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異世界探索記17 タロット 大アルカナ

旧ser.17(2021年4月4日公開)ser.21(2021年5月5日公開)ser.25(2021年7月9日公開)より抜粋
編集後記:タロットは大アルカナ全種の探索を終えていますが、特徴的なもののみ記載してあります。

はじめに


 この探索記録は、恒星快感道場の取り組みの一環であり、これまでと同様に、変成意識(明晰夢・体外離脱を主とする)の状態で、接触したいターゲットを呼び、身体的にそれを体験するメソッドを用いたものです。題名にあるように、今作の記録は「タロット」への接触がテーマで、タロットカード1枚1枚を呼び出した体験に特化した内容となっています。恒星を呼びだした時のように、体が自動運動し、そのカードを身体で表現する体験ができました。タロットダンス?快感体験も恒星接触と同様にありました。

② 2021年3月25日②朝 「魔術師」


(前略)
その歩道で、誰ともぶつからないように気を付けて、私は「魔術師」と言った。いつの間にか景色は暗くなっていった。
 すると体が自動的に動き始めた。背中向けに少し倒れていき、斜めの状態になった。両脚両足はくっついたままだ。すると両踵と起点にして、グルグルと回転をし始めた。反時計回りだったという記憶がある。茶碗を描くような回転だ。この回転は徐々に加速していき、なかなか高速スピードになり、十回以上、もしかしたらもっと回転したと思われる。踵が地面に擦れて熱くなっていった。

③ 2021年3月25日③朝 「女教皇」


 魔術師の回転が終わったので、私はさらに「女教皇」と言った。景色は暗いままだ。
 すると私は空中に浮かび始め、体が仰向けに45度くらい斜めになり、両腕と両脚を前に突き出すような姿勢になった。つまり斜め上を眺めつつ、両腕両脚をその方向に伸ばしているような姿勢だ。そしてそのまま内側を向いたままで、公転の回転を始めた。視界は真っ暗になっていた。この公転は、時計回りだった記憶があるが、正確ではないかもしれない。そしてこの回転は、ゆっくりとした回転であり、2~3回転くらいだった記憶である。

⑦ 2021年3月29日 「審判」


 寝る前に、接触すべきカードは何かを決めるため、1枚引きで占っておいた。「審判」が出たので、それに接触するつもりで入眠した。
 明け方になり、普通の夢を見ていた。私に来客があり、筆で字を書き、押印しなくてはならなかった。それが机の上が散らかっており、息子のランドセルとか仕事に関係のないものであふれていて、私はイラついた。妻が何か言い訳をしていた。筆が見つからないので背に腹を変えられず鉛筆を使ったが、短くて芯もヨレヨレで字をまともに書けない。私は怒りを抑えきれず、爪でその紙をひっかくような動作をした。すると不思議なことに、そこに立派な家の絵が浮かび上がった。私はそこで「これは夢だ」と気づき、サポートしてくれた存在に「サンキュー!神さん!」と言った。
 私は机を立ち背を向けた。すると前方からものすごい圧力を感じ、吹き飛ばされそうになった。私は両腕を天に捧げるような体勢になり、勢いで「審判!」と力強く言った。すると体が浮遊し仰向けになり、万歳のポーズのまま頭の方向に向かってそのまま進んでいった。景色は消えてしまい、おそらくグレーを基調とした斑な空間だった。スワジスターナ前方に強く擽られるような強めの快感を覚え、浮遊している間、ずっと継続していた。いつの間にか、私はどちらに進んでいるのか分からなくなった。なんとなく左に進んでいたような感覚はあるが、違うかもしれない。
 しばらく当てもなく浮遊していると、正面の遠くから、色とりどりの光が私に向かって飛んできた。この光は、花をモチーフにしたデザインようで、一つ一つが違ったデザインであった。
 いくつかその光の花を見ながら、次は、笛のような音が聞こえてきて、素朴な音楽を奏で始めた。その曲を最後まで聞くと、次はファミコンのピコピコ音のようなサウンドで、ハッピーバースデーの曲の冒頭部(Happy birthday to you. Happy birthday to you.の部分)が聞こえた。おそらくその曲だが、もしかしたら似ているだけで違う曲かもしれない。この曲は、あたかも「これで完了です。ゲームクリアです」みたいな印象だった。
 その後肉体的に目が覚めて、ベッドの上でゴロゴロしていたら、F10状態になり、背中のちょうどハートチャクラ辺りに、ドーンという振動が響いた。後ろから叩かれたような感触で、太鼓みたいな心地よい衝撃が背中から体に広がった。何かを打ち込まれたような気もする。
・コメント
 近頃、緊急の仕事ができたことや、息子が春休みで遊び相手になるなどして、いつの間にか地上に引っ張られていたと思います。その様子が、机の上にランドセルやらいろいろなものであふれているということで、よく表されていると思いました。これで今の状態を自己想起的に確認できました。そのような状態の中で、まさにスキマを付いての接触という感じでした。
 笛が聞こえてきたというのは、なんとなくですが、審判に描かれているトランペットを連想させられます。あの色とりどりの光の花とか、笛の曲とか、何を示しているのかは、不明です。徐々に分かってくると思います。
 最後のハッピーバースデーの曲については、そのままですが、「審判のカードは攻略完了」ということに思えます。

