さけるチーズとビールと「坊っちゃん」。至福の時間である。 高校の教科書に「こころ」はあるが、これは名前だけ知っていて大人になるまで読む機会がなかった。だいたい、教科書に載る人の本なんか面白いわけがないと勝手に思っていた。 それでも、やっぱりこれだけ有名なやつは読んでおかなければと思ったのだろう、数年前に手に取った。読んだら、100年前とは思えない、ユーモアあふれるテンポの良い文章で、とても楽しませてもらった。 今回は、臨床心理学者の河合隼雄の「深層意識への道」を
伊予原新「八月の銀の雪」新潮社 「八月の銀の雪」という不思議なタイトルに惹かれながら、単純な私は雪景色がなんとなく浮かんでいた。でも、それよりももっと奥深く味わい深い景色が読み終えた後に残った。 主人公は冴えない就職活動がうまくいかない大学生。内定どころか、二次面接にすら進めない。「お祈りメール」という不採用通知が届く日々。 最初は自分の殻を破ろうとせず、言い訳ばかりで主人公に対して、自業自得という感じを持ったが、外国人の女性グエンとの出会いが彼を変えていく。
人と人が接する世界でいじめをなくすなんてことが本当にできるのか。 いじめの定義は、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理 的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」 この定義によると、苦痛を感じればいじめになる。 小学生や中学生にとってこの定義がどんなふうに影響するのか。この定義が、印籠のようになってきているように思う。これが印籠となり違ういじめが発生してしまう場面をいくつも見てきた。 その度、大切なのは自分がいじめられる側