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なぜ夏になると医薬品株が買われるのか

株式市場には季節性がある。

日経平均とダウの月別パフォーマンス

年間で目立った上昇が期待できる月は年末年始と春先に偏っている。
相場関係者もこれと連動する様に、夏場は少し緊張感を落としダラダラ過ごすことが多い。
外国人に関しては夏休みをとっていて、そもそも相場を見ていない。

日本株に限って言えば、1Q決算で通期進捗率の確認ができるものの、強烈な上方修正でも出ない限り2Q、3Qと比べるとインパクトが弱く、四半期決算の中では注目度は低い。

夏枯れの言葉の通り、夏は正直ワクワクする様な相場ではない。

しかし、株式市場には欲が深く根付いており、こんな季節にも、頻繁に買われるセクターが一つある。

それは医薬品セクターだ。

なぜか?
ここに投資家心理が隠れている。


ヒットよりホームラン

夏場は材料が少なく、全員が注目する様なニュースがない。
また流動性も低いため、出来高を伴って大きなトレンドになる確度も低い。

そうなると、買いたい株がない、かつ現金に置いておくのも気乗りしない状況になる。

そこで、今はトレンドはないけど、材料が出た時に吹き上げる様な銘柄、すなわちヒット狙いではなくワンチャンスのホームラン狙いで銘柄を仕込む心理になりやすいのだ。

その代表的なセクターが医薬品であり、医薬品セクターはマイルストンなどがカタリストになるので、IR一発で一気に買われやすいのだ。
そのようなチャンスに張る事が、夏の医薬品買いなのである。

サル痘関連で吹き上げた不二ラテックスの様に医薬品セクターは一発が多い

また同じ理由で仕手株、ゲーム株なども盛り上がりやすいが、ファンダメンタルズの裏付けという意味では医薬品銘柄の方が機関投資家が入りやすく、夏の相場の主役は医薬品になりやすい。

株式市場は常に心理で動くのだ。


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