⑪ 2021年3月31日③朝 「世界」


 明晰夢は続き、山の頂上にある武道場のようなところにいた。少数の男たちが武道着を着て並んでいて、私もそこに混ざっていた。何かの表彰式で、私も表彰されたと思う。
 そこを出ると、たくさんの修学旅行生がいて、混雑していた。私は「邪魔だなぁ」と思いつつ、それを連れてきたのは私という設定のようだった。山には何故かトンネル型の階段があり、私は少しそこを降りて、ここに集まっている修学旅行生たちに、降りるように指示した。長蛇の学生たちが、方向を変えて、階段を下りていった。
 再び山頂に上がると、右手に塀があり、一人のたくましい男と、その隣に誰かがいた。そのたくましい男が私に言った。
「あなたは、日本でも、う~ん(考えている)、5人くらいの有数の名人だ。もっと自信を持ちなさい。あなたは奥義を伝承されるかもしれない」
 私は何のことかよく分からないままに、昔の中国人がしていたように、左手を開き右手をグーにして重ねて胸の前につきだし、その言葉への感謝の意を表明した。
 そして「奥義?」と聞き返しつつ、修学旅行生たちがいなくなったことの開放感でウキウキしており、山頂を走っていった。
 この山頂から別の山頂に続くコースがあり、長方形のセメントの上に木の板が敷かれて(いたと思う)たものが、空間と交互になる感じで、線路の板のようにたくさん一直線に並べられていた。板と板の間、あるは板の左右に足を踏み外すと落下してしまうような危険な道だ。私は気持ちが軽くなっており、鼻歌交じりに駆け抜けていった。走りながら、「奥義って何かなぁ?」と思っていた。
 そのあと記憶が飛び、うろ覚えだが、おそらく山頂にある建物内で、「そうそう、タロットと接触するのだった」と思った。私はまだウキウキしており、その勢いで両腕を天に捧げ、「世界!」と力強く言った。
 すると、ズシンという重みのある振動が天から降りてきて私を包んだ。その重みは嫌な感じはしない。そして地面の下に沈み込んでいき、暗いグレーの空間を下降していった。その下降速度がゆっくりになったとき、背中に重みを感じつつ、両肩に何かつかまっているものがあるのを感じた。さらに両肩の感触だけでなく、おんぶしているように、両脚も私の腰あたりに後ろから巻き付いているのを感じた。右肩越しに後ろを覗き込むと、1歳半くらいの可愛らしい男の子だがいた。
 私は興味が湧き、その男の子に尋ねた。
「名前はなんていうの?」
「ロット」
「ロット?」
「ロト」
「ロット?」
「トット」
「トット?」
という感じで、答えるたびに、少し内容が変わった気がするが、聞きなおしたのは私であり、どれが正確なのかはよく分からなかった。
「トット」というのは、小さな時分、息子が私を呼ぶときの愛称であり、この男の子がどことなく息子に似ているような気がして、私は彼に対する愛情が湧き上がってくるのを感じた。
 このとき、真下への降下ではなく、前方ゆるやかに斜め下に向かっての降下に変化しており、薄暗いが景色もなんとなく見えるようになっていた。古びた商店街か飲食街のような光景に見えた。
 私は彼が愛しくなり、首を右側にひねるような感じで、上半身を少し後ろに向けた。彼も前に乗り込んでくるような感じになり、私の右頬と彼の左頬がぴったりとくっついた。
 私は目を閉じ、その頬の感触を確かめながら
「いつまでも君が平和でありますように」
と、深い愛情を感じつつ呟いた。

