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続・ベンチャーと大手企業の狭間で14年ほど生きている私にだけ見えているのではないだろうかと思うキャリアプラン

noteへの投稿は初めてなのに、タイトルが「続」。

というのも、コロナ前の2019年10月、noteで書こうと思っていた内容を、アカウントの新規作成をめんどくさがった結果、採用に使っていたWantedlyのストーリーで投稿したからだ。で、ずるずると今まで引っ張ってきたのだが、Wantedlyの記事も埋め込めたので「note最高だな」と思っています。

そもそも、私が去年、この投稿をするに至ったのは、某大学(伏せてもすぐわかるけど)で起業家育成講座のメンターをつとめさせていただいていたり、出資担当としてスタートアップやベンチャーの方と毎日お話ししていたり、人事とは別ルートの新卒・第二新卒の採用活動をしていたり、新規事業担当として大企業の新規事業担当の方やコンサルティング会社の方と関わる機会が多かったりで、なぜか「ベンチャーVS大手企業」論に出くわすことが増えたからだ。

現在の立ち位置

私が当時所属していた会社は、東証1部に上場しており、売上は500億円以上、時価総額は350億円以上、グループの従業員数は7,000名を超える(2020年8月9日現在)。

大企業の人たちからは「そこそこの規模の上場会社に所属している変わった人。上場会社だから、情報収集のために呼んだり、プロジェクトにアサインしても、ある程度信用力あるし社内稟議も通りやすいから呼びやすい。」と認識されていたと思うのだが、来月創業27年を迎え、私が入社した14年前は、マザーズ上場直後で従業員は100名もいなければ、売上も100億もなかった。毎年のようにM&Aや新規事業の立ち上げがあるので、ベンチャーやスタートアップの人たちからは「毎日スーツ着て大手の人っぽいけど、よくよく聞いたら、やってることはベンチャーよりベンチャーで、知人の知人くらいのところに必ずいるけど、何だアイツ?」と認識されていたことと思う。

私は、仕事柄、自分たちのことを「どベンチャー」と認識していたのだが、世の中的には、ベンチャーと大企業の狭間にいるのだろう。狭間と言えど、かなりベンチャーに寄っているとは思うけど。

ベンチャーVS大企業

そんな私にとって、「ベンチャー」と「大企業」は、対立軸ではない。大手の人から「大手に所属しているから~ができない」といった憤りを聞くこともあるが、仮に憤っていることが本当にできなかったとしても、ルールに則って工夫すればベンチャーと同じ方法でなくてもクリアできるかもしれないし、大手の人には初期装備でベンチャーにはないものを与えられているので、それを使ってやりたいことをする、というアプローチに変えることもできると思う。逆に、ベンチャーの人から「大手さんだから~をしてくれない」といった話も聞くが、大手には大手の事情があり、そのルールは俗人的なものではなく開示されているのだから、それを理解してカバーできるよう動けばクリアできたり、逆に彼らが長い歴史の中で経験してルール化したものを、経験することなく取り入れるチャンスでもあると思う。

コロナによる変化

ただ、コロナの感染拡大により、ヒト・モノ・カネを持っている会社が必ず勝つ、という時代は終わった。大企業でも倒産するようになった今、会社の継続も拡大も、いかに工夫できるかにかかっている。

これまでは、収益が伸びていなくても社員の昇格・昇給・賞与が保証されていた大企業でも、事業継続のために評価基準や待遇は変わっていくだろう。年齢や社歴に基づいた等級制度がある大手企業と違い、ベンチャーには、そもそもの原資がないため、会社の業績が伸びなければ、毎年年収が上がる保障はなく、かつ、自由と責任が一体化しており、貢献度が小さければ自由度も下がるというのはシンプルな考え方だと思う。

一部の大手企業では、これまでの保障を継続するために、既存社員をリストラしたり、新規採用数を減らすことになるだろう。これを機に、もともと、部署に関係なく社内のあちこちから仕事が回ってくるような職人系の人たちは、大企業にいるメリットが少なくなったりするのかもしれない。一方で、一部の事業拡大の見込みがあるベンチャーにとっては、採用ニーズが高まる中で、これまでとは違う層の人材が採用市場に出てくることになり、優秀な人材を採用できるチャンスだ。

今後の見立て

去年、Wantedlyに投稿した時は、「大企業にもベンチャーにもそれぞれ良いところ悪いところがあるから、自分が選んだのであればどっちでもいいんじゃないですか」という緩い気持ちだったが、withコロナ、afterコロナにおいては、安定性という点での大企業とベンチャーの違いは狭まり、どんな会社に所属していても、会社や上司や社会といった外部要因で「~してくれないから~できない」じゃなく、自由と責任のバランス感覚を持って、何かできないことがあるのであれば、自分のせいではないかと考え、自ら解決するために動くタイプの人が楽しく働きやすい時代になるんじゃないかと思う。

大企業に所属できる人は今後すごく減っていくのかもしれないが、大企業で働くことだけが幸せとは限らないし、全ての人間が大企業で働くことに向いているとも思えないので、それはそれでいいと思う。大企業に入るために良い大学に入る必要があり、良い大学に入るためには良い高校を卒業しておく必要があり、それを前提とした初等教育を受け、途中脱落者には希望するゴールにたどり着くルートはない、という教育制度も変わってくるかもしれない。働き方改革の間違った解釈による「労働は悪」という極端な価値観も、人の生活を支える職種に対する過少評価も自然と適正化するような気もする。

そう考えると、本当の意味でのダイバーシティも自然と進んだり、人のせいにしないで済むことによる幸福度も上がったりするんじゃないかなと、漠然と思っている。

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