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美人女子パワーをあやかる温泉

数年前「花のアン」というNHKの朝ドラがあった。
その中で、仲間由紀恵さんが演じたのが、柳原白蓮。

柳原白蓮は、大正から昭和活躍した歌人で別府にとても縁がある。白蓮は、伊藤伝右衛門という炭鉱王の妻で、伊藤伝右衛門が高貴な白蓮を迎えるために、大分県別府市に別荘「赤銅御殿(あかがねごてん)」を作った。赤銅御殿は、当時の別府の別荘文化を象徴するそれはそれは素晴らしい建物であったらしい。

建物は、最後は旅館として使用されていたようだが、昭和54年に取り壊されたそうだ。
残っていれば、別府の観光地のひとつとなっただろうに、とても残念だ。

実は私は花子とアンは見ていない。

しかし、放送当時、別府の菓子組合が制作した「白蓮」というお菓子が注目され、県外から来るお客様が来ると、その時期は、「おみやげ?白蓮に決まり!」だった。

「白蓮」「赤銅御殿」の言葉をめちゃくちゃ聞いていたがその当時はさほど興味はなかった。

あの放送が2014年。6年前か、、

花子とアンを見ていなかったことをこんなに後悔したことはない。

というのも突然赤銅御殿と出会うこととなったからだ。

別府88湯温泉巡りで、名人を目指す私は週末は温泉巡りで忙しい。その日は、泉質が良いと噂の九日天温泉に行こうとわくわくしていた。

ところが、九日天温泉に到着するとオープンまであと40分ほど時間があった。

うーん。時間がもったいないし、この近くの温泉検査してみるか。

と検索して出てきたのが「白蓮の湯」

そういえば、新聞か何かで読んだ気がする。割と最近できたところじゃなかったかなぁあー。白蓮って、あの白蓮かー。

私の頭の中には、銘菓白蓮が浮かんでいた。

車に乗って、Googleナビで「白蓮の湯」へ向かった。

ところが、、、

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着いたのは、鍼灸治療院ではないか。

でも、たしかにひらがなで、「あかがね」と書いてある。

ここ、本当に88湯の温泉なのだろうか。

半信半疑で、門を潜った。

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入口前の立て札を見て、ほっとひと安心。
白蓮の湯 別府温泉道とちゃんと書いてある。

こんにちはー!!

と玄関を開けると。

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別府の歴史を感じる写真達が出迎えてくれた。

中から、鍼灸院の方が出てきて、温泉に入りたいのですがと申し出ると優しく対応してくれた。

入湯料700円(貸切)を支払い、今から温泉をためていただけるとのことで、待合スペースに通してくれた。

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中には別府温泉レトログッズが販売されていて、なんだか見るのも楽しい。

机には、鍼灸院のメニューが置かれていて、マッサージなどのメニューを受けると温泉に入れると書いてあった。

これは、絶対マッサージを受けて温泉に入ったほうがお得だなと思い、お風呂あがりにあいてたら頼んでみようと思った。

ここに赤銅御殿が建っていたのかー。今更ながら携帯で調べてみると、なんとなんとがたくさん。

この白蓮の湯は、白蓮さんが入っていたものと同じ泉源からひいていて、白蓮さんと同じ体験ができるということ。

更に白蓮さんは、大正三美人(大正に三美人が存在することすら知らなかった。)の1人で、同じく大正三美人の九条武子さんと親交があり、九条武子さんもこちらの赤銅御殿でこの温泉に入ったというではないか。

やばい。大正三美人と同じ温泉に入れる。

ふつふつとテンションが上がっていく。

「お待たせしましたー!!どうぞー!」

と温泉に通される。

書いてある!ちゃんと、入口に大正三美人の2人が入ったと書いてあるではないか。

もう1人も入っててくれたら良かったのに、などとつまらないことを考えながら、温泉へ。

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温泉の温度はぬるめだがとても気持ちが良い。

泉質は、別府八湯の紹介ページでは、単純泉となっていた。肌にとても、気持ちの良いお湯だ。

あー。美女と同じ温泉に入ってなんだか、体の芯から美しくなれるような気がする。

大正の女性の文化人って、そんな時代に自分の心を発信するのだから、強くないと。いや強くならないとやってられなかっただろうな。なんて考えていたら、ますます白蓮さんという人に興味が湧いてきた。2階に資料などが展示されているということだったので、それも見て帰らなくては。

温泉から出て、資料を見せていただいた。(300円)

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2階では、赤銅御殿に実際に置かれていたソファーや白蓮さんに関する資料が展示されていた。

そして、想像以上の白蓮さんの強さに驚かされた。

白蓮さん。宮崎龍介という記者に恋をして、駆け落ち、伊藤伝右衛門へ新聞紙面で絶縁状を叩きつけるという大ごとをなされているではないか!!

そして、この赤銅御殿は宮崎龍介との出会いの場所でもあるようだ。

令和の今ではなく、昭和初期にそれができる女性。

柳原白蓮さま。おそるべし。

アロママッサージを受けながら、絶対花子とアンを見ようと心に決めた。

九日天温泉には行かず、白蓮さまについて調べるネットサーフィンは、深夜まで続いた。

また改めて、入りに行きたい。白蓮の湯。



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