見出し画像

No.35 男のケータイは見るものではありません

東京研修が2ヶ月延期と決まって少し経った
4月下旬、彼の動きにだんだんと
不信感を持つようになっていった。

電話だと言って夜中に家を出て
そのまま朝まで帰ってこないことや、
店舗ミーティングに出たっきり
連絡なしに一晩帰ってこない日があるなど、
女が居ますよと言わんばかりの行動を
取り始めているように感じた。

彼に問うと、営業活動の一環だと言うが
ほんとうにそうなのだろうか?

嫉妬で狂いそうになる気持ちを
なんとか落ち着かせながら彼の言葉を信じたが、
それも長くは続かず私はついに
彼のケータイを覗いてしまった。

彼のケータイのパスワードは
同棲する前から実は知っていたので
サッとパスワードを開けて中を見る。

LINEのパスワードまでは流石にわからなかったので
Instagramの投稿などを念入りに調べた。

すると、私が知らない彼のアカウントが一つ
ポンっと出てきた。

怪しい…。と思ってみると、
女の子とのカップル垢だという。

フォローしてるのはその相手の女の子と
その子の裏垢らしき物の2つだけだった。

それをお互いフォローし合いっこしている。

え!?何これ?!キモすぎる…!

怒りとか悲しみよりも、咄嗟に、キモすぎる!の
一言が出てきた事に私は心の中で笑った。

彼のストーリーのアーカイブを辿っていくと、
一晩帰ってこなかった日のストーリーが出てきた。

ちゃっかりこの子と会ってるやん…。

どこか悔しかった。

女のアカウントもついでに調べた。

ありがたい事にハイライトに彼とのストーリーが
全部表示されていて、手間をかける事なく
閲覧する事ができた。

一晩帰ってこなかった日は、
ホストミーティングの後に合流して
どうやらラブホテルで2人で過ごしていたらしい。

キモ。吐き気するわ…。

怒りと悲しみと嫉妬と
よくわからない感情が入り混じり
自分ではもう制御できない状況だ。

と同時に、あいつゴムしてなかったら許さん…!
妊娠どうこうもあるが、他の女とそういう事をして
病気をもらって帰ってきたら承知しないから…!!

私が次に思ったのはそれだった。

実は相手の女も風俗勤務の女の子で
私より歳は一つか二つ下。

未成年の頃からホストに通い、
そのお金を体を売って稼いでいたらしい。

あるホスト店で総額300万円もする
超高級ボトルを下ろしたとかなんとかで
散々自慢されたと彼から聞いてはいたが、
営業の一貫にしても何にしても、
女の私から見るとキモすぎてキモすぎて…、
彼に対してどこかがっかりした。

がっかりしながらもInstagramのストーリーを
ずっと辿っていくと、
5月から同棲するの楽しみ!というような
内容の投稿が女側から出てきた。

おいおいおい、私が東京に行く予定だった月やん!
私が出て行く事をいい事に、
こいつをこの家に住まわせる気やったんかい!

ますますキモいという感情が溢れ出た。

情けないというかなんというか…。

嫉妬に狂いすぎてか、怒りや悲しみなどの感情が
あるかどうかも自分では分からなくなり
ただただ涙を流すことしかできなかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?