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ねいとビニール袋

ある日お弁当を食べようとしてシートを敷いていると、ねいくんのシートを入れていたビニール袋が風に飛ばされた。(※シートはビニール袋に入れるという決まりではなく、ご家庭に任せています。)

ねいくんはハッとしてすぐに追いかけた。
しかし、置いてもまた飛ばされる袋。

3回くらい飛ばされた時「ここにいてね」「ここにいてよ。」と念じるように、お願いするようにビニール袋をトントンと叩くのだ。

でも、風は吹く。

重しを置くか、リュックに入れるかしないとすぐに飛ばされる。

置いても置いても飛ばされていく袋。

苛立ちと、どうしたらいいかわからないジレンマで、飛ばされるたび“なんでだよ!”という感じで声をあげる。

だけど、ねいは飛ばされても飛ばされても取りに行く。

私だったら投げ出したくなるようなことも投げ出さないで向き合い続けるねい。



私の心の中でも葛藤がある。
10回近くは飛ばされていて、どうしたらいいかわからない子を見守り続けるのは彼に取って酷なのではないか。
「リュックに入れるよ」と声をかけた方がいいのではないか。
でも、それが「決まり」として認識されてしまったらきっとねいはビニール袋はリュックに仕舞うものと理解する。


そんなことは教えたら彼もできるだろう。
だけど、私はそう言う保育をしたいわけではない。
保育士である私がやることはどういうことなのか。と言うことを考えながら保育をしている。


最終的には、保育が途切れてしまって「リュックに入れたら?」と言ったのだけど。
そして、入れたのだけど。



お弁当を食べていると、ふとねいくんが私の隣に移動してお弁当を食べ始めた。

私「ビニール袋何度も飛んじゃったね」
ねい(頷く)
私「悔しかったね」
ねい(頷く)
私「風強かったね」
ねい(頷く)



私もどこを担って、どこを託すか。日々葛藤しながら保育をしている。
でもやっぱりどんな人にも考える力や感じる心は未知数だと思っています。
だけど、今は「見守る」ということが彼らの考えや思いが理解できる方法だと思っています。

でも、ただ見守るだけではなく祈りに近い気持ちもあります。


そして、そこにたくさんの友だちがいたら、きっと愛や知識は倍になり、私が想像を超える姿が見られて、もっともっと幸せな世界があるのだと思います。




いろいろ話したあと、風がふわっと吹いた。


日陰に吹く風がとても気持ちよかった。


風が吹くと気持ちいいね。



根っこ保育のこのこようちえんは毎週月〜木の(祝日を除く)週4日、谷保付近で活動し保育者と保護者一緒に運営しています。

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