夜の飛行機に乗るのは初めてだった。

だから、機内のライトが消されることに凄く驚いた。おかげで暗闇の中に浮かび上がるいくつもの光が綺麗だった。
1週間も同じメンバーで、同じ場所(異国)でっていうことが今まで無かったから、離陸時にゆっくり確実に離れていく滑走路のライトを見て自然と涙が出てきた。涙腺がガバなのはわかってたけど、ここまでか?

この1週間は自分にとって部活にとって必要なものであったと思う。

先輩に言われた「部活という枠組みの中でどう演劇と向き合っていくのが自分にとって一番いいのかも考えて欲しい」という言葉、一生かけても答えは出ないだろうなって思うし、いやあと2年の間に答え出さないといけないんだけど…。ただ、「楽しいから」だけではいけないなとやっと自覚した。先輩に付いて行くのは楽だし楽しいけど、いつまでもそのままでいいわけではないよな。何を自分はするべきか?とりあえずファーストインパクトだ。


そして今回の全国大会。とある審査員の「この人(役)はホモセクシャルなんですか?それともトランスジェンダーなんですか?」という質問に私は答えられなかった(私は回答者では無いけど)。そうしたらそのまま「審査員満場一致でドン引きしてたよ。ゲイの人がヘテロの男に対してセクハラを行ったり、オネエ言葉を使うと思ってるの?それはステレオタイプっていう差別だよ。もっとジェンダーについて勉強して知識を蓄えて理解を深めてから取り扱うようにしなきゃ」と言われた。たしかにその通りだ。

でも、

私はそこでここに居る審査員は全員、人間を「性別」というとても狭い観点でしか見てないんだなと感じた。今では性別は何十種類あると言われてるけど、私はそんなことないと思ってる。もっともっともっと沢山性別はあるし、逆に「性別」なんてものはもうこの世に無いと思ってる。
性自認と性嗜好と性癖は違う。でもこれは全て個性だし、人それぞれだと思う。72億通りあると考えている。人は何故カテゴライズしたがるのか?(原文だとここに、その審査員の性別を決めつけて、その性別と個人をいっしょくたにして否定する表現が入ってた。それって審査員と、社会と結局同じじゃないか)
「俺たちはちゃんとあなたたちのことわかってますよ、そうそう、この間LGBTについて何一つ知らないであろう大学生の作品を見てドン引きしちゃいましたよ。なにもわかってなくて」とか言い出すんだろう。きもちわるい。わかってるふりしてきもちよくなってんじゃねえよ。古臭い。友人の「一番口煩く首を突っ込んでくるのは当事者周りの人間だ」という言葉に納得してしまった。もうほっといてくれ。

でも、知識が無いのは経験が無いのは技術が無いのは確かだ。悔しいからもっと知識を蓄えよう、たくさん本を読もう、たくさん演劇を観よう、たくさん人と関わり合おう。そう思いました。はい。スマホ閉じようね。

そんなことを1人で考え始めていると
「この飛行機は1時間20分で新千歳空港に到着する予定です」という客室乗務員さんのアナウンス。
あれ?そんなに早く着くっけ?
「長いと思ってたこの旅も、終わってしまったらあっという間だった」
ふと飛行機の中で、先輩のこの言葉を勝手に反芻しては、ほんとうにその通りだと思った。

それっぽい言葉を並べてるだけで中身は何にも、本当に何にも無いなと、日記を書いても感想文を書いてもラブレターを書いてもそう思う。そう、西尾維新の文体が好きです。オタクなので。
あと、私は他人からだめな部分を指摘されるのが本当に苦手で、自分で先手を打って言い訳してしまう癖を直したいです。今みたいな感じのやつ。

面倒くさいことは嫌いだけど、面倒くさいことをごちゃごちゃと考えるのは好きなので、夜の飛行機に乗るのも悪くはないなと思った。
誰かほんとにこういうことばっか話す会しようよ。

いろいろ書いたけど、とりあえず家で一日中寝ることしか決まってないし、「幻によろしく」は全てが幻覚だったんじゃないかと思うくらい幸せな日々を与えてくれた作品だということくらいしかわかってない。もう一回キメて記憶をリセットして新鮮な恋しちゃおっかな〜。
つまり何が言いたいかというと、フォーエバーラブ三年生という気持ち。

2020/02/25      かわたゆうのメモより

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