⑭ 2021年4月2日②朝 「塔」


 隠者の体験が終わり、暗闇の中に立っていた。私はそのまま思いつくままに、「塔」と言った。すると、ゆっくりと上昇し始め、少しずつその速度が加速していった。珍しいくらいに、なかなか長い距離を上昇した。ス~っとその上昇が静止すると、次は下降を始め、上昇の時と同じように、最初はゆっくりで、少しずつ加速していった。しかし両者とも、それほど早いスピードでは無かった。この下降の時に、会陰を中心として鼠径部全体にエネルギーが集まり、ギューンという感覚を覚えた。快感という感じでは無く、エネルギーが凝縮されるような感覚であった。
 下降が行き着くと、私の踵が床に当たるのを感じた。生々しく、けっこうくっきりとした接触感だ。すると私はその閉じた両踵を起点にして、反時計回りに自転回転を始めた。踵が床にこすれる感じが生々しく、摩擦で熱くなるのを感じていた。するとその自転がゆっくりと円を描き始め、私は内側を向いて、公転回転を始めた。しばらく回転していく内に視界が明るくなってきて、私が見ている中央に、鉄塔のような網目状の鉄の柱が立っているのが見えた。私は一度だけ、その柱に左手で触れたような気がする。
 回転が大きくなっていき、私はこの建物の壁をはみ出して、外に飛び出すようになった。この時の光景が、どうも花屋であるように、飛んでいるときの私は感じた。そして
「お店か。花屋をするのももいいな。でも花のお世話とか、お店の管理が、私にはどう考えても向いていないし、できそうにないな。誰かを雇って、維持管理してもらえばいいのかもな」
と、思っていた。
 なかなか回転が終わらないので、「そろそろ次の体験に移りたいのだが」と思っていると、減速していき、建物の中で回転が止まった。

④ 2021年4月12日①早朝 「死神」


 入眠前の1枚引きは「死神」だった。
変成意識に入ると、大きな部屋に出た。左側に大きな窓が見えて、少し開いており、白いカーテンが風に靡いていた。なんとなく実家2Fの雰囲気に似ているが、同じではない。
 その大きな窓から外に飛び降りると、白っぽいグレーの世界で、廃墟のようにいろいろなものが崩れていた。着地するまでの時間が長くどうもさっきの部屋は2Fではなく、3F以上の高さの様だった。見える世界は、実家に雰囲気が似ているが、やはり同じとは言えなかった。着地した後、私は頭がグラグラしていたが、予定していた通り、「死神」と、両腕を天に捧げるようにして言った。
 すると体が少し浮遊し、頭が仰向けに倒れていき、後斜め上のような状態になった。そしてそのままその斜め向いた方向に、浮遊移動していった。暗いグレーの斑空間の中を進んでいくうちに自動的に脚が曲がっていき、椅子に座っているような感じに「く」の字になった。もしかしたら、膝がもっと胴体に近づいていたような気がする。
 仙骨がブルブルと振動し始め、ただ震えるだけでなく、快感が伴った。この振動が脊椎左側面辺りを上がっていき、肩甲骨の間の少し上部あたりにまで達すると、次は下降していった。この間、仙骨の振動と脊椎を移動する振動が、同時に発生していたように思う。
 いつの間にか、移動する方向が変化し、ウネウネとあちこちを彷徨うような感じになっていった。私は方向感覚を失っていた。
 移動する振動が改めて仙骨に達すると、その振動が広がり、左側の仙腸関節辺りが特にブルブルしていた。これに伴う快感は、ゆるやかに強さが上がっていたように思う。仙腸関節の振動と快感を味わっているうちにフェイドアウトし、肉体的に目を覚ました。

