DAW / これでマスター!優しいコンプレッサーの使い方
勉強してもなかなか完璧にコントロールするのが難しいコンプレッサー。音楽を始めた人、DAWで音楽制作を始めた人は最初はコンプの存在価値すらよくわからないし、勉強して覚えコンプが何かは知ってても完璧にコントロールできてる人は少ないでしょう。僕も最初は間違った覚え方をしてました、
音がでかくなるやつでしょ?(EDMから入った人) とか×
カッティングが綺麗になるやつでしょ?(ギタリスト) とか×
スラップが綺麗になるやつでしょ?(ベーシスト) とか×
歌の下手なアイドルが使うやつでしょ? とか×
いろんな間違った入り方をすることがあります。
僕がちゃんとガチで勉強しようとしたのは18歳の春です。音楽院の先生に聞きました。スレッショルドがどうたらさ、レシオがどうたらさ、と言われたんだけど、さらに意味を追求したら先生も んー と頭を抱えてしまってた。もしかしたらあの頃の僕は無知すぎて気づかなかったけど先生はミキシングの先生ではないので実はよくわかってなかったかもしれないです。その頃はDAWなんて言葉も無かったですしね。
ではコンプレッサーの基礎から書いて行きましょう。
1. 基礎
コンプを使うのに覚えないといけない単語。
スレッショルド(Threshold)
レシオ(Ratio)
アタック(Attack)
リリース(Release)
ゲイン(Gain)(メイクアップと書かれてることもある)
GR(ゲインリダクション)
KNEEは付いてないことの方が多いのでここでは端折ります。
スレッショルド・・・再生されてる音源がどの音量に達した時にコンプの機能を発動させるか決める。ここをめっちゃ下げると常にコンプが発動することになる。点々と飛び抜けてる音を抑えたい場合はスレッショルドを調整して飛び抜けた音が鳴った時だけGRが反応するようにする。
赤く変化した場所がGRメーターです。-9って書かれてるのがスレッショルドです。写真の様にスレッショルドがどれかわかりづらい時もあるが大抵こういう感じのツマミになってるので一度覚えたら大丈夫だと思う。
スレッショルドをめっちゃ下げないとGR反応しないよ〜って場合は元の音源の音量が小さすぎるのでそっちを別のエフェクトであげておくとコンプがやりやすいです。
レシオ・・・GRで反応した箇所をどのくらい音量を下げるかを決める値。例えば4.0.1なら1/4にするぜ って事。略して4と書かれてることもある。
5なら50%1/5に。8なら1/8に。8以上はもうほとんど残さないぜ って数字だね。あまり使わないね。(アイドルなら使うかも・・)
ちなみにここで写真みて-9??-9ってどのくらいの音量なの!?って成った人に説明すると、デジタル処理する音楽は再現できる音量に限界があるんです。その限界値を0と設定してるんですね。レコーディングの仕事の時は録り終わった後に調整しやるい様に-6あたりを狙って録音する事が多いですね。
アタック・・・GRが反応したその瞬間に、どのくらいの速さでコンプが効き始めるかを決める値。例えば、わ! とか あ! って瞬発的な音を抑えたい時はアタックは早めに設定するのが一般的です。
リリース・・・これはGRで出てる赤い部分、つまり減衰した部分がどのくらいの速さで元に戻って行くかを設定するものです。例えば、「あ!わかった!」という音にかける時、「あ!」だけ下げて「わかった」にはコンプはあまり効いて欲しくない場合はリリースは早めにして「わかった」の時にあまりかからない様にする といった感じです。
この写真の様に、前半が音が大きくて後半が低い音。これを均一にする場合はリリースは遅めにして前半部分にかかる様にすると良い。って事ですね。
ゲイン(メイクアップ)・・・これはコンプをかけて音量が下がってしまった分ある程度上げ下げして最終音量を決める際に使うものです。プラグインは最初デフォルトで+2db とか+4dbに設定してあることもありますしCubaseなんかだとのゲイン(メイクアップ)値はオートでやってくれる様になってる場合があります。これだと自分がどのくらい減衰させたのか最初はコントロールしづらいですね。初心者は0dbにして、どのくらい自分が下げたか認識した上でゲインを調整するようにしましょう。
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さてここまでがコンプの基礎知識になります。次は実際の波形を見ながらなんとなくイメージを掴んで見ましょう。
アタック早め リリース早め のイメージ
ある程度音の乖離感は残したギザギザした波形になるはずです。
アタック早め リリース遅め のイメージ
音が均一になりやすく一定感が出ます。
スレッショルド高め(つまりぴょこっと出た時だけ反応するようにする)
アタック早め リリース早め のイメージ
突然の爆音を防ぐ微調整のかけかたですね。
スレッショルドかなり低め リリース遅め アタック適当(笑)
これはEDM系であるようなボーカルが一瞬聴こえなくなるような んわぁ⤴︎んわぁ⤴︎ っとうねるような変化球な掛け方です。
スレッショルド高め アタック早め リリース早め
歌い出しがでかい時にちょこっとナチュラルにするとこんなようなイメージになります。
音量が大きい箇所では上記の様なイメージになります。
なので、あまり音質が変化しにくいコンプであれば、用途別で何段もかける!という使い方もどんどんやっちゃって良いと思います。
そしてアナログコンプ、ヴィンテージコンプはいったいどういうことなのかというと
ご覧の様に細かい設定ができないようなツマミになってる。
つまり設定できない部分、細かいことはこのコンプレッサーを作ったエンジニアの好みに任しときな!ってことです。とりあえずつまみ回しときゃテキトーにやっとくぜ!って言う感じ。
上の1176LNなんかはアタックとリリース、レシオ、は設定できるけど、数字がざっくりしてるよね。しかもアタックとリリースは早めしかない。
コンプの基礎知識がわかった上で扱えばこのアナログの味を楽しめる様になります。
例えば細かく設定できるコンプで音のコンディションを整えた後、アナログコンプで味付けして遊ぶ、ってのも良いですね。
コンプの仲間
コンプの仲間にディエッサー(De-Esser)やダイナイーキュー(Dyna-EQ)、などもあります。
ディエッサーは歯擦音(さしすせそ)などの耳に痛い部分だけ周波数を抑える働きをします。これをマスターしないとスピーカーで聴いてると良い感じなのにイヤホンで聞くと高音がでかい、耳が痛いという現象が起きます。
ミックスに興味がある人はぜひDe-esserも色々試して見てください。
終わりに
コンプで潰して音量を整えるのは必ずしも正解ではないです。音量差がある方がより感情表現を豊かに感じ取れるからです。本当にエモい感じにしたい場合はこの音量差をいかに無くさずにミックスできるか、音楽制作ができるかになってくると思います。
たとえばVocalにあまりコンプをかけてないから音が小さい部分は聞き取りづらいよ〜 って言うのなら他でなってる楽器を抑えれば良いんです。
センターで成ってる楽器をVocalだけにればそれだけでもコンプをかけなくても全部ちゃんと聴こえます。
何を優先するか、何を目指してミックスするか、でコンプのかけ具合も決まってくるってことですよね。
コンプをマスターして楽曲制作、楽しんでください。
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