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慧音のひとり言ーレミゼを語る⑦ー

嫌なことがあったときは甘いものを食べるのが一番です。慧音です。

さてさて、本日は「レミゼを語る」第7回。やたらと耳について離れないと噂(当社調べ)の楽曲「Lovely Ladies」です。バックナンバーはこちらから。では参りましょー!

Lovely Ladies (The Docks)ーー波止場(ラブリィ・レイディ)

チャンチャンチャンチャンチャラララチャンチャン♪ですね。前回お話しした通り、映画版では曲順が変わっており、「The Runaway Cart」でジャベールがヴァルジャンに対し疑念を抱く次のシーンになってます。仕事を失ったファンティーヌが波止場に来るという。

これはちょっと、Womenの歌詞はかなり際どいものが多いので各自調べてくださいにしますが。

映画版・10th・25thと、全てちょっとずつ歌詞の内容が違いますので、その違いをば。

まずは10th。一番古いです。曲尺は2分8秒。この時の歌詞はこんな感じ。ざっくりとですが。

《SAILOR 1〜3 のパート》女がいる、港に付けよう!
《WOMENの売り文句》おいでなさいな!
《CRONEとFANTINEのやりとり》10フランで髪を売らない?ーどうしよう
《WOMENの売り文句》誰でもいいよ!
《WOMENの悲しみ》どうせ一晩だけの男
《諦めのFANTINE》どうぞおいでなさい、こんなの楽な商売だ、あんたと寝てるのは死人だよ!

実は、10thでも初演時よりは短くなってます。はい。ググるとなんじゃこりゃ。っていう歌詞が出てきますが。10thの時は重要な「コゼットのために髪を売る」という部分だけ残っています。このCRONE(かつら屋)がいい味出しているんですよねぇ。すごくっぽくて好き。

では25th。こちらは曲尺3分44秒です。

《SAILOR 1〜3 のパート》女がいる、港に付けよう!
《WOMENの売り文句》おいでなさいな!
《OLD WOMANとFANTINEのやりとり》そのペンダント売ってよ
《WOMENの売り文句、WHORE 1のソロ付き》安くしたいなら…
《CRONEとFANTINEのやりとり》10フランで髪を売らない?ーどうしよう
《PIMPとWHOREたちの会話》彼女は誰だ?ー髪を売った子持ち女さ
《PIMPとWHOREたちの会話その二》仲間に入りなよ
《WOMENの売り文句》誰でもいいよ!
《WOMENの悲しみ》どうせ一晩だけの男
《諦めのFANTINE》どうぞおいでなさい、こんなの楽な商売だ、あんたと寝てるのは死人だよ!

まあわかると思うんですが、10thでは削除されていたパートが復活しているんですよね。ペンダントを売るくだりと、PIMP(ポン引き)との会話も歌われています。その代わり、ファンティーヌが髪を切っているタイミングがなくなっていて、「髪を売ります」の直後にポン引きの「あの女は誰だ?」がきています。10thだと「髪を売ります」のあとは女たちの売り文句が続くので、髪を切るタイミングがある。ただ、コンサートなので衣装は変えても髪は切りませんが。それでも飛ばされている部分はあるのですが。

ちなみに、ミュージカル版の新旧演出比較では、ほとんど同じです。25thですら飛ばされていた「病気の娼婦とポン引きの会話」もあります。ちなみに、ファンティーヌが髪を切るのもこのタイミング。ここは色々歌詞を調べていたら本来この会話部分はSAILOR(船乗り)3と1の会話だったみたいですね。男どもから見たこの娼婦たち。流石に…となったんでしょうか…。あれ?SAILOR 2は?と思った方。彼はファンティーヌの最初の客です。25thでもちゃんとファンティーヌを連れて行きました。僕は彼の初っ端のソロの歌い方がとても好きです。変な意味ではなく。そして、ファンティーヌのソロ前、SAILOR 2と寝て出てきたファンティーヌの出て来方も好き。25thのレア・ファンティーヌのここのソロは前半の投げやり感と後半の憎しみ感が素晴らしい。10thのルーシー・ファンティーヌは前半三行は頑張って媚を売ってるのに最後の一行で元ヤン感出るのが好きです。ルーシー・ファンテは元ヤンだと思う。この件に関してはきっと次回も出て来ます。

そして映画版ですが、こっちはもっとオリジナリティが強い。
まず初めに、ペンダントを10フランで売ろうとするシーンがあります。結局4フランでしか売れなかったですが。

《SAILOR 1〜3 のパート》女がいる、港に付けよう!
《WOMENの売り文句》おいでなさいな!
《CRONEとFANTINEのやりとり》10フランで髪を売らない?ーどうしよう
《WOMENの売り文句、WHORE 1のソロ付き》安くしたいなら…
《DENTURE SELLERとHEAD WHORE》一本の歯で20フラン!
《PIMPとWHOREたちの会話》彼女は誰だ?ー髪を売った子持ち女さ
《PIMPとWHOREたちの会話その二》仲間に入りなよ
《WOMENの売り文句》誰でもいいよ!
《WOMENの悲しみ》どうせ一晩だけの男
《諦めのFANTINE》どうぞおいでなさい、こんなの楽な商売だ、あんたと寝てるのは死人だよ!

はい。25th+歯を売るエピソード、という感じですね。歌としてはないですが、ペンダントを売るシーンもあり。ちなみに1フランは大体千円から二千円くらいだそうです。そして100サンチームが1フラン。だから、CRONEが「あなたの髪1サンチームの価値があるよ」って最初に言って最終「10フラン全部出すよ」って言うのが揺さぶりなのかなんなのかですよね。1000倍ですがな。最初十円って言ってたのが一万円ってことですよ。小奴め、サンチームで買えたらラッキー♡とでも思ってたんだろうな。
原作では大きくて白くて綺麗な前歯二本を売ってますが、流石に映画版では「奥歯にしな!」ってHEAD WHOREが言ってますね。絵面的に。
そして歯を売った後、ポン引きの手を振り払うアン・ファンテがとても野良猫っぽくて好きです。アン・ファンテのソロは自分に言い聞かせてる感じがとてもしますね。

そんなわけで、ちょっとオブラートに包みつつ語りました。もしももっと語ろうぜ!という方が(もしも)いらっしゃいましたらTwitterまでどうぞ。

次回は「Fantines's Arrest(ファンティーヌの逮捕)」です。1823年のジャベールがとうとう出てきます。

それでは、良い夢を。

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