⑤ 2021年4月12日②朝(二度寝) 「星」


 変成意識に入ると、いきなりグレーの斑空間を私は下降していた。地下に降りているような感じだ。着地すると、踵を中心として足裏が地面に着く感触が生々しく、変成意識の割には地面が硬い感じがした。私はそれが面白くて、何度も足踏みした。しだいに視界が明るくなっていくと、大型スーパーのワンフロア(1Fのように思えた)のようだが、どうも廃墟のような感じになっており、目に映るものが全て白っぽく見えた。さきほどの「死神」に似ているが、「死神」ほどは廃れていないようにも見えた。
 私はさっそくタロット接触をしようと思い、両腕を天に捧げて「星」と言った。すると体が自動的に仰向けになっていき、後斜め辺りで止まった。そしてそのままその頭の方向に向かって浮遊移動を始めた。
 浮遊移動しながら、脚が椅子に座っているときのように「く」の字に曲がっていった。そこで私は「来る!」と思うと、会陰を中心としてスワジスターナ前方辺り全体に、キューンというタイプの快感が走った。下腹部辺りにまで達していたが、下腹部の下のほうだけだ。この快感は強度としては強いのにも関わらず、優しさのようなものが感じられ、柔らかさがあった。
 そのまま快感を覚えながら浮遊移動していると、両脚がまっすぐに伸びて、ぴったと内側が重なり起立しているみたいになった。両腕はなおも天に捧げるような感じのままだ。
 さらに脚が動き始め、蟹股の極端な感じにまで大きく広がった。するとこれまでの快感が広がっていき、スワジスターナの後方に広がり、一部がさらに強くなった。快感は両腿の内側に広がっていき、特に右側の膝近くに五百円玉くらいの大きさで、強い快感が走り始めた。
 たいへん心地よく、私の好みの快感で、強すぎもしないので割に長時間味わっていたのだが、次第に耐えられなくなり、私は深いため息を吐いた。すると喉から胸の上部中央あたりに「ボコボコ」と泡が出てくるような感覚が走り、そのままボコっと、そこにあった何かのつまりが取れるような感触があった。
 その後も快感を味わっていたと思ったのだが、そのままフェイドアウトし、肉体的に目を覚ました。

⑥ 2021年4月12日③正午前 「月」


「星」の体験のあと、さらに探索できそうだと思い、再び入眠。変成意識に入ったが、その先の部屋のことが思い出せない。おそらく現在の自室、今、睡眠している場所だったのではないかと思う。
さきほどは「星」だったので、次は「月」を呼ぼうと思い、「月」というと、何故かつぶやくように「つき」という発声になった。最近は割にパワフルに呼ぶことが多いので、珍しい。秘密の合言葉を言うみたいだった。
 このあとの体の動きは、正確には思い出せない。しかし下降したのは間違いない。どんどん垂直に下降したのではないかと思う。どんどん沈んでいくうちに、会陰を中心として鼠径部全体にキューンという快感が走り始めた。「星」に比べれば、範囲は狭かったが、強さはやや「月」のほうが上だったような気がする。快感はスワジスターナ後方にまで達していた。
 快感体験としてはなかなか長めの体験だったように思う。気持ちよくてずっと味わっていたかったのだ。しかしそれでもフェイドアウトし、肉体次元のベッドに帰還した。この時、フォーカス10の状態だったようで、快感はなおも続いていた。そして私は四つん這いの姿勢になっており、私の後ろに、生々しく、何かの存在がいるのを感じた。

