『夫がリストラに!?』 〜リストラにあった時の妻のココロエ〜
終身雇用が当たり前だった時代は既に去り、グローバル化やAI技術が進んだことで雇用は流動化し、また減少傾向にも転じています。
更に2020年には新型コロナが経済に大きなダメージを与え、老舗で大手のメーカーや旅館・ホテル等が破産したり、大規模なリストラを発表する企業も出てきています。
これは日本だけではなく世界でも同じで、1929年の世界大恐慌以来の最悪の危機だとも言われています。
国内外のこのような状態は、いずれあなたやあなたの家族が勤める会社にも影響を及ぼしてくるでしょう。
もしかしたら既にあなたはその影響を身にしみているかもしれません。
この状況は、2021年には更に悪化すると見られており、更なる倒産が予想されます。
そうなると「リストラ」の危機は更に私達の身に迫ってきます。
こんにちは。萱野雫(かやのしずく)です。
深刻な書き出しで驚かれたかもしれませんね。
私は現在50代。「子なし円満夫婦」の妻としてブログを書いたり、ツイッターで呟いたりしています。
上のTwitter画像にも書いていますが、今から10年ほど前、私の夫は当時勤めていた会社が倒産し失業しました。
その時のことについて、私がどんな風に考え過ごしたのかについて、こちらのブログに書いています。↓
しかしこの記事ではふわっとしたことしか書いてありません。
「旦那様がリストラにあったらどうしたらいいのか」
「妻としてどのように振る舞うべきなのか」
この「note」では、「夫が失業し無職になったことがある妻」としての経験を元に更に踏み込み、より具体的なことにも触れていきたいと思います。
今まさにその境遇(旦那様がリストラにあった)にあるあなたにお読み頂き、参考になればと思います。
勿論、ここまでお読みくださった方の中には、旦那様がリストラにはあってはいないけれども、「もしリストラにあったらどうしよう」と心配していらっしゃる方もいるでしょう。
「リストラにあうなんて縁起でもない! 」
「そんなこと考えたくもない!!」
...とお感じになられる方もいることでしょう。
当然、旦那様がリストラにあうかもしれないなんて考えたくもありませんよね。
そう思われたら、この「note」をいったん閉じてスルーして下さい。
「でもなんだか気になるな!」と思ったら、この「note」に戻ってきてお読み下されば幸いです。
※このnoteは「無料」なので、安心して最後までお読み頂くことができます♪
(序章)
旦那様が「リストラ」を勧告された場合、答えは2択しかありません。
・「リストラ」を受け入れ新しい就職先を見つける
・「リストラ」を拒否して戦う
ここでは「リストラ」は、余剰人員の削減を目的とした「整理解雇」を表したいと思います。
なお「整理解雇」の前段階として、「退職勧奨(たいしょくかんしょう)」があります。
退職勧奨
これは文字通り、会社から退職を促されるというものです。
「退職勧奨」はあくまでも会社側が退職を勧めるものであって、強制力はありません。旦那様が辞めたくないのであれば、会社側に「辞めたくない」と言えばそれで終わりです。
拒否することで居づらくなったり立場が悪くなるということもあるかもしれませんが、弱気になって会社が求める書類にすぐにサインをすることは避けたいものです。
しかし旦那様がこれを受け入れるというのであれば、「自己都合退職」ではなく「会社都合退職」になるようにした方が賢明です。
「退職勧奨」とは別に、会社が「希望退職」を募る場合があります。
