かわいい子なので旅をしてきます

 ・自分が好きだけど、嫌いって話。

8月。

 8月になった瞬間に、2020年の日本の梅雨だか雨季だかが終わりましたね。ザ・夏の晴れ。空もカレンダー見て天気決めてんのか。キリがいいと、気持ちいいよねぇ。天気予報見てないけど、明日からまた雨とかはぜったいの拒否です。お願いします。

 土日のどちらかに、週1ブックカフェに行くという習慣を手に入れつつある3週目サタデー。今日は「ケーキの切れない非行少年たち」を読みました。感想については記事の後半で言おうかなと思うのですが、毎冊なにかしら本を読んでは自己内省ばかりが脳内をぐるぐるする。「自分は…、自分だったら...」みたいな。自分が好きだし、自分のことばっか考えています。とどまるところを早く知ったほうがいいナルシストだましい全開です。

 ところで、お読みになっていただいているみなさまは、自分のことは好きですか?

 なんかこれアンケート取りたいな。あとでツイッターで取るか。身内ばっかなんだけど答えてくれるかな。

 わたし語りをすると、すでに言ってしまった通り、もうなにがなんでも好きです。自分のことを好きだと言うようにしました。というか、言えるようになりました。

 何かを達成したからとか、大好きな松田龍平に会えたからとか、まぁ別に会えてないんですけど、そんな理由ではまったくなくて、高校時代からのとくに親しい友人のひとりに「この世で一番自分が大好きなんだ!」と宣言したら、「そうだ、そうだ!それが一番だよ!」とアシタカに負けぬ曇りなき目でそう言ってくれたんです。頭の上でわたしの理性をつかさどるモロが大爆笑してましたが、でもそれが、この主張に多少なりとも自信を持つことができたきっかけという、なんとも気の弱いバックヤードが存在するわけなのです。

 そういうフィーリングをもった友達はいまわたしの周りにとても多くて、めちゃくちゃいい環境でやらせてもらってます、ってことで話は終わったりはしない。

 現実社会の中でちょっとばかしの苦渋をなめただけの元社会人なので、偉そうなことは言えるはずがないんですが、なんていうかその理屈が通じるところがほぼどこにもないんですよ。「自分大好きです!」「はい、で、仕事できんの?協力できんの?」って。そりゃそーだよ、当たり前じゃんわかってるって。むしろ自分のことばっか考えるなら社会不適合者のハイウェイ速度オーバーで一発免停だわ。そーやって主張したところで、交友関係の外に踏み出てみると、そこはもう他者を超えて他人ばかりの利害関係の領域なんですよね。若葉マークのころの首都高速を思い出します。こわ。

 そこで求められてるのって「プロ意識」であったり「へこたれない心」や「サービス精神」や「マナー」や「自主性」であったり、言葉のかたさからいっても、完全なカッチリコッチリ爆弾が身体の隅々で爆発するんですよね。毎度、瀕死。

 そういう場所に出た瞬間、自分のことがまっっったく嫌いになる。何もできない、人様の役にひとつもたてない、迷惑しかかけられない、努力がわからない、みんなが嫌な思いをする。そんな自分がみじめであわれで消えてしまいたくなります。

 で、今日「ケーキの切れない非行少年たち」という本を読んでたところ、おいしいおいしいアイスカフェラテを飲む手が止まった。まだ遭遇したことのない世界へ社会科見学で訪れた気持ちで読んでいたつもりが、この往来の悩みに流れ弾がかすったのだ。実際にそういう話も出てくるのですが、メインは非行少年たちの根本的な問題点である認知機能についてめっちゃとてもわかりやすく解説している渾身の一冊なので、こういう感想はたぶんあまり適当ではないんですけど。

 ああ、これは、トレーニング不足のせいかと。

 そういう雰囲気に耐えうるだけのトレーニングをしてないから、社会の重圧に対する筋肉がないんだと。
 そういうことだったのね、ってわかりました。

 「努力しろ」って言葉がきらいでした。「トレーニングしろ」ならすごい納得して頑張れる気がして。あんま言われすぎると、ちょっと涙ぽろぽろしますけど。そういう意味で、旅をしよう、って思いました。旅行っていう言葉でだましだまし目的地へ、できるなら最速で、向かえばいいんだよ。わたしは素直でかわいいね。

 旅をして、強くなってくれ。そしてもっとかわいくなって、社会にもかわいがられてくれ。どうか、どうかだよ。


 そしてしっかり真正面から感想をいうと「ケーキの切れない非行少年たち」、頭を殴られたような衝撃だった。犯罪をおかしたくて非行に走るわけじゃなく、それしか思いつかないから加害者になってしまって被害者を生むという悲劇的な構図。もちろん本人も苦しいし、家族や周りの支援する人も苦しいし、そして社会にどうわかってもらえるかっていう著者の苦悩がほんとに肺を圧迫してきた。苦しい、という主張をするだけで精一杯になってしまっている状況の中にいる人がたくさん登場した。同じ日本にいるなら、どんな関わり合いだとしても確実につながっている部分なわけだから、どういう支援ができるのかっていうことは、目を背けずに考えたいと思った。

 だから早く、かわいくて強い自分になってくれ。自己欺瞞からのスタートでいいから。そして長澤まさみの子猫になるのだ!!!!

終わり

言わない方がもちろんワビサビだけど全員にぜったいわかってほしいので言っちゃう元ネタまとめ:
アシタカ「曇りなき目」、モロの大爆笑・・・映画「もののけ姫」
長澤まさみの子猫・・・映画「コンフィデンスマンJP」
かわいい子なので旅をしてきます・・・ことわざ「かわいい子には旅をさせよ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?