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怪談・奇談

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「名状し難い記事たち」というマガジンの中に不思議な話が結構あったので、別マガジンとして独立させようと思いました。今後怪談的な話はこちらに分類します。
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2024年6月の記事一覧

結婚式に纏わる話を聞いた二篇

結婚式に纏わる話を聞いた二篇

結婚に纏わる話は全て幸せなエピソードとは限らない。中には何とも例えようのない奇妙なエピソードもあるようで‥。

詳細を書くと教えてくれた方に迷惑がかかるのでざっくりとした内容になります。

‥あるカップルがいた。A助君とB子さんとしておこう。

二人は大恋愛の末、結婚をする事にした。式場を決め、内容も二人で色々と考えながら結婚式と披露宴まで三日というところまで来て、二人は大喧嘩。別れる事となった。

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抜き取っている

抜き取っている

東北出身の友達の元カレの話。仮にケイジ君と呼ぶ。

ある日、友達から元カレの話を聞いた。悪い人ではなくて、とても気の利く優しい人だったそうだ。

ただ、ケイジ君は金遣いが荒い。給料が入るとすぐにお金を使ってしまう。

実際、彼の身に付けている服・時計やアクセサリーは高価なブランドもので、安くても数万円はするであろう品物ばかり。その月の給料で買えなければ、クレジットの分割払いを使うのは当たり前。

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‥ここは、寒い

‥ここは、寒い

医療事務時代の同僚、Tさんの話。

Tさんが高校生頃に体験した事。
お盆も近いある晩、Tさんは夢を見た。

夢の中でTさんは墓地にいた。どうやら母方の墓地らしい。

墓に誰ががうずくまっている。Tさんは墓に近づいてみた。心なしかその身体は震えている様に見える。

うずくまっていた人物は、Tさんが小学生の頃に亡くなった祖父だった。

おい、じいちゃんどうした!Tさんは思わず声をかけた。

お祖父さん

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天井

天井

幼馴染のユリの話。

ユリが中学生の頃、自宅を建て直す事になった。
建てている間の住む場所として、隣町の古い戸建てを借りる事になった。

二階建ての古い建物。今まで小さな平屋暮らしだったユリは初めてお兄さんのケイイチさんと別々の部屋を与えられて満足だった。

二階の部屋にケイイチさん、その真下にあたる部屋がユリのものになった。

古い戸建てに引っ越して二、三日経った頃だった。初めは気のせいだと思っ

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