直接会社側から「辞めてくれ」と言われなくても、希望退職の条件が良いので、旦那様は「退職したい」と考えるかもしれません。
この場合も条件をしっかり把握して慎重に書類にサインする必要があります。
尚「整理解雇」に関してですが、正社員の場合、それが不当なのであれば会社側に撤回を求めたりすることも不可能ではありません。
もし旦那様が「断固、会社と戦う」というのであれば、会社から「解雇理由通知書」を取り寄せる必要があります。
※会社に対して解雇の理由を具体的に聞くことは労働基準法で認められています。
「解雇理由通知書」を持って「弁護士」さんに、この整理解雇は不当なものではないのかということを相談してみましょう。
万が一、会社側がこの「解雇理由通知書」の発行を拒否した場合には、書面で解雇理由証明書を請求する内容証明郵便を出しましょう。(※解雇理由証明書を出さないのは労働基準法違反にあたります。)
私の夫は厳密に言うと「リストラ」ではなく、会社倒産による解雇でした。
従って、「夫とともにリストラと戦う」という経験はないため、これ以上のアドバイスができずに申し訳ないのですが、いずれにしても「弁護士に相談する」ことが必要になります。
まずは「法テラス」、または労働問題に取り組む「日本労働弁護団」の弁護士に連絡して相談してみましょう。(無料の電話相談有り)
▶日本労働弁護団
http://roudou-bengodan.org/
勿論、お友達に気軽に相談できる弁護士さんがいるのであれば、その方にまずコンタクトを取ってみましょう。
知り合いに同じようにリストラにあった人がいて差し支えないようであれば、聞いてみるのもいいと思います。
まず旦那様が「リストラ」を受け入れるのか受け入れないのか、退職を希望しているのかなど、どういう気持でいるのかを知る必要があります。
そしてここからは、「リストラを受け入れる」という答えを旦那様が出した、[奥様のあなた]に向けて書いていきます。
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旦那様がリストラにあった奥様の取るべきスタンスとして、
【旦那様にあまりに近づき過ぎず、しかし離れすぎず、旦那様を孤独にせずに見守る】
ということではないかと、経験者として感じています。
つまり『旦那様の味方』でいるということです。
そしてその上で、旦那様との「情報の共有」に務めます。
解雇を旦那様が受け入れるのであれば、旦那様の退職条件や退職金がどのようになるのか知っておくことは大切です。
最初にチェックすべき点としては、
・失業保険がどれくらい(期間も含め)もらえるのか
・退職金がどれくらい出るのか
・会社に請求できるお金(残業代など)があるか
ざっくりしたものでいいので、旦那様に確認しておきましょう。
これは当面の生活を維持するために必要な情報です。
あくまでも旦那様との「情報共有」ですので、責めたり詰問するような言い方は禁物です。
※私の夫のようにリストラではなく、会社が倒産した場合にはお給料や退職金が会社から直接出ないこともあります。
(このことについては後半部部でまたお話します。)
「序章」が大変長くなりましたが、ここから妻としての「心得」について、次の3点を順番に沿ってお話をしていきたいと思います。
①態度編
②具体的サポート編
③経済編
●第一章:態度編●
旦那様からリストラされることを告げられた時に、まず心がけたいことは大きく分けてて2つあります。
1. 夫を責めない(とても大事!!)
