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峠道にて

写真はフリー素材なので実際の峠ではありません。

先日相方の魚座くんとウチのワンコと、とある牧場へ遊びに行く途中の話。

気温が上がる前に行こう、という事で早めにスタート。目的地まで順調に進んでいました。

結構標高が高い所らしく、上にあがるにつれて耳がキーンとしてきた。

魚座くんは蛇行する山道が気に入ったらしく、テンション高めで嬉々として運転してました。私とワンコは大人しく座っているだけ。

突然魚座くんが、「あっ!」と小さく叫んだ。
どうしたの?と私。

今通ったカーブ、山側にオッサン立ってたよね?魚座くんは聞いてくる。

え?誰も立ってなかったよ、と私。ワンコは大人しく寝ている。

えーウソだろ〜、絶対いたって。姿もはっきりしてたって。髪型は白髪混じりの七三分け、半袖の白いワイシャツと茶色のスラックスはいてた。
サラリーマンぽい感じの人だよ!

で、そのオッサンがこっち見てたよ〜!と魚座くんが言う。

私は、そんな人いなかったって。だいたい車しか通らない山道でサラリーマンが立ってるわけないじゃない。仮に道路工事の人だったらもっと他の人いるだろうし、作業着でしょ。そもそもどうやってここまで登ってきたの?近くに民家も無かったじゃない?とたたみかけるように言った。

それでおじさんはどんな顔してた?私は魚座くんに尋ねた。顔?うーん顔ねぇ‥。なんだろう?見たんだけど印象に残ってないな‥覚えてない。

魚座くん、「あっ」と小さく叫んでそういえばそうだなぁ、車なかったらこんな山道来れないな。

‥俺が見たのってなんだったんだろ。

私たちの会話に興味がないのか、ワンコは気持ちよく車の後部座席のペットシートで寝ていた。

着いた牧場では特別変な事もなく、広々としたドッグランもあったのでワンコは嬉しそうに走り回って楽しんでいました。

その日泊まったペット宿泊可のホテルで魚座くんが部屋のお風呂入っているときに照明が点いたり消えたりしたが、私が入ったときは全く照明の点滅はなかった。何もない空間にワンコが吠えていたけどその話は

まぁ、蛇足なんですけどね。

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