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夜のバス

そんなに遅くない時間なのに

日曜のせいか

始発から出発するバスの乗客は私一人


荷物が多いせいもあって

窓に平行に座る優先座席に腰を下ろす


墓地を通るそのバスに

途中から乗り込む乗客もいない


街灯の少ない墓地を通ると

明るい車内と車外の暗さで

大きな窓が鏡の様に

一人ぼっちの私を映す


まだ丸の面影が残る月が

大きくキレイに見える


一人しかいない私のために

運転手さんは丁寧に

バス停が近付くたびにアナウンスをする


一人の乗客

一人の運転手


大きく長いバスは

墓地の間の長いくねった道を行く


夜を泳ぐみたいに



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