2. 慌てふためいて取り乱さない
❏ 1. 夫を責めない
絶対言ってはいけないNGワードがあります。それは、
「これからどうするのよ!?」
「次の(仕事の)あてはあるの?」
「子供の教育費はどうするつもり?」
こういった責めるような言葉です。
旦那様だってショックを受けていることでしょう。どうしていいか分からないのは、まず旦那様なのです。
リストラをされた男性としては、「自分に能力がなかったのではないか」という気持ちになります。
そこへ奥様からの責めるような言葉を浴びせかけられたら旦那様はどう思うでしょうか。
あまりに酷い言葉をいつまでも浴びせていれば旦那様だって落ち込んでしまいます。「鬱」にもなりかねません。そうなってしまうと、事態は更に深刻になります。
夫婦喧嘩の種にもなるでしょうし、関係もギクシャクしてしまうでしょう。「離婚」の引き金にもなるかもしれません。
それよりも、まずはこれまでの夫の仕事の頑張りに対して「お疲れ様」の言葉でねぎらいましょう。これまで家計を支えてくれたことに、まずは感謝するべきです。
また、就職活動を始めてハローワークや面接等から帰ってきた際、例え良い結果ではなかったとしても咎めてはいけません。
就職活動から帰ってきた時も「お疲れ様」とねぎらいましょう。
旦那様がリストラを宣告されてから就職が決まるまでの間は、言葉は慎重に選ぶ必要があります。間違っても、「家庭を戦場にしない」ようにして下さい。
家庭はこれまでと同じように、夫にとって「安らぎの場」であることが好ましいのです。
❏ 2. 慌てふためいたり取り乱しない
勿論、「旦那様のリストラ宣告」に奥様であるあなたも動揺しないわけがありません。最初は誰しもが慌てふためくのは当然のことです。(私も動揺しました)
しかし、いつまでも慌てふためき、取り乱したままでいることは得策ではありません。
なぜなら、あなたがいつまでも取り乱していると、旦那様も感情が取り乱されてしまうからです。
あなたがすることは、これからのことについて旦那様がどのように考えているのか知り、理解を示すことです。
奥様は「聞き役」を心がけたいものです。
しかし旦那様から何か意見を求められたら、あなたの考えを言いましょう。
この時も言葉を慎重に選んで下さいね。
●第二章:サポート編●
ここでは、「妻」として、旦那様に対してどのようにサポートができるのかについて考えてみたいと思います。
大きく分けると奥様ができることは、
・旦那様を落ち込ませない
・旦那様の健康管理
・家庭(子供がいる場合)への諸々のサポート
この3つではないかと思います。
最初の「旦那様を落ち込ませない」に関しては、この前の「態度編」のところでお話しましたので、そちらをご参照下さい。
ここからは、「旦那様の健康管理」と「家庭(子供がいる場合)への諸々のサポート」について、お話します。。
[旦那様の健康面]
・「リストラ宣告」をされた旦那様が「鬱」になったり、「自律神経失調症」になったりしないよう配慮しましょう。
・就職活動するにも体が資本ですので、バランスの良い食事を作るように心がけたり、旦那様が夜更かしなどして生活のリズムを崩さないよう気を配りましょう。
[家庭(子供がいる場合)への諸々のサポート]
奥様がサポートできることをお話する前に、奥様をサポートしてくれる人がいないかについて触れたいと思います。
▷頼れる人がいないか探す
例えばもしあなたが専業主婦・パート勤務だったとして、これからフルタイムで仕事をするという決断をした場合には、お子様の面倒を見てくれる人が必要になります。
あなたのご両親がまだ若いのであれば、お子様のお世話をお願いできないか聞いてみましょう。
毎日ではなくても、必要な時にお子様を見てくれるような人がいないかも探してみましょう。
「そんな人いない」と最初から諦めないで下さい。
市町村やコミュニティなどの機関で相談にのってくれるところもありますので、自治体の窓口(まずは市町村区役所)に問い合わせてみましょう。
(普段から困った事があった時に頼めるような人間関係を億劫がらずに作っておくことをおすすめします。)
また奥様であるあなたも、どこかで愚痴を吐いたりしたくなることでしょう。
あなたの悩みを聞いてくれる友達や、ボランティアの人を探すなどして、あなた自身の心のケアのサポートをしてくれる人を確保しておくことも大切です。
※ネットで愚痴を吐くだけではなく、リアルで話を聞いてもらう環境を確保しておくことをおすすめします。
▷旦那様の就活のサポート
旦那様の「就活のサポート」といっても、勝手に履歴書を送ったり、あなたの親族や友人の会社を無理やり勧めたり等、就職先の押しつけはNGです。
勿論、あなたも情報収集をして良さそうだなと思う仕事をさりげなく紹介してみるのは有りだと思いますし、旦那様からそれを求められたら協力をしましょう。
旦那様に「何か手伝えることはある?」と聞いてみるのもいいかもしれません。
