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出産間近妊婦のお気持ち表明

ついに出産予定日まで1週間となりました。
相変わらず、休職に入る前までとは比べ物にならないストレスフリー生活を続けておりますが、むしろいろいろと考える時間があるからなのか感情の動きがそれなりにあります。

出産したらたぶん忘れる気がする。なぜならすでに、休職前の日々のストレスを「懐かしい~」なんてノリで思い出しちゃう私だから。
喉元過ぎればすぐに過去にしてしまう。まあ過去であることに間違いはないので仕方ないことなのかもしれないですが、人生で2度あるか分からないこの「臨月」という時期に自分が何を感じていたのかを、せっかくなので記しておこうと思います。

① リアルに迫る「出産」というイベントに突如怯える

「正産期」と呼ばれる妊娠37週以降、「出産」という営みが急にリアルな恐怖となって襲ってきました。
当たり前ですが、子供をこのお腹に宿してから、自分がトツキトオカ経てば「出産」に臨むことになること、そして無事に「出産」に臨める状況になれるように努めるべきことを理解はしていました。
それこそ怪我や病気と違って、自分で望んで線を引いた未来の行く先なんだから。

ただ、理解していることと、心から受け入れることは全く別物だったようで。
こんなのただの甘えでしかないのですが、「正産期」=いつ産まれてもおかしくないよ、の時期に入ると、ひっそり一人脳内でパニックに陥りました。

ぜったい痛い。私はこれまで大した病気も怪我もしたことがないので、たぶん人生で一番痛い経験になる。しかもいつ始まるのか分からない。いつまで続くのかも分からない。

ネットで色々な人の出産レポを読んでは、「壮絶……」と打ちひしがれ、果たして私に耐えられるのか不安になる日々でした。
特に夜が良くない。お腹が大きくなって寝苦しい夜に突如心細さがマックスになり、隣で眠る夫に「怖いよう怖いよう」とどうしようもないことを訴え、夫が「えー大丈夫だよー」みたいな間延びした返事をしようものなら「どうせ産むのは私一人だよ! あなたは一瞬も痛くないんだからいいよね!」みたいな超絶面倒くさいことを言い出してしまう始末なのでした。(本当ごめん)

ただ、心の根底には「この妊娠は私と夫が勝手に始めた物語……」という思いはあるので、「怖いよう怖いよう」は夫にしか言えず、友達や義父母には「そろそろですよねぇ、楽しみです、ウフフ」みたいな穏やか妊婦を演じてしまうところもありました。
痛いの承知で妊娠したんじゃないんかい、というツッコミに、こっそりと予防線を張ってしまっているんですね。

ちなみに、実母にも若干の「怖いよう」攻撃を仕掛けた(あんまり言いすぎると心配をかけてしまうので控えめに)ついでに、産婦の先輩として出産にまつわるエピソードを聞き出そうとしたところ、知り合いの経産婦の中で実母の思い出は最もぼんやりとしていました。

ネットで見かける出産レポしかり、義母しかり、友人しかり、もはや実母の友人しかり、やっぱり出産って人生における一大イベントで、自分のお産がどういう風に進んだのか、どんなに大変でどんなに辛かったか、みんながそれぞれの出産エピソードをきちんと覚えていて、出産を控えた私という妊婦に教えてくれます。
ただ実母は、出産に関することをどんな風に問いかけても、
「正直あんまり覚えてないんだよねー。だって30年も前のことだよ?笑」
みたいなノリなのです。

断っておくと、母は「過去を振り返らない」ことをモットーとしているさっぱり系婦人なわけではなく、自身の育児について聞いてみると、慣れない土地で奮闘したワンオペ育児の辛さについては次々とエピソードが飛び出てくるので、本当に出産の痛みについては特に語ることがないのだと思われます。

「そんなのお母さんだけだよ……」と母に言ってみたところ、「たぶんね、お母さんだいぶ安産だったのよ」という簡潔すぎる答えが返ってきました。ちなみに「おばあちゃんも安産だったらしいよ」とのことです。

そういうものか? という気がしなくもないですが、母も祖母も安産だったということなので、私もこの安産力の遺伝には賭けるしかない。

①-2 ――からの吹っ切れ期

母からの安産力の遺伝は話半分なのですが、予定日2週間ほど前から、突如「怖いよう怖いよう」のメンタルから「いや、もう頑張るしかない。やるしかない」の感情に、グラデーションを描く感じで変わっていきました。

というのも、これくらいからまたぐっと一段動くのが大変になってきて、調子が悪いと15分ほどお散歩しただけで下腹が痛み、恥骨も腰も痛み、「こりゃダメだ! 休憩!」となってしまうからです。

