いい肉の話
11月29日は「いい肉の日」ということで、今回は肉にまつわる話を書いていきましょう。
時は2000年、週刊プロレス編集部に配属されてから1年が過ぎたくらいの頃、「週プロスペシャル」という別冊でアニマル浜口さんにインタビューをしました。
浜口さんはテレビで見せるパフォーマンスと違い、普段は物静かですごく真面目な人です。まだまだ新人だった私にも丁寧にインタビューに答えてくれて、私がレスリングをやっていたことを知ると、愛娘・京子さんのオリンピック(2004年アテネ大会から女子レスリングの採用が決まっていた)の話で大いに盛り上がりました。
ご機嫌になった浜口さんは昼時だったこともあって「近くに美味しいカツのお店があるから出前をとろう」と言って、昼食をご馳走してくれることになりました。待つこと20分。カツカレー、カツ丼、ヒレカツ定食と三人分が届きました。私と浜口さんの二人なのになぜ三人分? 引退したとはいえ、浜口さんは元レスラーなので二人分食べるのか? それとも奥様の分かなと思っていました。
「好きなものをどうぞ」と促されてカツカレーをチョイス。お腹が空いていたことに加え、カツが評判通り美味しく、あっという間に平らげてしまいました。それを見ていた浜口さんは「いい食べっぷりだ。遠慮しないでもっと食べてください」と、もう一食勧めててくれます。
若手の私が遠慮なく食べられるように多めに頼んだのか…ということで、カツ丼もいただくことにしました。こちらも卵でとじられたカツが抜群に美味しい。と、ここで浜口さんが食べていないことに気づき、「召し上がらないんですか?」と聞くと、衝撃の答えが返ってきました。
「私はね、いま、京子の気持ちを理解するために74kg(京子さんの階級のリミット)まで減量してるんですよ。だから私に遠慮しないで食べてください」
うん⁉︎ この三食はすべて私用ということですか? マジか!と思いつつ、カツ丼も完食。「細いのにいい食べっぷりだ」と浜口さんはご満悦なので、意を決してヒレカツ定食にもチャレンジします。最初から三食とわかっていれば、食べる順番的には絶対にヒレカツ定食は最後じゃないよな…。ご飯とキャベツをこのタイミングから食べるのは辛い。絶対カツカレーが最後だよ…と思いながらも、好意を無にしたくないので、一生懸命食べました。
カツカレー→カツ丼→ヒレカツ定食を無事に完食。どこの若手レスラーだよ!と自分で自分にツッコミを入れた良き思い出です。若かったな。いまこんなことをやったら即病院送りですよ。
以上、いい肉の話しでした。
おわり。
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