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感覚遊びはやってみた?発達障害の子の体と感覚の調整をするアプローチ

感覚統合、療育、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)…

専門用語の数々…私は今でこそ知っていますが、子供に療育を受けさせ始めた当初は全然知りませんでしたし、耳にしたことすらありませんでした。
日常生活では当事者でないと発達障害に係る知識に触れる機会って、なかなかないのではないでしょうか。

専門用語を知らないといけないわけではないですが、知っておいてよかったなと思うことはたくさんありました。

具体的には、発達障害のうちの子は、3歳の療育を受けさせ始めた当初~小学校に入るくらいまで、「手先がうまく使えない」、「ボディイメージが未発達」、「体幹の筋力が弱い」、というのが特徴でした(私が見たところ)。
結果、以下のような状態になっていました。

  • 箸がうまく使えない。

  • ボール遊びが苦手で、ボールをうまく投げられない、キャッチできない。

  • 机に座らせても姿勢が悪く、ずっと座っていられない。

などなど。小学校の入学式は席にずっと座っていられず、途中から担任の先生に抱っこされていました…。
ただし、2~3年も経つと、上記は大分改善されています(ボール遊びはまだ少し苦手ですが)。

取り組んだのは、療育施設で感覚統合のアプローチをしてもらったのと、家庭での感覚遊び、運動遊び(という名の短い筋トレ)。

効果が出てくるまで時間がかかるので、辛抱強く、かつ本人が嫌にならないように匙加減を調整したり、工夫したりする必要がありますが、やっておいて損はない!
本記事では、そんな感覚遊び、運動遊びや、発達障害の子の対人スキル向上の取り組みについて取り上げます。




感覚遊びと発達障害を持つ子供の支援


感覚遊びは、発達障害を持つ子供たちが自分の感覚を理解し、調整するのを助ける重要な役割を果たします。
子どもたちが自分の感覚過敏を理解し、環境に適応する手助けをするために、家庭や学校で実施できる様々な方法があります。

① 感覚遊びの基本


感覚遊びには、子供の好む感覚を把握し、それを満たす活動が含まれます。例えば、柔らかい物を好む子供には、スクイーズトイやソフトボールを提供し、遊びを通じて感覚を刺激します。

② 効果について


感覚遊びは、子供の感覚統合を支援し、感覚の過敏さや不足を調節するのに役立ちます。例えば、粘土やスライムを使った触感遊びは、触覚の過敏さを持つ子供にとって、感覚を適切に調整する訓練となることがあります​ 。
私がやったのは、100均で粘土やスライムを買って遊ばせたこと。

きっかけは親からですが、子供が自分で遊び道具にするようになれば、自分から欲しいと言ってくるので、その都度買って遊ばせました。

粘度遊びは、動物や怪獣の知識(図鑑を買ったり、動物園に連れて行ったり)を織り交ぜ、自分のイメージするものを作るようにきっかけを作り、感覚遊びと合わせて知識の定着やイメージの表現につなげられるように工夫しました。この辺のアプローチは違う記事でご紹介します。

③ 自宅でのアイディア


自宅で簡単にできる感覚遊びとしては、家庭用のアイテムを使った遊びが挙げられます。

学校や療育施設で、紙コップやおりがみ、ひもなどを使った工作をしてくるので、家でも自分の作りたいものを作らせるようにしました。材料は100均で購入。同じお店は子供が飽きるので、色々調べていろんな100均に行きました。

④ 指導方法


専門家による感覚遊びの指導では、子供の個別のニーズに応じた遊び方を提案します。たとえば、聴覚過敏のある子供には、静かな環境での聴覚ゲームや、周囲の音に慣れるための段階的なアプローチが含まれます。

⑤ 親子のコミュニケーション


感覚遊びは親子のコミュニケーションを強化する機会も提供します。親が子供の遊びに積極的に参加することで、子供は安心感を感じ、新しい感覚の経験に対する恐怖や不安を減らすことができます​ 。

