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男子のママになるなんて信じられない

私は、家で男性は父親のみ、しかも父親は単身赴任でいない・・・という家庭で育ちました。いとこは全員女性の女系家族。だから私は家の中に男性がいるということが全く慣れていなくて、自分が男子の母親になるということが全く想像できませんでした。

第一子妊娠時、私は赤ちゃんの性別を聞かない選択をしました。でも、勝手に女子だと決めていました。私から男子が生まれてくるわけがない、私が男子の母親になるわけがないと迷うことなく思っていました。

だから、生まれてきて助産婦さんが「男の子ですよ」って言った時、36時間にわたる踏ん張りでヘトヘトだったにかかわらず、頭をあげて赤ちゃんを見て「え? 男の子!?!?!?!?」って聞き返したのを覚えています。

しかも、14ヶ月差で生まれてきた第二子も男子。笑


男子の育て方なんてわからない

子育て自体どうやったらいいのかわからない新米ママ。しかも、男子は母にとっては宇宙人並みの不可解な存在です。好きなお話も、興味をもつものも、私の過去の経験とはかけ離れています。男の子相手に何やったらいいのかさっぱりわからない。笑

だいたい、男子って、なんでじっと座ってられないんでしょう。歩くことさえせず、いつも走っている。私は体力がないので、走ってばかりの幼児男子二人についていくだけでヘトヘトでした。

私は、手仕事や料理を子どもたちと一緒にやっていましたが、男子たちは大きくなるにつれ手仕事のような柔らかい素材を使った作業よりも、硬い木や金属を使うのを好むようになりました。力のいる作業でないと満足できないようになりました。可愛らしいものよりもトラクターや飛行機などを好むようになり・・・・私が子どもと一緒にできることはどんどん少なくなっていきました。

私の子育ての成功したところは、自分にできないことはとっとと諦めて手放した・・・ということでしょうか。(笑)私が無理して、男子の興味のあることをするのではなく、男子の範疇のことはさりげなくパパにお役目をまわす。

パパが子どもたちと木工や工作をする。力仕事はパパが一緒にやる。パパのDIYに子供たちを巻き込む。私は、力仕事はしない。私がやるのは、ママらしい、女性らしい作業のみ。可愛らしく座ってニコニコしながらコマコマとした作業をしている、プリンセス役。笑


男子はナイト

息子たちの中で、私は「守ってあげないといけない女性」として定着していきました。大きな荷物、重いものを持ち上げようとしていると、息子たちがきて手伝ってくれる。まだまだ幼稚園児で、体も小さいのに「ママを守る気」満々です。小学校に入ると「ママはその辺に座ってて。僕が運ぶから。」と荷物を運んでくれるようになりました。

そのくらいの年齢では、まだまだ私だって息子たちより力があるのですが、私はプリンセス役ですから、プリンセスに徹します。「私には運べないわ。」と言い「運んでくれて助かるわー」とにっこり。

なにしろプリンセスですから、力仕事なんかしないで座ってニコニコしているほうがいいのです。息子たちも、大好きなママを助けていると実感して得意げです。

今、息子たちは高校生。思春期真っ只中です。「ーーやってくれる?」という私の言葉にはとりあえず「やだーー」と返します。でも「ママにはできないわー」というと、顔をわざとしかめつつ、内心嬉しそうに手伝ってくれます。「ママを守る!」ナイト精神は持ち続けています。


プリンセスからクイーンへ

息子たちが大きくなるにつれて息子たちと私の関係もだいぶかわりました。以前はママラブラブだったのです。「ママ、きれいだね」「ママ、かわいい」「ママ、大好き」って毎日言ってくれてました。

今でも「ママ、大好き」は毎日言ってくれますが、「ママ、きれいだね」はなくなりました。私が実際年取ったのもあるのですが(笑)、年齢というものが息子たちの中で現実化してきたのでしょう。そして、私という人間をかなりクールな目で見るようになりました。そして反抗期もだいぶすぎて、ママは困ったところもあるけどそれも受け入れて、やっぱり無条件にママラブ。笑

前のようにプリンセスのふりをすると、息子たちは笑って否定します。「ママはプリンセスじゃない。クイーンだ。」って。ママは我が家を牛耳っていて、かわいいだけのプリンセスっていうよりクイーン。息子たちはそれをよく見ている。そして、私がやっていることを敬意をもって見つめている。

「女の子は守ってあげないと!」なんていうと、フェミニズムの女性に怒られちゃいそうです。でも、女性を見下しているのでもなく、男の方が偉いと思っているわけでもないのです。ナイトは、クイーンを尊敬しています。敬意をもちながらも、守るべき相手だと信じている。

世の男性たちもそうあって欲しい。とりあえず、うちの息子たちは、男尊女卑の考えはなく、優しくて強い男子に育っている。それだけで私はとても嬉しい。


プリンセス・ママのススメ

私の周りにはプリンセス・ママが結構何人もいるのですが、その息子たちはみんな、ほんとうに女性に優しい好青年に育っています。だからプリンセス・ママ、とってもおすすめなのです。でも、万人向けではありません。

もともと肝っ玉母ちゃん系のキャラクターの人は、プリンセスを気取るより逞しい肝っ玉母ちゃんのほうがうまくいきます。自分をいつわってもうまくいかない。自分らしくいかないとね。かっこいい肝っ玉母ちゃんバンザイです。

それより、肝っ玉母ちゃん系のキャラでもなく、強くもないタイプなのに、母親だから厳しくしなきゃいけない、強くなきゃいけない、子供たちを守らなきゃいけない・・・と自分を叱咤激励して、しっかりママになろうとしている人にオススメしたい。強いばかりじゃなくていいんだよ。いつもしっかりしてなくていいんだよ。弱さをちゃんと出していいんだよ。・・・って言いたいのです。


プリンセスの立場に甘んじるだけじゃダメですけどね。笑


弱さを見せられる人は強い。それは、人を傷つける「強さ」ではなく、人の本来持つ優しさを引き出す「強さ」です。




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