香耶

香耶です。物書き家です。物語、舞台台本、詩、エッセイ、コラムなど書いています。絵は描け…

香耶

香耶です。物書き家です。物語、舞台台本、詩、エッセイ、コラムなど書いています。絵は描けません。

最近の記事

大人馴染

君との関係をどう説明すればいいのだろう 「恋人」や「夫婦」ではもちろんないし 「友達」というには軽すぎて 「親友」というのにもしっくりこない 出会ってから25年 幼い時に出会ったのなら「幼馴染」なのだろうけど 大人になって出会った君との関係は「大人馴染」 と言った方がしっくりくる しょっちゅう会うことはないけれど 年に一度会うか会わないか 悩み事を聞いたりはしないけど 大体の内容を把握している そんな君と 「親友」なり「恋人」になればよかった と今になって思う 君

    • もう少しだけ

      じいちゃんでも ばあちゃんでも いい 今しばらく そちらに架かる橋を 塞いでおいてはくれませんか もう少し もう少しでいいのです まだ そちらに行くには早い あまりにも早い そんな友を もうしばらく こちらに止めておきたいのです どうか どうか

      • さくら

        その小さな花びらを はらはらと 風に舞わせて 短く美しい季節を終える 淡い薄紅の色は 春のあたたかな日差しの中で 柔らかく優しく 力強く 潔く 短き花の命を燃やす

        • 明日がくるから

          止めたくても 止められない 時の流れ 明日は必ず来てしまう 私がこの世で存在している限り 明日は来てしまう 明日が来た時には もう次の明日が 明日の後ろ姿に 全然追いつけない 明日が来るから 辛い時もある 明日が来るから 楽しい時もある できれば 後者が多い日の方がいいな そのために 日々 小さな楽しみを探してしまう 明日が来るから

        大人馴染

          スナフキンになりたい

          スナフキンになりたい そう思いつつ 実はスナフキンの実態をよく知らない 何となく自由の象徴 何となく縛られれるのが嫌いそう そんな アバウトな情報しか知らないのに 憧れてしまう アバウトな情報だけなのに 私を魅了してしまう 彼こそが 真のヒーロー 憧れの人ではなかろうか あんな風に 世間なんて関係ないぜ と生きてみたい その前に 彼の本当のところを 聞いてみたいのものだ

          スナフキンになりたい

          ほっとするのだろうか

          いつか 今やっていることを もう しなくてもいいとなったとき 私はほっとするのだろうか 今やっていることを もう やらなくていいと決めたとき ほっとすることができるのだろうか そもそも やめることを 決断できるのだろうか 決断できたとき ほっとするのだろうか ほっとできるのだろうか まだ それを試そうという 気持ちにはなれないけれど いつか そんな時が 望むと 望まざるにかかわらず 来るのだろうな

          ほっとするのだろうか

          目覚まし時計の鳴らない朝

          目覚まし時計を鳴らない朝 窓の外のすっかり上ったお日様に 目を細めながら ぼさぼさの髪の毛のまま 大きく伸びをする すっかり明るくなった窓の外の世界 たっぷりのミルクティーを飲みながら これから何をしようかと考える 大きなあくび一つ 再び布団に潜り込む 目覚ましの鳴らない休日の 朝と呼ぶには少し遅い 午後に近い午前の時間 ぼくは再び夢を見る

          目覚まし時計の鳴らない朝

          ねぎらう

          毎年毎年 同じ時期 わかっていながら 気が滅入る そして今年も けど 去年ほどじゃない 去年のことを思えば 今年は まだマシ 去年は 本来の理由以外の色々を 背負ったまま 乗り切った それでも やっぱり きちんと今年も 乗り切った自分を褒めてやろう

          ねぎらう

          か行

          哀しくなるほど 君が好き 苦しくても 決して諦められない この愛は

          水面の輝き

          キラキラ 春の日差しに照らされて 水面が輝く どこまでも続く 誰もいない砂浜に 白いしぶきをあげて 寄せて返す波 砂浜に波線を描いては 自ら消していく 春の霞の その向こう キラキラ光る 水面の輝き 春はすぐそこに

          水面の輝き

          歓び

          人と関われる歓び 声を出せる喜び 自分の人生じゃない時間を過ごせる歓び なんて幸せだろう ただひたすらに噛みしめる 私にとって 大切な時間 誰に対してというわけでなく ありがとう と思う

          雨のあと

          夜中 びっくりするくらい強い風が ガンガン窓を叩いていて 目が覚める 起き上がることはしないけど あまりに強い音だから 風だと思わず 雨だと思わず 大きな地震が来る前触れなのかと 布団の中で身を固くする 恐怖が襲ってくるけど 布団からは抜け出せない 怖くて動かせないのではなく 眠くて動けない 気が付くと朝になっていた カーテンを開けると 穏やかな朝日と キラキラ光る木の葉が見える 夕べの音は何だったのだろう 夢だったのだろうか 雨のあと

          雨のあと

          あ行

          愛するものを守る 生きていればこそ 嘘偽りなく 永遠に 終わりなき愛を捧げる

          語らい

          一つのものについて 語り合う 心置きなく 語り合う そこに遠慮も 思慮も 虚偽も 誇称も 必要ない ただ 同じものについて ひたすら語り合う 春近い 夜更け

          友だち

          友だち たくさん作りなさい そう言った 父にも 母にも 友だちはたくさんいなかったと思う 子どもながらに どこかで あなたたちに友だちはいるんですか と心の中で問うていた 子どもの私の目に残っているのは 友だちがいなくても 生きていける そんなあなたたちの姿だ

          友だち

          ポケット

          ポケットの中には ビスケットだったり チューインガムだったり 夢だったりが 入っているらしい ぼくのポケットには 何が入っているんだろう ぼくの少し冷たい手で ぎゅっと握った きみの小さく温かな手だったらいいな

          ポケット