⑦ 2021年4月12日④正午前 「巨大な紅いドラゴンと優しそうな道場長」


 いつもなら体験後にメモ書きするのが、「月」の体験のあと、私はこのまま、さらに別の体験ができるのではないかと思い、そのまま横になっていた。すると自我意識強めの夢をいくつか見た。その時の記憶に残っているものを記載する。
夢1。
 三国志の世界にいた。大きな山々の麓に大きな湖があり、そこから、翼の生えた紅いドラゴンが現れた。高層ビルのように大きい。湖の前にはたくさんの兵隊がいて、その紅いドラゴンに向かい合っていた。その兵隊は静まり返っており、ドラゴンを迎えているのか、退治しようとしているのかは、よく分からなかった。私は、月刊マガジン長寿漫画の「龍狼伝」(三国志を舞台にしたオリジナルストーリー)みたいだな、と思っていた。
夢2.
 さっきの夢に続いているような感じで、私は記者の取材のようなことをしていた。私はその「龍狼伝」のことを思いながら取材していたのだが、いつの間にか、同じ月刊マガジンの長寿漫画「修羅の門」(格闘漫画)と混ざっていて、二つを同じもののように感じていた。その夢の内容は、あちこちの道場に、道場破りの男が出向き、その師範を全てやっつけてしまい、道場が閉じていったのを、追いかけているような感じだった。道着を畳んで「私はもう引退じゃ」と言っている老人もいた。
 私はその道場破りのあとをたどり、その男の居場所を突き止めた。その男も道場を始めたらしい。男の体は屈強で顔も大きいが、ニコニコしており、とても優しそうな顔で、道場やぶりをするようなタイプには見えなかった。柔道の山下をデフォルメしたみたいな顔だったと思う。
 道場には数名の弟子がおり、全員が道着を着て、道場に座っていた。その道場破りの名中で、前の道場を止めて付いてきた男たちのようだった。山下風の男は、「こんな展開になるなんて思ってなかったのだけどね」みたいなことを言ったと思う。
 その山下風の男は、弟子たちに向かい合って座っていたが、その修行法が独特で、実際に体を使って戦うのではなく、イメージの中で戦っていた。そしてイメージの中での出来事が、そのまま男たちの肉体に反映され、弟子たちの体に傷やらアザやらが増えていった。

⑪ 2021年4月20日②朝 「太陽と安倍晴明」


 F10の快感体験が終了すると、実家2F中央の部屋にいた。玄関側の部屋に移動し、窓から外に出た。珍しいことに、「落ちたら痛そう」と思い、廂に乗り、隣の家の廂に飛び乗り、そこからブロック塀に足をかけて地面に降りた。
 私はまだ課題として残っているカードの中で「太陽」を思いつき、天に両腕を捧げ、「太陽」と言った。この時の声は、溌剌としており、若さのようなものが感じられた。
 すると自動的に仰向けに倒れていき、臍あたりを中心として扇風機のような回転運動を始めた。記録には「右回転」とあり、おそらく反時計回りだったと思われる。さきほどの「悪魔」と逆の体験だ。私はこの回転が楽しく感じられ、陽気になっていた。やがて回転が終わり、下降運動を始め、地面の下に沈んでいった。地面の中は暗い斑空間だった。
斑空間を抜けると、何もかもが灰色っぽく見える町に降りてきた。着地するとき、足裏にしっかりとその感覚があった。肉体世界に似ているが、やや軽い感じがあった。後ろを向くと、男が一人歩いていたが、顔ははっきりと見えなかった。
 その世界に感じられるのは、空虚で命がない、というものだった。そして、天から男性たちの声による神道で奏上する「祝詞」(あるいはもしかしたら「大祓詞」)が合唱のように響き渡り、厳かで、重々しい雰囲気を醸し出していた。
 私は「やべえ!もしかしてこれって地獄的なヤツの一種だろか?」と思った。道を歩いていると、左手に何かの店(おそらくレンタルショップか?)があり、別の男が入店するのが見えた。これら2人の男の特徴は、厚着であり、サングラスをかけているか何かで、顔が見えなかったことだ。茶色っぽい服装だったように思う。
私は何かに接触しようと思い、「安倍晴明」を思いついた。祝詞→神主→狩衣→陰陽師→安倍晴明みたいな連想からだと思われる。「すごい神主」を呼びたかったのだが、その具体的な存在を思いつかなったのだった。
 天に腕を捧げ「安倍晴明」と言うと、2、3秒沈黙があった。私は「これは接触できないのかな」と思った瞬間に、「セイメイ、ハッシンスル」という若い声が天から聞こえた。(「晴明、発信する」ということだと思われる)私はそれに答えるように「来て…ください」と呟いた。
 すると透明感のあるエネルギーにくるまれるような感覚になり、それに合わせて私は両膝を両腕で抱えるような体勢になったと思う。そしてクルクルと前向きに回転し始め、そのままフェイドアウトしていき、肉体的に目を覚ました。

