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伝説のこどもたち Kくん3 真冬のお風呂場

Kは、家族がみんな入ったあとじゃないと、お風呂にはいらないんです。しかも、長いんですよ。何してることやら。と、おかあさんが、いわれるので聞いてみることにしました。

お風呂って、何時にはいるの?

「何時に入るかは、決まっとらん。他の人が、入ってからじゃないと決まらんじゃろ」

夜遅いと冬は寒いよね。と私がいうと

「物凄く寒いし、冷たいし」ふーん、つめたい?!のか、え!ちょっと待って。冷たい?冷たいって?「ほとんど、水じゃから」えー!水?

あんた、追い焚きしてないの?と、母さんが聞くと「追い焚きって何?」とのこと、「黒いボタンがあるじゃろ、あれを押せば…」「えーわ、いらん」というのです。

「うちでは、居間の暖房をつけさせてもらえないので、家族はみんな寒いんです。しかも、窓をあけとかないといけないし」

そうですよね。エアコン苦手ですものね。

でも、一番最初にKくんに会ったとき、「就職するときの最低の条件は?」との私の質問に「エアコンがついていること」と答えたんですよ。

感覚が過敏な人がいます。人それぞれ、感じ方はちがうので、数字で表すと100くらい感じる人もいれば、10くらいしか感じない人もいますよね。でも、それって変わるんですよ。ストレスかかったりすると、過敏になるような気がします。ですから、Kくんはしんどくなっていったのかな?と思ってます。

また、冷たい感覚は、他の感覚をブロックする働きがあるんです。うちに来てる子たちは、涼しい環境を好みます。うちでは、冬でもエアコンつけますし、子どもたちは、薄着のことが多いです。教室を抜け出して、水道で手を濡らしている子も、刺激いっぱいになった身体から、それを落としているのかもしれません。

あ、以前、友人が私に言った話を思い出しました。

教室に座っていると、となりから、なにかが侵入してかる、身体の表面から、どんどん入り込んでくるんだ、はじめは、我慢してるけど「うわ!もう我慢できない」ってなったら「先生、トイレいってきます」って教室を抜け出す そして、水道の水を出す。そこに手を入れるとブワーッと、入り込んだものがなくなって、パアーッと、スッキリするんよー。

そう、あれは、支援者たちの勉強会の時でした。「へー、そうなんだ」と感心してると、もうひとり「そうそう、わかるわかる。目の前もスッキリするんよ」と言い出した人がいたなぁ。






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