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銭湯ラン

銭湯、温泉、サウナが大好きである。昨日は東京1010クーポンの恩恵にあずかろうと、妻とともに走って銭湯へ。

最短ルートを検索すると、遠方になるほど幹線道路多めの道順が推奨される。うるさいのも、排気ガスも、人・車・信号が多いのも嫌いである。都会暮らしには不向きな性質である。なんとなく方角を意識しながら、時折現在地を地図で確認しつつ、住宅のあいだを縫うように走るのが好きである。分岐があるたびにキョロキョロとあたりを見回し、おいでおいでと呼んでいる気がする方へと進んでいく。起伏を意識しながら走ると、昔の川や用水路の跡がみつかる。今度はその跡をなぞって走る。痕跡を追えなくなるとまた次を探す。そんなことをしていると見たことのない新しい景色にハッとしたりする。それが楽しい。

あまりの線の多さに思わず撮影

時間の経過が感じられる夕暮れ時に走るのも好きだ。空の色が刻々と変わっていく様を見ているだけでもどこかジーンとくるものがある。毎日このような小さな感動が無償提供されているのに、ほとんど見ずに過ごしているのはもったいないことだと思う。

窪地に現れた池とリゾートのように見えた住宅街

そうこうしていると、知っているどこかの通りに突然出るのだが、そのときのがっかり感と安心感も嫌いではない。頭の中の地図が拡大し網目が細かくなっていく。世界が少しだけ広がったような気がする。

東京都には、年々減ってはいるものの23区内だけでも400以上の銭湯がまだある。頭の中の地図を広げる銭湯ランの楽しみはまだまだ続けられそうだ。では、また。


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