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妻と共に育休をとった僕の話

僕は1年間と半年間の2回、夫婦で育児休業(以下、育休)を取得しました。僕の経験が、これからパパになる友人たちの背中を押すきっかけになればと思い、記録に残します。

夫婦で子育てが前提条件

僕は国立大学の事務職員として働いています。公務員のようで公務員ではない職場です。妻は民間企業にフルタイムで勤めており、いわゆる共働き家庭です。

実家は我が家から車で1時間ちょっと。親もバリバリ働いているので、日常的に育児を手伝ってもらえる環境ではありません。ヘルプをお願いしたのは数回でした。妻の実家は隣県で、こちらも親の手を借りられる環境ではありません。

2人一緒に育休をとる

2020年3月に第1子が生まれ、2020年4月〜2021年3月まで育休を取得しました。第2子は2022年10月に生まれ、2022年11月〜2023年4月まで取得しています。2回とも、僕と妻の両方が同時期に育休を取得。期間は両方とも妻の方がやや短いです。

1回目の申請は緊張した

「育休を1年間取りたい」と上司に伝えるのは流石に緊張しました。僕の職場全体で男性が長期の育休を取るのはおそらく3人目くらいでした。幸い、上司は育休取得について好意的で、「考え直してくれ」などのような類のことは全く言われませんでした。同僚も育休取得についてはポジティブで、ネガティブな言葉は一度も言われませんでした。(裏で何か言われていた可能性はありますが、僕は知りません笑)

2回目はスムーズ、でも…

一度取得した経験があるので、2回目は手続きもスムーズでした。部署を異動していましたが、上司も育休経験者だったので、なおさら取得しやすい雰囲気だったと思います。ただ、上司に育休取得の相談をしたあとに、一度流産があり、それを伝えるのは心苦しかったです。

話はそれますが、普段そういう話をするタイミングがないから知らないだけで、流産経験がある女性は意外と周りにもいることを学びました。同じ経験をした人と話すことは、妻にとって少しは心が軽くなることだったと思います。

2人で育休ならこれができる!4選

余裕を持って子育てができる

これが一番良かったことです。働きながら育児をする場合、どうしても時間に追われイライラしてしまうもの。仕事終わりに家事をしつつ育児も…となると、一緒に遊ぶ気力はなくなります。その点、2人で育休を取ると時間に余裕ができ、心にも余裕が生まれました。たとえ子どもが遅くまで寝ていても、ご飯を食べるのに時間がかかっても、お風呂に入るのを嫌がっても、遅くまで起きていても、あまり怒らないでいられます。耐えられないことも多々ありますが(笑)。

子供の成長を細やかに感じることができる

余裕をもって向き合うことで、子どもの小さな変化にも気づくことができます。子どもは本当に、日に日に成長していくんです。顔も変わっていくし、動きもどんどん増えます。そういった変化を見逃すことなく過ごす日々はとても面白いです。

育児の喜びを共感しあえる

これは妻が大切にしていることですが、子どもの成長や何気ない出来事をリアルタイムで共有できます。土日だけなどではなく毎日夫婦で一緒に子育てをするというのは、育休を取らないとなかなかできることではないのでこれもまた良い経験です。

家事スキルが上がる

育児の他に家事もする必要があるので、家事スキルは確実に上がります。我が家は元々、半々ぐらいで分担していたので、僕は新たに家事を覚えるなんてことはありませんでした。ですが、これまでノータッチだった人は、家事を覚える良いきっかけになると思います。ちなみに僕は普段、料理担当をしているのですが、1回目の育休中に『土井善晴のレシピ100』という本のレシピを全て作ってみました。料理スキルはグッと上がったと思います(笑)。

夫婦で育休はひま?

