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【読書感想文】論点思考 / 著:内田和成

論点思考 / 著:内田和成 

※ただの感想文(&備忘録)です。

結論

コンサル界隈では必読書のようになっている気がするが、コンサル以外は読んで信者になると現場で痛いやつになる恐れがあるかも。「なるほどなー。」くらいで論点設定や構造化の概念を知っておく、教養として深めておくために読む感じで良いかと。(もちろん、社長/経営企画/事業責任者クラスで読んでおいた方がいい気がします。あくまで現場平でコンサル以外の職種だと、その知識で上司にマウントしたくなっちゃって結果うざがられそうってだけ)

ざっくり内容&概要

問題解決のためにそもそも論点を設定する大切さを説いた1冊。メッセージとしては『イシューからはじめよ』に近いと感じた(イシューからはじめよの内容はおぼろげですが・・)

要は解く問題がそもそも間違ってません?という話で、全体構成としては、論点の大切さ→論点の設定方法→論点の活用方法→ケーススタディとなっている。

個人的に覚えておきたい点

下記3つ。ちなみに3つは同じレイヤーではないのでご容赦ください。

① 論点が明確になっていないと解決することができない
② 依頼者の意図を汲み取る
③ 上位概念の論点を考える

① 論点が明確になっていないと解決することができない

これはまじでそう。
自戒だが、すぐにどう解決するかを考えがちなので、そもそも何の論点を解決するんだったっけ?を常に問いかけることにしたい。
が、会議が進んで終盤になった際にそもそも論を展開する人間はクソなため、できるだけ早くできれば問いかけられて返す刀で論点設定に持ち込むのが良いと思われる。
すわなち、論点を最初に疑うことが大事ということ。

② 依頼者の意図を汲み取る

これ、出てきたとき正直意外だった。コンサルって論理的に正しいことであればそれでOKなんだと思ってたから。コンサルでも人にどう思ってもらうかは大切なんだということが個人的に良い学びでした。
で、肝心の『依頼者の意図を汲み取る』とは、つまり、正しい論点だったとしても依頼者の意図と違ったら満足しないよ、という話。
すなわちコンサルにとっての論点は、必ずしも企業/事業にとっての最適解を出すことではない、ということである。

③ 上位概念の論点を考える

思考を整理する上で良いきっかけになる。
これ、採用に置き換えて考えると、「スカウト返信率を上げる」という論点の上位概念は「母集団形成」だし、その上位概念は「採用成功」であって、スカウトの返信率が悪いときに必ずしもスカウト文面の修正だけが解決策ではないってこと。
確かに下位概念は具体的な手段になるから初手で考えやすいけど、上司/クライアントを満足させようと思ったら上位概念を想像した上で、これやりましょう!が良いわな。

その他メモ

▽Amazonの概要欄より抜粋

ビジネスにおいて本当に大事なことは、やらないことを決めることだ。企業は数え切れないほど多くの問題を抱えていて、それらをすべて解決しようと思っても、時間もなければ人も足りない。仕事には期限がある。こなすことのできる工数も限られている。その中で解くべき問題を設定し、選択し、それに取り組み、成果をあげなければならない。成果をあげるには真の問題を選びとることが大切だ。
この真の問題を著者が25年間勤めたボストンコンサルティンググループでは「論点」と呼ぶ。そして、論点を設定するという、問題解決の最上流に当たるプロセスが「論点思考」である。論点を設定することにより、考えるべきことが絞られ、問題解決のスピードは上がり、解決策を実行したときの効果も高くなる。成果を出すには、「正しい答え」でなく、「正しい問い」「解くべき問題」=論点が重要となる。「間違った問い・問題」に取り組むことは大いなる「時間のムダ」であるという。
コンサルタントの世界では、与えられた問題の分析ができ、その問題が解決できるというだけでは、コンサルタントとして半人前。一流のコンサルタントは論点が何かを見つけだす能力に優れているのだ。そして、パートナークラスのコンサルタントであれば、他の調査・分析作業は部下に任せることがあっても、論点の設定だけは自らが徹底的に行なう。
本書はこれまでコンサルタントの頭の中にしまい込まれていて名人芸と思われていたものを、読者のわかる形に分解し、やさしく説明している。日ごろの業務の中で「上司に言われた問題に取り組んでいるが、これでいいのか」「本当の問題は別にあるのでは」と疑問を持ちながらしている人、加えて、部下に問題・課題を与える立場にある管理職の人も必読の一冊

▽内田さんの経歴(ウィキペディアより)

日本航空勤務を経て1985年ボストン・コンサルティング・グループ入社、1991年ヴァイス・プレジデント(パートナー)、1999年シニア・ヴァイス・プレジデントを歴任し、2000年6月より2004年12月まで同社日本代表を務める。2006年には米Consulting Magazine誌により「世界の有力コンサルタント25人」に選出され、また同年より早稲田大学ビジネススクール教授に就任。



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