「何も手伝って欲しいことはない」と言われるかもしれませんが、「何か手伝えることはある?」と聞くだけでも旦那様の気持ちを楽にします。
勿論、「うるさい、放っておいてくれ」と不機嫌に言われるかもしれません。その時にはそのとおり、「何もしないでおく」のがベストです。
「うるさい、放っておいてくれ」なんて言われたら、あなたも腹が立って言い返したくなるかもしれませんが、ここは言い返さずスルーするほうが得策です。
⚠焦ってブラック企業に就職させない
早く次の就職先を探すことは大事なことですが、旦那様が焦って「ブラック企業」に就職しないように気を配ってあげて下さい。
旦那様は「ハローワーク」に行ったり、「転職エージェント」に登録したりしているでしょう。そういったところは、労働条件がしっかりと分かるのでいいのですが、それ以外の「自力」で探す場合には注意する必要があります。
勿論、そんなことは既に旦那様が分かっていらっしゃることだと思いますが・・・。
余談になりますが、最近では跡継ぎのいない小企業などもあり、跡継ぎを探している所もあったりするようです。地道にそういった情報を探してみるのも選択肢としてあってもいいかもしれません。
「後継者募集」「跡継ぎ求人」などのようなキーワードで探してみると、そういった情報が出てきます。
○当面の生活について
旦那様がするべきことは、当然「再就職活動」です。
しかし再就職にどれ位時間がかかるかは、人それぞれです。
比較的すぐに決まる人もいれば、なかなか決まらない人もいるというのが現状です。
一年はかかると考えた方がいいかもしれません。現在の状況ではそれ以上かかるかもしれません。
私の夫の場合、比較的早く(一年未満で)、それまで勤めていた会社と同じ業界で働き出しました。しかし身分は「アルバイト」でした。(当時彼は45歳でした。)
なかなか就職が決まらない場合には、正社員にこだわらずアルバイトで働きながら正社員の職を探すというのも選択肢に入れてみるのも有りだと思います。
そして当面のどのように生活を維持していくのか考えなくてはなりません。
これは旦那様がまず考えるべきことでですが、旦那様は「就職活動」もしなくてはなりませんので、奥様も一緒になって考えていく必要があります。
そのためにチェックするべきことは、
①リストラによって、一時的にどれくらお金が入ってくるのか
②現在の貯金はどれくらいあるのか
③一ヶ月の生活費はどれくらいかかるのか
④節約できるものはないか(固定費を減らす)
このことをしっかり把握しなければなりません。
詳しくは次の[経済編]で触れたいと思います。
●第三章:経済編●
旦那様が再就職先を探すのは大事なことですが、その前にもっと根本的なことを夫婦で話し合う必要があるのではないかと思います。
それは、夫婦で『今後の展望』について考えるということです。
どういうことなのか具体的にお話します。
例えば現在都会に住んでいて、これまでに旦那様が通勤に1時間以上かかっていたとします。
その生活をどうしても継続したいのでしょうか。
また旦那様はどのように考えているでしょうか。
例えば30代位までで体力のある年齢であれば、都会を離れて「農家」として再スタートを切る選択肢もあると思います。
旦那様が地方出身なのであれば、奥様であるあなたがイヤでなければ、旦那様の地元に戻って今後生活をするという選択肢もあります。
勿論これらはあくまでも例です。
逆に地方都市で再就職活動をしてもなかなか仕事が見つけられない場合、都会に出れば仕事があるかもしれません。
しかし家族で都会に住むとなるとお金が今以上にかかります。
この場合、旦那様がだけ都会に住み込みで働くという選択肢もあります。
勿論、「家族バラバラになるなんて考えられない!」と思うことでしょう。
しかし「今のままで生活が維持できるのか」ということをまず考えて、維持できないのであれば、フレキシブルな方向で考えていくしかありません。
◎旦那様のリストラをきっかけに、夫婦・家族としてのあり方やライフスタイルを変える必要があるのかどうかを考えることが先決かもしれません。
残念ながら旦那様のリストラによって、「現在の生活水準」を保てない可能性もあります。
しかしだからといってそれを悲観するのではなく、そこからあなたと旦那様・家族が納得できるようなライフスタイルを見つけたり、それにシフトして行くことを考えることが、奥様ができる「サポート」ではないかと思います。
勿論、最初は前を向いて考えられないかもしれません。
しかし、「一緒に新しい人生を歩んで行きましょう」という奥様のその言葉と態度が旦那様を勇気づけるものだと思います。
それこそが「奥様ができるサポート」ではないでしょうか。
勿論これは理想であって、なかなかそういう心境にはなれないことでしょう。特に最初の頃はそうだと思います。
しかし、奥様が前向きに考えられないのであれば、あとは「離婚」という選択肢しか残されていません。
「離婚」を考えたくなるでしょうが、本当にそれでいいのでしょうか?
