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3.21-ただの堕落

昨日遅く寝たせいで9時40分に来た父の電話で目が覚めた。送金したよ、との有難い電話だった。半分寝たままでありがとう、と言ってちょっと会話して(「今起きたの、遅くない?」「ごめん」)ふたたびまどろむ。睡眠時間が明らかに足りていないとよく分からないまどろみの時間を過ごしてしまう。

遅く起きることが多いくせに、遅く起きるのが嫌いだ。なんだか悪いことをしたような気になるから。今日は断食3日目。昨日まで全く空腹を感じなかったのに、今日になって急に耐え難い空腹感に襲われて、まどろみを中止する。とりあえず白湯でも飲もう。白湯は適温になるまでに結構時間がかかる飲み物だ。湧くのを待ち、そこから冷めるのを待つ。二段階ある。


その間に洗顔をする。相変わらずニキビが祭っていて、どうしようか途方に暮れる。

顔に出来たニキビたちを見る度に、なんだか生活の堕落に似ている、と思う。ひとつぽつん、とできたあと、あっという間に痛みを伴って増殖する。そのどうしようもない、気付いたら手を付けられない感じが、生活が気付いたら堕落するさまに、似ている。なんだかんだでこのニキビたちとは3か月の縁になろうとしている。驚きの長期滞在。

蜜柑を食べ、味噌汁を飲み、(断食はあきらめた)しばらくむにゅむにゅする。むにゅむにゅとは、どうしても動けなくなってしまうことだ。行くのが億劫、疲れた、もう何もやりたくない、という内なる声と理性との葛藤の時間。10分間の戦いの末に、外に出る。

いつもは外に出たら大抵気分が晴れるが、今日は晴れない。晴れないどころか陰鬱なままだ。カフェインの力に頼るべく、テスコというコンビニに向かう。余談だが、テスコは高い。日本の1.5倍ぐらいの価格帯。何気ないテンションで飲み物を買うと、結構目玉が飛び出る。おおう、と思う。さらに円安。でもしょうがない。私のこの気持ちはスタバのロゴが付いた砂糖まみれのカフェラテでしか癒せないのだから。

大学へ行く道すがら、桜を見つける。そこだけちょっと光ってる感じがする。いいね。綺麗だ。

回り道をして、図書館に向かおうとおもったら、雨が降ってきた。ぽつ、ぽつ、と鼻にあたる雨粒。日本だったらちょっと慌てる場面だけれど、突発的な雨はイギリスの十八番なのでもはや動じない。傘もささずにそのまま散歩する。

歩いていたらお腹がすいた。頭が痛い。ぼーっとする。低血糖だ。吸い込まれるようにして学食に入る。断食明けはあまりたくさん食べてはいけない。胃の栄養分の吸収率が上がるからだ。脂っぽいもの・刺激物も厳禁。しかし、欲望は収まらず、大容量のブリトーの中身のようなものを食べてしまった。沢山の刺激物。これではただの爆食だ。ただセルフで食欲の焦らしプレイをしていた人になってしまった。

重い腰を上げて図書館に向かう。本当に何もやりたくない。明日までに提出のものなのだが、驚くほどにやりたくない。めちゃくちゃにやりたくないよう。完全に駄々をこねている、私の私が。

こういうとき、ほんと~に自分が嫌いになる。マジで。ね、ほんと。

3日前、イヤホンが壊れた。私にとっての生命線だから、こまっている。電子機器と私との相性がわるいのか、壊れたり失くしたり奪われたりする。大切な電子機器からそうなっていく。不注意のため、と言われたらそうなのだが、なんとなく私といっしょにいたから壊れてしまったのだというような気がしてきた。ラフに扱い、ヘビーに扱い。それでも結構気に入っていたし、大切だった。母は家の中にある植物をことごとく枯らしてしまうのだが、その感じ。上手く言えないけど。扱い方が適切じゃないのだ、きっと。

とても悲しい気持ちだ。左耳だけの音楽を携えてこのところは過ごしている。

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