めっちゃ妊婦って感じ。思うように動けない、動くのが怖い。臨月になってから「出産前にあれもこれもやらないと……」は甘い考えなのだということがよく分かりました。

ただこの体の変化のおかげで、「いよいよもうすぐ出産なんだ」ということをリアルな実感として掴むことができたように思います。
体の準備が進んでくると、つられて心の準備も伴ってくる感じ。心身の連携プレーっていうのは不思議で偉大です。お腹の子供がビビリの母にあわせて成長してくれているのかもしれません。

ということで、妊娠アプリを開くと出てくる「予定日まであと●日!」の短さには毎朝ビビっているものの、いつ始まっても受け入れよう、頑張ろう、という気持ちでおります。

② インドア派が引きこもるとこうなる、という発見

それから、正産期に入ったあたりから遠出を避けるようにしているのですが、これが想像以上に孤独を煽ってきます。

私は元来インドア派で、休日は出かけたり予定を詰めたりするよりも、家でボーっとしたり近場をブラブラする方が好きな方でした。
なので、臨月の引きこもり期もヨユーヨユー、願ったりかなったりだわ、とか思っていたのですが、ただ、これが1週間7日、それが何回か続いてくると……なんか、辛い。

私って案外アウトドア派だったの……? 自分の意外な一面を発見、なんて考えも一瞬浮かびましたが、このぼんやりした辛さをじっと見つめてみると、たぶん原因は「自己嫌悪」なのだろうなと思いました。

遠出をしたいわけでもなく、ワイワイ過ごしたいわけでもなく、たぶん私は「充実感」が欲しいのです。
今日も1日頑張った! という満足感。仕事をしていたときは、この満足感を上回る不満が心の中を渦巻いていたので全く気が付きませんでしたが、たぶんこの「頑張ったぞ!」の満足感だけは週5で自動的に得ていたのだと思います。
で、残りの土日2日間は満足感を得る必要がないので、自分がもともと好きな「おうちでグータラ」を思う存分満喫していたのだと。

家の掃除を頑張っても、苦手な料理を毎日作っても、趣味の刺繍で赤ちゃんグッズの制作を進めても、「ふう、終わった」という感じはあるのですが、暗くなった外を見て「あー、なんかもう今日が終わっちゃう」という若干の寂しさみたいなものが拭えません。

死ぬほど贅沢な感情だと思うし、正直「辛い」というほどのものでもないのですが、この「暗くなる空を為すすべなく見ている感じ」……が、カウントダウンされていく出産予定日までの焦りを誘発しているような気がしなくもないです。

解決策はいまだ不明。たぶんなんとなく焦ったまま出産を迎え、バタバタした生活の中で、きっといまのこの生活を懐かしんだりするのだと思います。

③ 鼻血がやたら出る

最近、なんだか鼻血がよく出ます。
確か妊娠36週を超えたあたりから、何の前触れもなく鼻血がタララーと出るようになりました。

ちょうどそのころ貧血気味ということで鉄剤を処方されたので、それが原因か? と疑ったものの、先生いわく「この薬にそういう作用はないはず」とのことで。
気になるならやめてみて、ということだったので鉄剤を飲むのはストップしたのですが、それでも数日に1回は鼻血が出ます。
今朝なんて起きたらデカ目の血痰が出て(鼻から回ったのだろうか……)、口回りを赤く染める不良漫画のザコみたいな自分の容貌にびっくりしました。

検索すると、妊婦は鼻血を出しやすいという情報も出てくるのですが……。先週の検診時に先生に相談したときには、「ふーん……」という感じで軽めに流されてので、再度訴えた方が良いのか放置でOKなのかよく掴めず。
一応もう一回聞いてみようかなーなんて思っています。

④ 内診ってめっちゃ痛くない?

妊娠36週の検診から、内診(グリグリ?)が始まったのですが、これが超絶痛いです。
しかも36週のときよりも38週のときの方が痛かった。
これは回数を重ねるごとに痛くなるの……? ネットで検索すると、「まったく痛くなかったです!」みたいな猛者もちらほら見かけるのですが、私がやられている処置とはもしかして別物? 先生の腕前によるものだったりする?涙

話題がループしますが、内診のたびに「っツーーーーーゥゥゥゥ」みたいなか細い声をだしている私が出産の痛みに耐えられるのかが不安に(以下略)

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「お気持ち表明」なんて言っておきながら全然関係ない話も書いてしまいましたが(特に鼻血)、臨月に入ってからの情緒はこんな感じでした。

激しめの胎動は日々感じるものの、「本当にこの中に人間の形の赤ちゃんが入っているんか……?」と思ってしまっているくらいの情けな妊婦ですが、どうにかこうにか頑張って、我が子を無事に産めたらいいなと思っています。

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