うちの子は髪を切られるのが苦手で、床屋さんで髪を切ってもらうのは一大事でした。小さい頃はパニック。大きくなっても必死で我慢…。

感覚遊びではないのですが、今は嫁が髪を切るスキルを身につけ(YouTubeで体得したそうです)、嫁が子供の髪を切っています。

感覚過敏が落ち着いてきたのもあり、嫁が髪を切るときは特段問題はありません(切った後の髪の毛が身体につくのはとても嫌がりますが)

⑥ 注意点と安全管理


感覚遊びを行う際には、子供が安全に遊べるよう環境を整えることが重要です。特に視覚や聴覚が敏感な子供には、過度の刺激を避け、遊びの設定を柔軟に調整することが推奨されます​。

発達障害を持つ子供の運動と遊び


運動と遊びは、発達障害を持つ子供たちの成長において非常に重要な役割を果たします。これらの活動を通じて、子供たちは自身の体をうまく使う方法を学び、社会性や協調性も育てることができます。

① 運動の影響


運動を行うことで、子供たちの身体的、精神的発達が促進されます。特に運動遊びは、子供が自信を持って新しい技能を学ぶのを助け、集中力や判断力を向上させることが知られています​。

② 遊びの選び方


発達障害を持つ子供に適した遊びは、その子の発達段階や個々のニーズに応じて選ばれるべきです。多様な遊びを提供し、楽しんで体を動かす時間を確保することが推奨されています​。

③ 運動プログラム事例


実際に効果的だと示されている運動プログラムには、サーキット遊びやジャングルジム、トランポリンなどがあります。これらは子供たちの大きな運動能力だけでなく、協調性や空間認識能力を育てるのに役立ちます​。

小学校に上がる前に療育施設の先生から、公園の遊具で遊ぶのを推奨されたこともあり、よくアスレチックに連れて行って遊ばせました。

危ないところは私がサポートしながら(私は高いところ苦手なので大変でしたよ…)遊ばせていると、自信をつけ、積極的にアスレチックで遊ぶようになりました。

特にボルダリング?の遊具は、頭を使いながらでないと上れないうえに、握力と体幹の筋肉を使うので、頭と体のいいトレーニングになります。
「先のことも考えて上るんだよ」「そこに足かけた後次はどうする?」など声掛けしながら、子供に頭を使わせ、上り切ったときにはいっぱい褒める。達成感や自己有能感も得られ、非常に効果的と思いました。

併せて、体幹の筋力向上を図るために、親の私が筋トレするそばでマネさせて筋トレさせたりもしています。

強制すると嫌になってしまってやらなくなるので、あくまで遊びの延長。1日夜に腕立て腹筋背筋を10回ずつ(調子いいときは2セット)。
姿勢を維持できる時間が長くなったり、少しづつ運動面の向上が図れたり、毎日やると少しづつ効果が出てきますよ。

④ 集中力向上


聴覚過敏のある子供に対しては、騒がしい環境を避け、必要に応じてノイズキャンセリングイヤホンを使用するなどの調整が有効です。これにより、集中力を維持しやすくなります。

⑤ 社交性の促進


グループでの運動遊びは、子供たちの社交性を高める絶好の機会を提供します。共同で目標に取り組むことは、協力する楽しさと共感能力を育てるのに役立ちます​。

公園に連れていくと、知らない子と遊び始めたりするので、そうなったら私は引っ込み、子供たちだけで遊ばせ、危ないところに行かないようにだけ注意し、黒子に徹します。

発達障害のある子供の感情認知と刺激の管理


発達障害を持つ子供たちの感情認知や刺激の管理は、彼らが社会とうまく対話し、環境に適応するために非常に重要です。家庭、学校、または療育施設において、効果的な戦略を用いることが推奨されます。

① 感情認知の基本


感情を理解し表現する能力は発達障害の子供たちにとって難しいことのひとつです。彼らはしばしば感情的なニュアンスを読み取るのが難しく、自分の感情を適切に他人に伝えることが困難な場合があります。
感情の認知を促進するために、具体的な言葉を使って感情を表現する方法を教え、実際の例を通してこれを練習することが有効です。

