーショングループ(LAG)を作成でき、1つのLAGで最大24個のポートをLAGポートとして関連付けることができる。LAGポートは基本的には各ESXi ホストの実際の物理アップリンクに関連付けられているスロットである。


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