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No.18 前歯折れたスリーマン事件

冬に付き合った彼氏に約3ヶ月ほどで
別れを告げられ悲しみに暮れていた頃、
部活動でも辛い出来事が続いていた。

部活は中学に続きバレーボール部に
入部したのだが、私が入部した時点では
大会予選1回戦負けの弱小バレー部だった。

だが私が入部したと同時に入った子たちがみんな
経験者だった事もあり、
弱小チームを強豪チームにすると
顧問の先生が立ち上がり
スパルタ指導が始まった。

その内容は、
人を罵倒し合って、チームメートにも厳しくする
というような指導方針だった。

私はあまりそういう考えは好きではなかった。

チームメートはあくまで
勝ちを目指すメンバーであり、
非難し合ってばかりでは仲間とは言えない。

それは単に悪口の言い合いをしているような
ものと同じだと思っていたからだ。

盆ミスを繰り返していれば
すぐに直すよう指摘する事も大事だと思うが、
人間だもの、多少のミスは誰にだってある。

そのミスをなくすように皆で話し合って
前向きに持っていくのが仲間という物である。
と思っていたけれど、
顧問が罵倒し合えという物だから
私以外のメンバーもその意見に
何故か賛同していた。

それは次第に厳しさを超えて
体罰レベルになっていっていた。

練習でスリーマンをしていた時、
(バレーボールの練習の一つで
コート半面を使い、プレイヤー3人で3分間
ボールを繋いで送球者(顧問)に返していく
という練習なのだが)

一度のミスで半面コートから
全面コートに切り変わり、
長くて1時間以上
3人で走り回される事もあった。

そんな理不尽な練習に呆れながらも
必死について行っていた私だったが
このスリーマンで事件が起こった。

通常通り半面でスリーマンをやっていたが
1人のミスでいきなり全面コートになった。

私のスリーマンが開始して30分以上経った頃
日々の練習で疲れが溜まりに溜まっていたせいか
体が思うように動かなくなり、
スライディングキャッチをした時に
顔面を床にぶつけた。

その時前歯が一本、ボキっと折れ、
そこで練習は止まった。

私はそのまま保健室に運ばれ
かかりつけの歯医者で治療してもらう事になった。

その後、私は歯を折ったのがトラウマになって
スライディングキャッチができなくなった。

リベロではなかったがレシーブは上手い方だと
思っていたので当時はショックが大きかった。

笑いながら学校生活を過ごしていたが
内心はとても傷ついていた。

今でも、私が歯を折っていなければ
いつまであのスリーマン地獄が
続いていただろうか、と恐怖を感じる。

その後も顧問やチームメイトと
何度も指導方針などで揉め、
かやまは大好きだったバレーボールを
高2の秋頃に辞める事になる。

歯を折ったトラウマからの恐怖もあったが、
顧問の先生からの暴言や指導法に
精神的にやられ練習に行くのが怖かったからだ。

かやまゆうかが部活に注いだ月日は
5年で終わってしまった。

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