親友って言ってよ

私には親友がいる。福岡に来てからずっと友達で、住む場所が離れてもたまに連絡をとって、仕事や夢の話をする。彼女も芸術家で、歌や詩などの活動をしている。私の大好きな大好きな友達なのだ。彼女も詩のお仕事などで私を題材に取り上げてくれることがあり、お互いの夢を励まし合うような仲である。私が怒ってしまって引っ込みがつかなくなり、錯乱しても「なんで怒ってるかわからないけど、私はあなたと友達でいたいよ」と言ってくれる、私には勿体無いほどできた友達である。それに、その子もきっと私のことちゃんと好きでいてくれていると思う。

でも、一つだけ気になることがあるのだ。
彼女は私のことを絶対に「幼馴染」と呼ぶのだ。親友ではない。

すごく、すごく気になる。私は好きな人間に対する独占欲とか執着がえげつない人間なので、大好きな親友が私のことを親友と言ってくれないことに対してかなりモヤモヤしている。一方で、大好きな親友が私のこと幼馴染と思っているならそれを邪魔する方が相手のことを想えていないのではないかと思い、本人に言えない(このnoteを見てるかどうかわからないが、多分見ていないのでここに吐露する)。ああ、私の親友は私のこと親友と思ってくれていないのかしら…

という旨を共通の友人のRさんに話した。Rさんは高校の同級生で色が白く、色素が薄くて可愛い。一方で性格は男前で大胆なところがあり、ねっとりした女の執念でできている私とは対極なのだが、いやそのおかげで長く付き合えていると思う。またRさんとはなんやかんやで趣味があったり話やすかったりするので大切な友達である。彼女も親友の1人だと思っているし、結婚式にもちゃんと出席させてもらった。つい先日ご夫婦の新居に泊まらせてもらった時は、朝ごはんがなぜか味噌ラーメンだったのでたまげたが(美味しかったです。ごちそうさまでした)。
そんなRさん、なかなかの関係性萌えオタクである。というかRさんと私が仲良くできるのは両者関係性に萌えるオタクであるところが大きい。Rさんが好きなのは「エリートライバルを追いかける、活発で負けず嫌いなキャラ」なのだが、これは割とまんま私なので「私のこと推してる?」と聞いたらニヤニヤしていた。どっちかわからなかった。
そんなRさんに上記の話をしたところ、「いや、幼馴染の方が称号として尊いよ」という旨の話をされた。「親友の方が築き上げた感がある関係性でよくないか」と聞いたら「いや、親友は人生のどこの地点でも作れるけど、幼馴染は人生の最初期に作ってないと無理だよ。だから幼馴染の方が貴重度は上だよ。」というのだ。
なかなか面白い見解だと思った。幼馴染は確かにごく少数の人にしか付与されない称号であるし、実際20年くらい友達をやっているのはその友人ともう1人3歳からお友達をしている友人くらいなので、確かにレア度も高いだろう。
でも、でもそれでもやっぱり親友って呼んでよ!と思うのだ。だって、私の友人はとっても素敵な心の持ち主で、いつでも優しくて、おまけに超がつくほど美人で、とっても面白いのだ。いつどこの人間と親密な仲になってもおかしくないのだ。私より親密な仲の友人がいるのはいいことと思うのだが、他方でやはり私が1番の友達でありたい気持ちがすごすぎる。彼女が小学生の時も、中学生の時も、高校生の時も、1番近くで見ていたんだから、私が1番昔の彼女のことを知っているのだ。高校の卒業式の日なんて、クラスが違うのに一緒に帰ったのだ。そのくらい私にとって重要な友達なのだ。それを「幼馴染」で収めて欲しくない本音。
ああ、お願いだから、私のこと親友って言ってよ!

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