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流された帽子
川に帽子が落ちちゃって、泣くSくん。
自分でも取ろうとしたのだけど取れなくてね。
ゆっくりゆっくり流れていく帽子。
「くっしー!くっしー!!」と私に取ってと言うけれど、私もギリギリ届かない。(頑張れば届きそうだったけど、あえて取らなかった。)
帽子はゆっくりゆっくり流れて、トンネルに入って行った。
Sくんは響き渡るくらい大きな声で泣いた。
そんな時によく会うご近所さんが通りかかった。
トンネルはそんなに長くない。
反対側に行き見てみると見えてきた。
さっきまで泣いていたSくんは「え?!」と言って泣き止んだ。
自分でも一生懸命考えて、降りられそうなところを降りてはみるけど届かない。
すると、「けん!(棒)」と言った。
私は「わかった探すね!」と言って探した。
だけど見当たらなくて「Sくん見つからない。どうしよう…」と言っていると、「これ使ったら取れるかな?」とさっき通りすがったご近所さんが、なんと少し離れた畑から長い支柱を借りてきてくれたのだ。
一緒に手伝ってくれてSくんは取ることが出来た。
さっきまで悲しみのどん底だった顔が、一瞬で何とも言えない笑顔になった。
頬に残る涙の粒がすごく輝いてすごく綺麗だった。
大人が取らないことがいいのかわからないのだけど、いつもどこを私(大人)が担い、どこを子どもたちに託すかを考えながら、彼らを信じて、願って、祈るように保育をしています。
きっと彼らは大丈夫。
子どもたちはすべてのものに見守られている。
Sくんはお母さんが迎えに来ると、いつも今日の話を聞いて欲しいと私とお母さんを向き合わせる。
とてもいい笑顔で。
こんなに泣いたり、こんなに葛藤することも多いのにそれでもお母さんに聞いて欲しいと言うことは、きっと彼にとってこの出来事が嬉しいことなのだろうと思う。
子どもって本当にすごい人たちだと思います。
そして、いつも私たちを可愛がってくれるご近所の皆さんには感謝の気持ちしかなく、この地で保育が出来ていることを本当に嬉しく思っています。
これからも愛されますように。この愛を浴びられる子どもたちが増えますように。
のこのこでは引き続き園児を募集しています!!!
根っこ保育のこのこようちえんは毎週月〜木の(祝日を除く)週4日、谷保付近で活動し保育者と保護者一緒に運営しています。
体験もできますので、
①保護者様のお名前(読み仮名)
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