旦那様の退職金の一部或いは全額をもらい、それであなたは本当に幸せになれるでしょうか? (その前にそんなお金さえ手にできないかもしれません。)
もし「離婚」の文字が頭をよぎるのなら、一度立ち止まってよく考えてみることを強くおすすめしたいと思います。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
それでは、更に具体的なことを見てみたいと思います。
『サポート編』のところでもお話しましたが、旦那様と共有した情報を再度確認してみましょう。
①リストラによって、一時的にどれくらお金が入ってくるのか
②現在の貯金はどれくらいあるのか
③一ヶ月の生活費はどれくらいかかるのか
④節約できるものはないか(固定費を減らす)
この4つの項目に解説を少し加えます。
①リストラによって、一時的にどれくらお金が入ってくるのか
具体的には退職金、また、お給料いつまでが出るのか等を、ざっくりといいので旦那様から教えてもらって下さい。
②現在の貯金はどれくらいあるのか
二人で貯金がどれくらいあるのか、口座の残高はどれくらいあるのかを調べて下さい。
③一ヶ月の生活費はどれくらいかかるのか
これは今まで奥様であるあなたが生活費を管理していたのであれば、すぐに分かりますね。(旦那様が管理されていた場合には旦那様に聞いて下さい。)
食費、家賃、公共料金、車などのローン、各種保険料 など、毎月出ていくものを一覧にして、目で分かるように書くなり、プリントアウトするなりして下さい。
そしてそれを旦那様と共有して下さい。
④節約できるものはないか(固定費を減らす)
③で作った生活費の一覧を見ると、「なくても大丈夫」とか「こんなの要らない」というのが出てくるかもしれません。
そういったものを洗い出し、解約したり、引き落としをストップさせるなどしましょう。
例えば「新聞」や、贅沢品に類するようなサブスクリプションや、なくても困らないような月額サービスのものを解約しましょう。
▷住宅ローン
リストラにあい住宅ローンの支払いが難しくなった場合にはすぐに銀行に連絡をして相談することをおすすめします。
自宅の住宅ローンが残っている場合には、申請を行い審査が通れば、「返済額の軽減」や「元本据置」、「返済額の延長」等が可能になります。
まずは融資を受けている金融機関に可能かどうか問い合わせ相談してみましょう。
間違っても家賃滞納をしないよう、銀行に連絡して相談しましょう。
[参照]:各種の債務減額
「個人再生」を申請する(裁判所に申し立てを行う)ことで、債務を減額してもらうことができます。
これは「自己破産」とは違い、一定の条件を満たせば住宅を手放さずに手続きをすることができます。
個人再生の手続きは複雑なので、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
※注意※
これは減額されるのは住宅ローン以外の債務です。住宅ローンについては返済を続けなければなりません。
もし、住宅ローン以外にも借り入れがあって、その債務を軽減できれば住宅ローンの返済は続けていけるという場合の手立てです。
●賃貸物件の場合●
家賃の支払いが困難になりそうな場合には、家賃を有期で給付する制度・「住宅確保給付金」が利用できます。
ただこの制度は原則3ヶ月(最大9ヶ月)と短いのが難点です。しかし全くないよりはいいでしょう。
ちなみに「住宅確保給付金」は、家賃相当額を自治体から家主さんに支給するものです。
「住宅確保給付金」を受けるためには、
・世帯の収入、金融資産が一定額以下であること
・65歳未満で、かつ、離職等の日から2年以内
・ハローワークに求職の申込みをし求職活動を行う
の条件があります。
詳しくは厚生労働省のページを参照して下さい。
▶厚生労働省「住宅確保給付金」
☆今住んでいる賃貸住宅の家賃の支払いが難しい場合、都営・市営などの公営住宅に移り住むことを検討してみましょう。
▷保険の見直し