② 刺激管理テクニック


過剰な刺激は発達障害の子供たちにとって過敏反応を引き起こす原因となり得るため、適切な刺激の管理が必要です。

日常生活の中で刺激をコントロールするために、静かな環境を提供する、予測可能なルーティンを確立する、そして不必要な変更を避けることが役立ちます。

うちの子は人が多い場所が苦手で、小学校の放課後は療育施設のデイケアに通わせていました。

ただし、デイケアのクラスの人数が多く、狭い場所に多くの人がいることがストレスで、数か月泣きながらデイケアに通っていました。

環境を変えることも検討しましたし、学校の先生からもデイケアを代えてみては…?と言われたのですが、苦手な環境を克服する経験も必要と考え、少し様子を見ることにしました。

結果的には秋ごろには慣れ始め、翌年春、若くてキレイな女性の先生がうちの子(男の子)の担任になったことから克服(?)し、泣かずにデイケアに通えるようになりました。嫌なことがあるとキレイな先生の所に行き、抱っこや膝枕(!?)してもらっていたそうです。

この担任の先生が変わったらどうかな…と思っていましたが、担任が変わった翌年以降もデイケア行く前に泣くことはなくなり、私が狙っていた苦手な環境を克服することができました(うちの子は、「今でも人が多いあそこは好きではないんだよね」と言っていますが、まあ一旦はOKですよね)。


③ サポートの利用方法


多くの専門家やサポートシステムが存在し、発達障害の子供たちの感情認知と刺激の管理を支援するためのプログラムを提供しています。例えば、言語聴覚士や心理士、作業療法士といった専門家が連携してサポートを行うことがあります。また、家庭、学校、専門家が一体となったチームアプローチが効果的です。

うちの子を療育を受けさせ始めてから、小学校に上がる前までは特に療育施設の各種先生には相談しまくりました。

感覚統合のアプローチも、こちらから相談してやってもらえるようになりました。こちらから働き掛けをしないとやってもらえないケースもあり、ある程度は自分でも勉強して相談した方がいいなと感じました。

④ ストレス対処法


日常のストレスに対処するためには、リラクゼーション技法を教えることが効果的です。子供によってストレス解消法は様々。

うちの子の場合は、家にいるよりも外に出かける方がストレス解消になるので、極力外に連れ出しています。
たぶん、うちの子自身、ストレスをため込んでいることに気づいていないと思います。親が気づいて、サポートする必要があると考えています。

⑤ 激しい感情の対応策


特に激しい感情や行動が見られる場合、それを穏やかにするための具体的な戦略を立てることが大切です。

子供が感情を適切に表現できるように、言葉でのコミュニケーションを促すトレーニングが有効です。また、問題行動を減少させるためには、適切な行動を認識し、それを強化することも重要です。

うちの子は特に小さい頃は癇癪がひどく、いちど癇癪を起すと手が付けられませんでした。

癇癪を起した後は、クールダウンのために違う場所に移動させたり、気持ちを切り替えさせるために全く関係ないことをさせて意識をそらしたり。マインドフルネスを勉強して育児にも取り入れたり…と工夫してみました。

癇癪に悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか…。

うちの子は療育と時間が解決してくれました。今ではひどい癇癪を起すことはほとんどありません。その子にもよりますが、今の辛い時期がずっと続くわけではないと思いますよ。



まとめ


うちの子の育児の参考にと、色々と書籍やネット、支援施設で情報を集めましたが、私の欲しい情報(発達障害を抱える親御さんがどういうアプローチをして結果どうだったか)はまだまだ少ないです。

ASD、ADHD、LD…など発達障害の特性でグループ化されるものの、実態は複数の特性を併せ持っていることが多く、ASDの診断だからこう、ADHDの診断だからこう…というアプローチをしても、思うような成果につながらないことが多いように思います。

それを踏まえ、自分の子供の特性に似た子の取り組みを参考にしようと思っても、なかなかそういう事例、情報がないのが現状です。

それを踏まえた私のnoteの目的は、発達障害を抱える子供の親がどういうアプローチをして結果どうだったか、というケーススタディの提供。

自分の子と似たような特性を持った子が参考にしてもらえるものを提供したいと思っているのですが、自分の経験や知識、今までの取り組みの棚卸がまだできていないので、記事を書きながら整理し、わかりやすい情報の提供をしていこうと考えています。



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