【日日の泡 2023】4/10~4/16
4月10日(月)晴
いつものように4時半に目覚めてスマホの通知を見ると、深夜に弟からライン通知が4つ入っていた。母がまた脳梗塞で入院したとのこと。これで三度目。救急車で遠い八王子の大学病院まで運ばれた。
日中弟とラインで通話すると、母のことについて詳しく話すまでもなく、<実は~>と切り出した。社会人の娘が6日間入院して退院したのと入れ替わりに、妻が原因不明の発熱で入院したばかりだとのこと。ふう。
4月11日(火)晴
配偶者が病弱なのは人生ハードモードだ。父がそうであったように弟も。我が家はありがたいことに入院するような大病を経験していない。世の無常を感じながらビールを飲む。
4月12日(水)晴のち曇り
先発したオオタニサンを見ながら午前中からビール飲む。午後から電車に乗り眼鏡屋に行き、持参したフレーム(レンズ入り)2本のレンズ交換を頼む。
ひとつは遠近両用、もうひとつはPC用。PCといっても13インチのノートパソコン用。デスクトップは裸眼でいいし、15インチはなんとか遠近でもいけるが、13インチは無理。食品の、ソースなどの成分表示の小さな文字も見えないからハズキルーペのようなものを買うかどうか検討中。
紙の読書は辛くなってきたので本は可能な限りキンドルで買い読む。キンドルの問題点は、買った本を人に貸せないことと売れないこと。映画のように期日制限のレンタル制度があればいいのになあと思う。再読する本って少ないから。
帰宅してミートソースをつくる。手元にトマト缶がなかったので、コンビニで買ったトマト缶のようなもの(牛乳パックのような紙パック入り)がよかったのかも。あまりにうまいのでカミさんが食べる横で<うまい、うまい>と言いながら食べビール飲む。なにか嫌味を言われたが忘れた。
4月13日(木)晴
24時になるのを待って受信した村上春樹の新刊(発売日)をちょっとだけ捲って寝たのが1時。それでも4時半に起きる。午前中にコンビニ行ってビールを調達し、飲みながら『街とその不確かな壁』をタブレットで読み始める。ビール5缶飲んで昼寝。黄砂が来るとのことで晴でも余計な外出はせず、洗濯物も室内に干す。
4月14日(金)晴のち曇り
黄砂は来るらしいが弱めなので屋外に干す。午前中にスーパーに行く。帰宅しおつまみ三品こしらえてビール飲みながら『街~』を読み続け、夕方前に読み終わる。
一言でいうとこれは待っていた新刊長編ではない。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の「世界の終わり」だけを取り出して、洗濯して、灰汁や癖を取り除き、新しく漆喰を塗りなおし、リフォームしたような作品だ。そこに「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」をスパイスアレンジしたような。漆喰の腕が上がったので壁から全部やり直してみた。そんな感じ。
読みやすいし文章はうまいし余分なものはなくでも懐かしい寓話世界になっているが。私は「世界の終わり」的物語が苦手なので、これを再読することはない。これからも『ダンス・ダンス・ダンス』を繰り返し紐解くであろう。愛着は灰汁や癖や歪みに宿るのだと思う。
4月15日(土)雨
1日雨。朝も夕も傘さして歩いてきた。夕食に、峠の釜飯が出た。地元のスーパーで限定販売しているのをカミさんが手に入れた。しかも本物の陶器である。昨今はプラや紙の容器で代用販売していることが多く、陶器版は珍しい。この方がうまい。処理には困るが。別容器の詰め物盛り合わせが嬉しいよね。
4月16日(日)曇りのち晴
雨上がりの躑躅がうつくしい。満開だ。ここ1年ほど歩きながら花をずっと見てきて、人の一生ということを考える。そして(いつ死ぬというあてはないが)死を受け入れることができた。私の死も人の死も。それについてnoteに書いた。
帰宅してカミさんに<死を受け入れたから飲む>と宣言して、ビールを飲む。枝豆がうまい。
もしも、私の文章で<人生はそんなに悪くない>と思っていただけたら、とても嬉しいです。私も<人生はそんなに悪くない>と思っています。ご縁がありましたら、バトンをお繋ぎいただけますと、とても助かります。