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No.39 都合の良すぎる女

彼と腹を割って話し合い、
これからどうしていこうか考えた末、
大好きな彼を精一杯支えてあげたい!という
なんともお人好しな結論に至った。

支えてあげたい精神が強い子ほど
ホス狂になりやすいんだろうな。と
今考えればゾッとしてしまう。

彼が在籍しているお店の臨時休業も解け、
営業は再開。
相変わらず毎日のように私はお店に通った。

そんな毎日行っていて飽きないのかと聞かれれば
正直なところ飽きてはいたが、
行くことが習慣化してしまい
行かないという選択肢が
変に気持ち悪くなってしまっていた。

同棲解消以来、
全くハプニングがなかったとは言えない。

ところどころで余波はあった。
が、それも全て許した。

何をしてもこいつは最終的に許してくれる。と
正直思われていてもおかしくないだろう。

その時の私は【都合良すぎる女】の
典型的なパターンを辿っていたからだ。

毎日店に行き、喧嘩しては許し、また店に行く。

そうこうしているうちに
東京に行く日がもう明日に迫っていた。

私が東京にいる間、彼は住んでいた家を引き払い
従業員用の寮で住むことを私と約束してくれた。

女を連れ込んでいないかと私が
不安にならないように。と彼は言っていたが
そういう言葉が返って私を沼にハマらせた。

その言葉通り、一緒に住んだ家を前日に2人で
綺麗に掃除し、彼の荷物もほとんど全て
寮に運び込んだ。

そして東京にいる間、
もう一つ彼と約束したことがあった。

研修の空き時間でデリヘルで稼いだ額と
同じくらいのお金を稼いでくること。

実はこれが私の東京行きの条件だった。

実質、仕事をするために東京に行くのに、
その行き先で更にお金を稼ぐという仕事を
しなければいけない。
なんて理不尽極まりないんだ!

そう感じて憤りを感じる人がいてもおかしくない。

私もこれを言われた時、
一瞬だけ「え?」と感じたが
大好きな彼が言うことだから受け止めよう。と
少しだけ抱えた疑問をすぐ心の奥底に
直し込んだのだ。

皆さんももうお気づきだと思うが、
彼にとって私はお金を稼いでくる足でしか
なかった。

けれど私はそこに愛情があると勘違いし
彼の為ならと一生懸命身体を張ってお金を作った。

そのことに気づくまでまだまだ時間はかかるが
東京では研修を受けながら隙間時間で
【パパ活】をすることに私は決め
新幹線で東京に向かった。

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