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ワタシ的双極性障害生存戦略「がんばっちゃえ!」

唐突だけれど、私は双極性障害というビョーキを抱えている。異常な活力に満ちる躁状態と、生きる気力も枯渇するうつ状態(抑うつ)を繰り返す、アレだ。致死率、つまり自殺率はうつ病よりも高い。

これはワタシの話だ。徹頭徹尾、ワタシに関してのこと。

もともと私は「がんばる」ってことが大好きな人間だった。運よくがんばる才能にも恵まれていた。ちょっと無理することと、それによってできることが増えていくこと、できるようになることで変化していく世界が大好きだった。

それなのに、それなのに。

私からがんばることを取り上げないで!

ビョーキが判明したとたん、「がんばらないで」と言われる。「がんばったら死にますよ」とまで言われた。病院からも友人からも、がんばることを禁止されて、ワタシはどう思ったか?

がんばらない人生に何の価値がある?

がんばらなくちゃなにも手に入らない!

ワタシからがんばることを取り上げないで!

ワタシはそう、叫びたかった。もちろん、叫ぶ気力もなかったのだけど。

そして、ワタシはそのまま布団に倒れこみ、20代の輝かしい季節を闇とともに過ごした。

ほんとうにそれは崖っぷちを歩くような数年で、いつ足を踏み外して「死の方へ」落ちても、自ら飛び込んでもおかしくなくて、毎日「明日は生きていないだろう」と思っていた。

だから、その時期はよかったのだ。がんばることなど不可能で、皆無で。がんばりたいとも思わなかったのだから。

やっぱりなにか「がんばって」いたい!

寝返りを打つことすらできないような数年も、ひとを回復させる力があるらしい。ワタシは起き上がれるようになった。数年ぶりに「何かをしたい」と思えるようになった。子どもたちに絵本を読んであげたい、お味噌汁を作りたい、生きていきたい。

そしてわかった。私は、ビョーキのワタシであっても、「なにかをしたい」人間で、「なにかをがんばっていたい」人間なんだ

躁状態はほんとうに厄介者

しかし、ビョーキはワタシをがんばらせてはくれない。なにかをさせてなぞくれない。絵本を読んでは倒れ、お味噌汁を作っては疲労で泣いた。

そして厄介なことに本格的に躁状態が再開した

うつ状態の後に躁状態を経験したひとの多くが言うことだけれど、「あんなに充実している日々が送れるなら、うつになってもいい」それほどまでに躁状態は快活に悩みなく、エネルギーに満ちて過ごせる。

でも、でもね、それならばうつ状態を「しかたない」と前向きに過ごせるかというと、そんなひとはひとりもいない。うつ状態は生命力の枯渇状態。そして、躁状態の自分の記憶がある双極性障害のひとは、そんな自分が許せない。

躁状態があるからこそ、さらに深まる抑うつ。何でもできる自分と何にもできない自分。双極性障害の苦しさの第一は、この落差。落差は巨大なハンマーのようにうつ状態の自分を打ちのめす。打ちのめされたひとが衝動的に死を選んでしまうから、双極性障害は致死率が高い。

「できた!できる!」と、「ワタシなんて死んでしまえばいいのに!」とを繰り返し繰り返し生き延びた私がたどり着いたのは。


ワタシ的双極性障害生存戦略!

①躁状態とうつ状態。2人のワタシを生きよう

全く別の人間と思ってお互いを理解しよう。これが意外と難しい。でも、理解し合えて、大切に思えて、好きになれたら、それこそ2倍の力で生きていける。

②躁状態時のワタシの夢を叶えよう

躁状態の時の夢なんて迷惑千万!という話は多いけれど、それは違う。大切な私の中のワタシのひとりが描いた大切な夢。上手な叶え方がきっとある。やり方を選ぼう。

③うつ状態のワタシは躁状態時のワタシの夢の叶えびと

うつ状態のワタシには生きる価値なんてない?それは違う。大切なもうひとりのワタシの夢を叶えるために、うつ状態のワタシにもできることはたくさんある。なによりも生きること。


どうしてもがんばりたい私がやった「夢の叶え方」

✔躁状態の時に浮かぶアイデアはすべてメモ!
✔うつ状態のワタシはアイデア検証役!
✔アイデア実行は症状を一巡した後の躁状態の時がねらい目!

双極性障害でも夢は叶えられる。私は2人のワタシとちゃーんと「がんばって」「無理をして」、私の世界を変えていく。これからもちゃんと生きていく。

注)これは私個人の見解です。

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