長年かけている保険があれば、保険内容が現在の状況にあっているのか確認してみましょう。
契約をした保険会社の担当者に連絡をすれば教えてくれますが、公平なアドバイスが欲しい場合には「ライフプランナー」に問い合わせた方がいいかもしれません。
またできれば一人(一社)だけではなく2〜3人(社)の意見を聞いてみることをおすすめします。
その上で、必要がないと思えば解約することもできます。
また解約せずに、返戻金を掛け金にあてたり、「払済保険」(保険料の支払いを中止して、解約返戻金を一時払い保険料にして、保険を満期まで継続させるもの。ただし保険金額は減額されます)にすることもできます。
具体的な方法については、契約をした保険会社に問い合わせて下さい。
▷子供の教育費の見直し
子供が進学する場合には、奨学金が受けられないか調べてみましょう。
[参照]:『日本独立行政法人 日本学生支援機構』
奨学金以外では「生活福祉資金貸付金」のように無利子で利用できる貸付もあります(但し、条件あり)。
ただ無利子とは言えあくまでも「貸付」ですので注意が必要です。
なお、詳しい連絡先は各自治体の「社会福祉協議会」(または「労金」)になります。下の厚生労働省のページを参照下さい。
またもしあなたが貯蓄型の生命保険に加入していれば、解約返戻金の一定割合までの貸付を受けられる「契約者貸付制度」があります。
ただこの場合、先程お話した「解約」などはできなくなります。
逆に子供のためにかけていた保険(「教育保険」など)があれば、それも見直してみましょう。
なお、学校によって救援策がある場合もあります。
例えば、群馬県立館林高等学校では、家計急変世帯への支援制度として「授業料負担への支援」などがあります。
▶群馬県立館林高等学校「新型コロナウイルスの影響による家計急変世帯への支援制度」
お子様の学校にもそういった支援がないか確認してみましょう。
▷「妻であるあなたも働く」ことについて
家計を補うためにあなたもフルタイムもしくはパートとして働くことも奥様ができるサポートの一つです。
ただ旦那様のサポートをして、あなたも就職活動をするとなると、かなり精神的な余裕がなくなる可能性があります。
背に腹は変えられませんが、あなたがイライラしてしまうと家庭がギスギスすることにもなり兼ねないので、注意することが必要だと思います。
既婚女性の再就職について詳しくは今回ここでは触れません。ご了承下さい。
あなたが既に正社員でフルタイムで働かれている場合には、そのまま継続して勤務されることを強くおすすめします。
なお外に出て働くのではなく、「在宅で働く」という選択肢もあります。
しかし一部を除き、「在宅ワーク」は外でフルタイムで働くより収入はグッと少なくなります。
努力を続けていくことで、将来的にはフルタイムよりも収入が倍以上になる可能性もありますが、大抵の場合、時間がかかります。
「即金性」という点では外に出て働く方が圧倒的に効率的です。
しかし、もし貯蓄があって奥様がすぐに働きに出なくても大丈夫な余裕がある場合には、将来性を考えて在宅ワークに取り組んでみることもいいかもしれません。
❏番外編:リストラではなく「会社が倒産してしまった」場合
私の夫は会社が倒産してしまい、20年近く働いたのに退職金が会社からは出ませんでした。
厳密に言えば、その会社が倒産手続きを取っている最中に、弁護士から夫宛に退職金相当の給付が受けられるという連絡を受け、150万円ほどの金額を受け取りました。
私の夫の場合、まだラッキーなケースでしたが、中には会社から退職金や給料が支払われない場合もあります。
そういう場合には「未払賃金立替払制度」を利用することができます。
「未払賃金立替払制度」とは、企業が倒産し賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、未払賃金の一部を立替払する制度です。
全国の「労働基準監督署」及び「独立行政法人労働者健康安全機構」で制度を実施しています。
