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私は騙されている

今日立ち寄ったスーパーでの出来事。

2階に生鮮食品売り場があり、エスカレータを昇るとたくさんのオレンジが陳列されている様が目に飛び込んできた。

順路に従いオレンジの前を通ると、パァっと柑橘の香りが鼻をつき、いつになく強烈にオレンジを食べたくなったのだが、その時はとりあえず前を通り過ぎた。

2階の売り場を一周したのちに、やはり買おうと戻ってきて、オレンジを一袋カゴに入れた。

次は地下1階へ向かおうと、オレンジ売り場の横にあるエレベータのボタンを押し、到着を待っていた。

そして、待っている間に気づいてしまった。

振り返って見ると、しゃがみこんで何か作業をしている店員さんがいる。どうやら何かの汚れ落としをせっせとやっているようだ。

嫌な予感がした。

そう、彼の手には、オレンジクリーナーが。

私の鼻は馬鹿なのか。

カゴの中のオレンジを見つめ、しかし、これを戒めとするべく、オレンジを売り場に戻すことはしなかった。

エレベーターの中で思った。

こうやって私は知らぬ間にいつも騙されているのだろうな。相手が騙すつもりさえない場合にも。。。


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