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紫式部 源氏物語(100分de名著ブックス)
ちょうどいま大河ドラマで「光る君へ」を放映されているので、この本を見つけて読みました。
その前に私自身「源氏物語」が大好きで、「光る君へ」も楽しんでいるのですが、「光る君へ」の関連書籍で良さそうなものがなくて、この本に辿り着きました。
概要
この本の内容は「源氏物語」の解説を中心として、紫式部のことや内裏のこと、そして平安時代のことにもふれています。
詳細は以下。
世界最古の長編小説で、その後の日本文学の流れを決定づけた『源氏物語』。表層と深層の両面から精緻に描かれた、愛と権力をめぐる人の欲望や因果は、優雅でありながら深く暗い影を落とす。いつの世も変わらぬ生の悲哀と葛藤を、尽きせぬ豊穣な物語世界から味わう。特別章「歌で読み解く源氏物語」収載。
私の中の「源氏物語」
源氏物語は個人的には「みんなに羨まれる光源氏みたいな人でも、人生はうまくいかないものだ」的な話なのかなという認識です。
光り輝く存在といわれているのに皇子になれず、好きになった女性は自分の父親の妻、内裏でうまくやっていると思ったけど地方にとばされ、戻ってきて栄華を極めたと思ったけど、愛する女性を傷つけるような結婚をまたするはめになり、その女性は自分の息子同様に可愛がってた男に寝取られ・・・。何もいいことないなw
源氏物語の構成
「源氏物語」は大きく3つに分かれるそうです。
第一部「桐壺〜藤裏葉」
・源氏の君が生まれる
・いろんな女性と出会い、恋に落ちる
・紫の上を養女にして結婚する
・明石で明石の君に会う
・源氏の君の息子である夕霧が結婚する
第二部「若菜上〜雲隠」
・女三の宮が源氏の北の方になる
・柏木が女三の宮と密通して妊娠する
・女三の宮が出家する
・紫の上が他界する
・源氏の君が他界する
第三部「匂宮〜夢浮き橋」
・天皇と明石の女御(明石の君の娘)との間にできた匂宮(におうのみや)と、柏木と女三の宮の間にできた薫が出てくる
・薫が大君と中の君姉妹に夢中になり、宇治へ通う
・薫と匂宮で中の君を取り合い三角関係になる
・中の君が宇治川に入水するが僧侶に助けられる
・薫が僧侶を介して中の君に会おうとするが断る
新しく知ったこと
大きくいうと3つ、以下のことを初めて知りました。
①光源氏と似た人は2人いた
光源氏のモデルになった人は源融(みなもとのとおる。皇子になれずに臣下なった)など数名いるというのは知っていたのですが、共通点があるのが聖徳太子と大津皇子だったようです。
ちなみに、京都駅付近にある「渉成園(しょうせいえん)」は源融が作った庭園で、源氏の君が終のすみかとする「六条院」のモデルとされています。
②当時の人々は良心の呵責をもののけのせいにしている
この話が意外とおもしろいなと個人的に思ったのですが、紫式部は源氏物語を書き始める前に以下のように歌を詠んでいたそうです。
亡き人に 託言(かごと)はかけて わづらふも おのが心の 鬼にやはあらぬ
(死んだ人が祟りをなしていると人のせいにしてわずらっていますが、それは自分の良心の呵責ではないのですか?)
源氏の君も六条御息所のもののけを恐れていましたが、自分が原因なのに・・・というところです。
③逆転現象がたくさん
「源氏物語」でいちばん有名な逆転現象は、父親の妻である藤壺の女御と密通して冷泉帝が生まれるけど、人生の後半では自分が息子のようにかわいがっていた中将と女三の宮が密通して薫が生まれるというところ。
これとはちょっと違う種類の逆転現象ですが、自分の意思がないと思われていた女三の宮が強い意思で出家したいと主張、そして同じく印象が弱い朱雀院(女三の宮の父で源氏の君の兄)も娘の意見を尊重するところも「逆転現象」といわれるところ。
その逆で源氏の君にも逆転現象が見られると指摘があり「ああ!確かに!」とあらたな発見でした。(詳細は本に記載あり)
この本のまとめ
文章も読みやすく、あっという間に読み終えました。
こちらの本のまとめは以下になります。
・源氏物語の解説を中心として紫式部のことや平安時代のことがわかる
・源氏物語の知らなかったポイントを知ることができる
・完璧な光源氏みたいな人でも、悩みはつきない
ぜひ興味があれば読んでみてください。
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