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【ドラマレビュー】アンナチュラル エピソード1


※ネタバレを大量に含みます。ご注意ください。


このドラマは死を扱うドラマのため、生の象徴として食べるシーンがたくさん出てきます(と、個人的には思っています)。まずは物語の主人公ミコトが朝から天丼を食べるシーンからスタート。

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息子の突然死を不審に思った遺族が、ドラマの舞台となるUDIラボに解剖依頼をするところから物語が始まります。

まず初めの解剖で死因とされた虚血性心疾患ではなく急性腎不全の疑いありとされ、毒物による中毒死の可能性を調査し始めます。このあたりはテンポよくサクサクと物語に引き込まれます。

ここでドラマ全体に影響する前フリが2つ登場します。まずは、法医学者を勧めるミコトに久部が「法医学って死んだ人のための学問なんでしょ」と呟くシーン。これはドラマ中盤で登場する久部の父親と関連してきます。さらに東海林が「ウォーキングできないデッド」などと冗談を言って、アメリカの土葬文化について触れていますが、このセリフ、ドラマ最終盤で再び登場するという壮大な前フリになっています。お楽しみに。

ミコト焼き鳥食べます。

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ミコトのパートナー東海林の言葉。
「この世で一番恐ろしい毒は何だか分かる?」
「名前のない毒」
「全く新しい成分の毒は、誰にも検出出来ない」

不審死を遂げた男性の婚約者が毒物を扱う仕事をしており、エチレングリコールをターゲットに調査続行。

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エチレングリコールが体内に入ると30分で消化系、中枢神経に異常がでて、12時間を過ぎると呼吸障害がでる。24時間を過ぎると腎臓障害。なめると甘い。勉強になりますね。

ミコトお菓子食べます。

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エチレングリコールがシロであることが分かってしまうのですが、不審死した男性が中東への渡航歴があったこと、帰国後に風邪の症状があったことから、ミコトがMARSコロナウィルスへの感染疑いに気づきます。コロナウィルス、PCR検査と、現在では当たり前のように使われている言葉が2年前のドラマで扱われているのがすごいですね。

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はい、エピソード1で一番好きなシーン。MARSコロナウィルス感染者が急性腎不全で急死する例が海外で報告されている英語文献を凝視して見つけるミコト。これまで培ってきた脳内に点在する経験と知識が脳内シナプスによって高速に有結合し始め、興奮を押さえつつも全神経が無駄なく集中している様。人生でそう何度も経験することはありませんが、ゾクゾクしますね。かっこいい!


日本にウィルスを持ち込んだ犯人として、すっかりネット私刑にあった男性。現代でもまさに同じ事が起こっていますね。
心うちひしがれる婚約女性にあんぱんを無理やり勧めるミコト。
「そんな気分じゃないから食べるんです。」

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涙しながらおいしいと呟く婚約女性。

婚約女性との会話から、コロナウィルスは不審死した男性が海外から持ち込んだものではなく、帰国後に健康診断を受けた大学病院で起きたウィルス流出が原因だと判明。
ここで、COVID-19でも最近ようやく精度の高いものが登場してきたウィルス抗体検査キットも出てきますね。

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大学長を追い詰めるUDI所長の演技も名演です。

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そしてしっかりと不審死した男性の名誉回復をお願いするミコト。遺族に寄り添う法医学者であることを印象付けるシーン。

エピソード1のLemonシーン。婚約者の家族に紹介して貰う席をトバしてしまい、婚約者に婚約破棄を告げられるシーン。

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そしてまた翌朝どんぶりご飯を食べるミコトのシーンでエピソード1は終了。

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バイトでミコト達と仕事をしている久部は実はゴシップ雑誌社のスパイであることも明かされます。

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