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【 恋する寄生虫 】 感想vol.060 @MOVIX八尾⑪ 21/11/20

21/日/シネスコ/監督:柿本ケンサク/脚本:山室有紀子/撮影: Kateb Habib

私は小松菜奈が好きである。ご結婚お芽出度うご座います!それに林遣都も好きな役者である。『HiGH & LOW』シリーズ達磨一家の頭、日向役にずっぽしはまった。予告篇の空気感にも惹かれて観賞に至る。原案の同名小説は未読。

ストーリーについて。極度の潔癖症のため、通常の人と同じような生活が送れず、関わり合うことから避けて来た青年、高坂。彼はクリスマスに拡散されるコンピュータウイルスのプログラミングを日夜行い、世界の滅亡を願っていた。ある日、見知らぬ男から知り合いの女子高生と友達になり、面倒をみながら情報を引き出して欲しいという依頼を受ける。待ち合わせの場所へ向かうと、そこには視線恐怖症で不登校の女子高生、ひじりが居た。彼女は自らを外界と遮断するように常にヘッドホンをつけている。初めはそりが合わず、ひじりの露悪的な態度に辟易としていた高坂であったが、交流を重ねるうちに、それが自分の弱さを隠すためだということに気が付き、彼女に共感を抱くようになる。クリスマスには手をつないで人前を堂々と歩けることを目標にリハビリを始める二人。やがてそれは恋へと発展していくのだが、それは恋ではなく、寄生虫の仕業であったのだ。

とまあ、物語を追うとハチャメチャへんてこなので、ポップな作風かと思いきや、割とコントラスト強めのしっかりとした画運びの映画であった。原案から脚本へと昇華する間にどの程度の設定変更がなされているのかは知らないが、まあ確かに、ギャグベースにしてしまっては、観るのが辛いのは頷ける。人の恋愛感情というものが寄生虫によるものです。だからあなた達の間にあるものは恋ではなく病気なのです。というのは、偏執でしかない。そういう偏執狂に狙われた男女の物語というのは、どうにもコメディーにしか感じられないので、その辺りに説得力があれば良かったのになぁと残念に思う。

監督の過去作を観た事がないので作風については何とも言えないが、まあ現代的というか、軽いノリのカメラワークを主体とした、ルックス先行型の映画であった。物語の面白さが伴っていれば受け付けない訳ではないのだけれども、どうにも展開が面白くないので、少々悪目立ちしてしまった感がある。

まあ何にせよ、スクリーンで小松菜奈嬢を堪能できたことは幸せな時間でした。あんな娘に殴られたり蹴られたりしたいものです。

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