下の厚生労働省のページをご参照下さい。
また私の夫の場合、「失業保険」の給付もありました。
私も当時は自営業者として収入がありました(ただし恥ずかしながら、夫を養うだけの収入ではなかったです。)
また住宅ローンも他の借金も全くなく、夫婦二人だけですので何とかやっていけると思いましたし、生活水準がランクダウンすることに抵抗もありませんでした。
そんなこともあり、当時私はそんなに悲壮感はありませんでした。
ただ20年近く働いてきた夫が気の毒でなりませんでした。
このことについては、こちらのブログ記事に書いております。
(終 章)
最後に・・・
旦那様がリストラにあってしまうことは、奥様にとっても相当ストレスになります
しかし冒頭でもお伝えしたように、ずっと動揺したままでいるのではなく、「旦那様をサポートする」という視点になるべく早く切り替えられるようになれることを願いたいと思います。
何ができるかを考え旦那様とよく話し合い、2人でまた生活をたて直していきましょう。
私の好きな言葉に「明けない夜はない」というものがあります。
今は苦しいかもしれません。辛いかもしれません。誰も手を差し伸べてくれないような気になってるかもしれません。
でも今の日本に住んでいる限り、また前向きに生きている限り、「悲惨過ぎる状態に陥る」ことはありません。
「なんとかなる」というのは無責任な物言いに聞こえるかもしれませんが、あなたと旦那様の結びつきがしっかりとして意思があれば、なんとかなるものなのです。
たいへんな時は助けを求めてもいいし、必要だと思ったら早めにSOSを出しましょう。「自己責任だろ」と冷たく言い放つ人ばかりではありません。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
私の夫は失業後は正社員ではなく、バイト社員として再スタートをしました。
「いずれは正社員に」という話だったので入社したものの、いつまでたっても正社員にしてくれず、夫はその後自営業者として独立することになりました。
それから5年がたち、夫はその事業を法人化し、今はそこから収入を得ています。
私の夫は特別な人間ではありません。
ただただ一つの企業に20年近く勤め、多くの時間を会社の仕事に費やしてきた典型的な「昭和のサラリーマン」でした。
もしあなたの旦那様が、会社のために捧げるような働き方を長年しているのなら(=それがいいということでは決してありません。)、
同業他社、あるいは他業種に転職しても充分通用し成果をあげられるようになっているはずです。
そう信じましょう。
「年輩社員はロクに仕事もしない。給料泥棒で何も仕事ができない」
そんな昨今の「十把一絡げ」の物言いに惑わされないようにしましょう。
あなたの旦那様がその年齢まで会社に勤めてこられたのは、何らかの価値と実力があったからです。何の役にも立たないゴミ社員だったわけではありません。
今は大変な時期かもしれません。しかし夫婦の「絆」が深まるチャンスでもあります。
旦那様が再就職されるまでは、家庭内が多少ギクシャクしてしまうかもしれません。それでも、離婚を簡単に考えないでいただきたいと私は思います。
勿論、旦那様が就職活動もせず、だらしない生活をいつまでも続けているのであれば別ですが、そうでなければ2人で、またはお子様達と一緒に、前を向いてに進んでいってほしいと思います。
そんな思いからこのnoteを書きました。
私からお伝えできることは以上です。
長文を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
▽萱野雫(かやのしずく)のプロフ▽
※今回経験したことを元に書いておりますが、一部調べて記載したものもあります。そのため万が一間違いがありましたら、こちらのフォームからご指摘いただければ有り難いです。加筆修正させていただきます。
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