子どもが1人であれば、片方だけが育休だと少し大変、両方育休なら余裕ができると思います。2人目が生まれたら、2人とも育休でちょうど良いと感じます。生後半年前後から夜泣きが始まり睡眠時間も削られるので、1人だとなかなか大変です。助産師さんから言われた「大人は何人いてもいいからねぇ」という言葉は、確かにその通りだなと思いました。

長ければ長いほどいい

育休の期間は長く取れるなら長い方がいいのではと思います。やることはいくらでもあります。また、妻だけが育休を取得している状況だと「俺は働いているんだからお前が育児を頑張れ」という思考になってしまいがちだと思うので、一緒に育休を取ることはそれだけでも意味があります。1週間や2週間の育休でも、取らないよりは育児への姿勢が変わるのではないでしょうか。

育児は仕事より楽?

育休の良い面ばかりを示しましたが、もちろん大変でストレスを感じることもあります。子どもといると何をするにも倍の時間がかかるし、自分のタイミングで行動できません。自分のペースでこなせる分、仕事をしている方が楽だなと思うこともありました。また、コロナによる在宅勤務で多くの人が感じていると思いますが、家族と家にいるというのも毎日だとストレスが溜まります。それでも育児は、大変さの分だけ喜びも大きいと知りました。

2人育休のお金事情

とっても大事なお金の話です。育休中は雇用保険から給付金が支払われます。会社からではありません。

給料から毎月、労働保険料が天引きされていると思うので、給与明細を見てみてください。6カ月目までは給料月額の2/3、7〜12カ月目までは1/2が支給されます。給料月額は育休に入る前6カ月間の給料(総支給額)の平均額となります。基本給に住宅手当や残業代など諸々ついた額が、給料月額として計算されます。税金や社会保険料(健康保険・年金・労働保険)が引かれる前の支給総額です。

例えば支給総額が30万円の場合、給付金は6カ月目までは20万円、7〜12カ月目までは15万円となります。少なく感じるかもしれませんが、育休中は所得税・社会保険料が免除されます(住民税は自分で支払う必要あり)。

結果的には、働いている時の手取り金額のおおよそ8割ぐらいの収入になります。7カ月目からは6割ぐらいでしょうか。育休期間が6カ月以内なら、お金の心配はいらないのではないかと思います。

また、育休後すぐに子どもを保育園に入れる場合、保育料が安くなります。育児休業給付金は保育園料を算出するための所得金額からは除外されるので、育休期間は無給扱いとなります。育休を取るタイミングにもよりますが、うちの場合は夫婦両方が1年間育休をとった後、1年間保育料がかかりませんでした。夫婦で1年間フルで働いているとおそらく月4〜5万円はかかると思うので、その12カ月分と考えると、かなり大きなメリットだと思います。

これからパパになるあなたへ

これから子どもが生まれる友人たちにも育休を取ってほしいと思い、この記事を書いてみました。正直、僕の職場は長期の育休を取りやすい環境で恵まれていると思うし、感謝しています。ですが、女性が育休を取っている職場であれば男性も取ることができるはず。少なくとも上司に相談くらいはできると思います。

もしかしたら、育休が必要ない人もいるかもしれません。例えば、親が一緒にor近くに住んでいていつでも育児の手伝いをしてくれるような状況だったら、育児の時間を確保するという意味では育休を取る必要はないかもしれません。

けれど、少しでも育休に関心が持てたのなら取ってみたらどうでしょうか。少なくとも検討してみてはいかがでしょう?仕事はこれから先いくらでもできるけれど、育休を取るチャンスは子どもが生まれた時しかありません。

すでに育児が終わっている知り合いと育児について話をすると「子どもが小さい時に多くの時間を一緒に過ごすことは、親にとっても子どもにとっても、大事なことだと思う」というようなことを言われます。正直、今の僕にはまだわかりませんが、感覚的に多分そうなんだろう、そうであって欲しいと思っています。

子どもが成長したとき、小さいころに毎日一緒に過ごしていたことは記憶には残っていないでしょうが、きっと子どもにとって何かしらプラスなことが蓄積されていると信じています。少なくとも僕にとって幸せな時間を過ごせていることは確かです。

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