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家で録音するときの正解and間違い

最近は編曲のお仕事をいただく際に、ボーカルの仮の音源のパラデータをいただくようにしてます。でないと完成のイメージが分かりづらいからです。仮にワンコーラス(introからサビ終わりまで)作って聴かせても歌の部分がシンセサイザーで作られてると「なんかショボイ」って取られることが多いですが生歌で入ってると大したアレンジじゃなくても「かっこいいい!イメージが伝わる!」ってなり易いんです。

しかしここ最近、歌手さんが家で録音する音が割れすぎてて耳障りだったりしてデモを作成しづらいケースが多いです。なので今日は、宅録で良い音を録音し、相手と共有する方法を紹介します。(注意※マイクと録音機の間にプリアンプを挟む場合は少し勝手が違うので今回は直で繋いで録音する場合について書きます。)

Tip 1

再生機器の出力音量をなるべく高くする。

近年スマホやiPadで録音する人も増えました。スマート機器で録音する場合Grage BandやFL Studioがおすすめです。
まずは自分の声がどのくらいで入力されてるかを決めます。フェードを見てみましょう。

Step①
このフェードが録音時に真ん中より低く来るようにしましょう。例えばサビが一番音量が大きいならサビを歌ってみて真ん中以下であれば大丈夫です。

そのあと自分の声のモニター音が小さければ機器本体の音量を良い塩梅まで上げましょう。すると今度こんな現象がおきます、

「カラオケ音源がでかすぎてうるさい!!!」

Step②
ここでスマホの機器の音量を下げてしまう人が多い!ですが焦らず上の写真の点線カッコ内のカラオケの音量を下げてください。これで録音すると自宅でスマホでも最善の方法で録音ができます。

例えばアコギ弾き語りを取るだけならStep①だけで大丈夫です。しかし僕みたいにボーカルだけの音源ください、と言われた場合は、まずStep①でアコギなどの伴奏を録音して、再びStep①で今度は歌の入力音量を確認、そしてStep②を行ってください。

この時、波形が小さくて「これ、音量小さすぎるのでは、、、、???」
と不安になることもあるかもしれませんが大丈夫です。プロの音楽家の人がその後とても良い音量、とても良い音質に仕上げてくれます。
フェーダー(写真のカッコ内)が半分も行かず ちょろっ ちょろっ ってたまに見えるくらいの音量だと流石に小さすぎますが。

ボイスメモで録音する場合。
たぶんほとんどのボイスメモにはコンプレッサーorリミッターが入ってるので音割れしにくいとは思いますが一応書きます。


真ん中をゼロとして見ます、そして先程書いたようにマックスが真ん中に来るように録音すると最善の音質でとれると思います。この場合は距離や、置く場所でコントロールするしかないですね。


そしてインターフェースを使ってパソコンで録音してる場合は、インターフェースに入力値が分かるメーターが付いてるかどうか確認しましょう。そのメーターでサビを(音が大きい箇所を)歌や演奏したとき真ん中にくるとベストです。たぶん、真ん中を超えると色がオレンジ色、更に超えると赤くなると思います。このオレンジすらつかないくらいが丁度いいです。

そしてイヤホンやヘッドホンに届く音量もインターフェースのマスターであげて適量にします。
そのあとカラオケ音源(伴奏音源)を鳴らして、大きければソフトの画面上のフェーダーを下げる、という流です。


一番のミスはやはりカラオケがでかすぎて耳が痛いからスマホの音量を下げたり、インターフェースのマスターを下げちゃうことですね。気をつけましょう。


Tip 2

ヘッドルームを少し埋めてあげる

録音したボーカルにリミッターをかける。これはある程度やってる人しか分からないでしょう。
リミッターの使い方は割愛します。わかる人はトライしてみて下さい。

最初にフェーダーの真ん中がピークになるように録音する、と書きましたが、今度は残りのスペース(ベッドルームを少しだけリミッターで埋めてあげると良いでしょう。

ヘッドルームとはこの音が鳴ってない空白の部分です。
リミッターをかけてここを少しだけ埋めてサビなどで7割くらいまで届くように音量を上げてあげると。なお扱いやすい音になります。


上記写真の下のトラックの様に赤が点いてしまったら上げ過ぎです。一曲を通して一度も赤が点かないよう気をつけましょう。


こうして出来上がった音源を共有するととても良いデモができたり、アレンジャーにとってやりやすかったりします。あとは直感で良い!悪い!と話し合える事でしょう。


デモとはいえ、やはり音質が悪ければ直感が機能しなくて、「んー、、、なんかなぁ、、、んー、、、」という会話になりがちです。
あげく「んー、、楽器足してみる?」などともしかしたら不必要だったかもしれない楽器を足したりして余計悪くなったりして迷走しやすいです。



いかがだったでしょうか。制作は上流から良くしていく事が良い結果になりやすいです。

上流・・・一番最初にやること、例えばデモ制作。トップライン制作など。

下流・・・マスタリングなど。


いい音で録って今日も宅録を楽しみましょう!

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