実は息子も飛行機に乗れてない


おはよう世界。
表題の件、実はうちの息子も、私と共にアメリカに残されている。

7月半ば、ペットと共にスペインへ向かう為にわざわざ灼熱地帯から北上して行ったサンフランシスコ空港から、コードシェア便である航空会社への連絡漏れの為に全員で移動できない事態になった我々一家。

その夜に夫婦で話し合い、夫は可能な限り早めに次の赴任地へ移動、私一人がこっちに残って、ペットの輸送を済ませてからスペインに飛ぶ、そういう風に取り決めた。翌日、夫は自分のチケットと子供二人のチケットを職場から再度手配してもらい、そのまま元住んでいた町へ一日かけて戻り、数日後に近隣の小さな飛行場からスペインへ向かっ、、いや、向かうはずだった。

のだが

月曜の朝。航空会社のカウンターに着き、ママもすぐに追いかけるからね、スペイン楽しんでね~なんて夫と子供に言いながらチェックインカウンターに着いた我々。担当してくれたお兄さんの顔が、段々神妙になっていく。そして、どこかに電話し始める。10分経過、20分経過、、、 

うーわ

まじで

見覚えあるこの状況、てかこのくだり数日前にもやらんかったか??

という、私の嫌な予感は的中した。

電話を終えたお兄さんは言う。
「お子さん達の席も確保されてはいるんですが、息子さんの方のチケット、支払いされてません。彼は乗れません」

ハイ?!?!?

意味が分からない。席があるなら乗せてくれよ?
色々理由があるんだと思うんだけど、まず引っ越しにかかる費用は全て職場負担だという事もあり、その場で支払って乗る、という選択肢は無いようだった。強く聞かなかったから、本当は出来たのかもしれないけど、その代替案をカウンターのお兄さんは出してこなかった。移動の際のチケットは全額会社負担なのと、私が元々残るという計画だったのと、あと乗れないと決定していたのが上の子だし、だからここで自分達で全額負担して乗らせるのは勿体無い、そういうケチ根性も働いたのかもしれない。そういう理由で、数秒後に私は「もう、、良いから娘だけ連れてこの便に乗りな。あとはこっちでやるから。」と夫に言っていた。

搭乗する気満々でいた息子は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていたけれど、私と残るのにそれほど落胆はしていなくて、娘の方も「あぁママは後で来るのねオッケー」みたいな、それ位のノリで、子供達は異存無し。夫は困惑していたけど、君がそう言ってくれるなら、、と満更でもない顔をしている。
搭乗ゲートへ出ていく夫と娘を見送りながら、私は、子供が成長するスピードの速さを感慨深く思ったりした。子供達もまだ3歳くらいまでは、私が傍にいないと絶対にダメで、私と離れると知っただけで泣いていたのに。今では二人とも突発的な環境の変化に慣れているのか、違う土地に行くとなっても「オッケー次はどこ??」てな感じで、それまで育った土地や知り合った人々に、ネガティブな意味での執着はない感じ。「またここに戻ってくる」という根拠のない理由を、引っ越しの度に言い聞かせているからか?


そういう訳で、息子も、私と取り残されている。
とはいえこの取り残されている家にはWi-Fiもあるしニンテンドースイッチも手元にある。これさえあれば息子は何処にいても良いんだと思う。
でも息子が残ってくれたおかげで、これから輸送するペットの運搬が少し楽になるし、洗い物も掃除も一緒にやってくれるし、ありがたい。

それにしてもペット輸送会社との連絡が取れない。夫から引き継いだので全容が分かっていないからなのか?とも思ったけど、夫もそんなには把握していないらしく、先行きが不透明で、私の人生でこんなにヤキモキする事はそうそう無い。何でもいいから連絡が欲しいし、進捗を知らせて欲しい。多分向こうの方ではやりづらい客だと思われて、メール返すのもわざと遅らせてやる、位思ってるんだろうな、上等じゃねーか。。。。



いつかスペインの地を踏んだその日には、私は泣くかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?