⑧ 2021年5月13日朝 「女帝」


 朝、目が覚めて活動しようと思って歩き出したら、何かフワフワするので、体脱中であることに気づいた。自室での純粋体脱だ。暗い部屋だ。
 私は次のターゲットとして予定していたとおり、両腕を天に掲げて、「女帝」と言った。すると体が仰向けに倒れていき、斜めの状態で、反時計周りの回転を始めた。両足の踵が基点になっている茶碗を描くような回転だ。回転をいくらか経て、次第にそれが、公転のような回転に変化していった。視点はなおも内側の中心を見ているような感じだ。この時、腕と体で十字形の形になっていることを自覚した。
 しばらく公転回転していると、そこに自転回転が加わり、あたかも太陽の周りをまわっている惑星のような動きになった。両腕はなおも水平に保たれていて、「私は、これはまさにダンスだな!」と思い、ワクワクした。
 さらに回転が変化し、自転回転が無くなって、私は左足の踵だけ床にくっついており、右脚をまたを広げるように天に向かってあげて、体は左を下に斜め45度になっているような姿勢になった。腕は体に向かって垂直のままだ。左足踵をこするようにして、スーっと、フィギアスケートのように公転回転をしていた。この時は、最初は描く円の中心点を見ていたが、ふと、浮かんでいる足がどうなっているのだろうと思い、進行方向を見つつ、右脚を意識した。足は見えず、その途端にフェイドアウトしていき、肉体的に目を覚ました。
 これらの回転中は、暗くて景色が見えなかったが、ブオーンという耳鳴りのような音が響いているのが特徴的だった。
・コメント
 前回の女帝の体験は、タロットダンスはなく、女性が現れるというレアなものでした。私としては、全てのカードにおいて、身体的体現を少しでも表現したいという思いから、女帝については再チャレンジするつもりでいました。
 今回の女帝で経験は、まさにダンスと言えるくらいのもので、これまでの体験の中でも印象に残るものです。茶碗回転→公転→公転&自転→片足で同じ方向を見て公転、という流れです。私はなんとなくそれぞれの回転が、太陽、全惑星、惑星、月という流れを表現しているように思えました。
つまり茶碗回転はH12、公転はH24、公転&自転はH48、片足同じ方向を見ての回転はH96というふうに、エネルギーを提示に変換するようなダンスに見えると思ったのです。特に月は実際に、地球に向かって同じ面を向けて公転しており、今日の最後の回転そのものです。公転&自転も、惑星の動きそのものでした。このように見ると、全惑星意識は自転のない公転軌道というふうに見ることができます。惑星がその独立性を露わにしていないというわけです。そして太陽は自転するだけであり、基点から動くことはありません。
なぜ女帝がこのようなダンスだったのか。「創造的エネルギー、つまり分割のエネルギーが、高次から低次へと流れる様子を体で表現した」ということではないでしょうか。
今日の回転の流れの仮説をもとに、これまでの回転について整理してみると、なかなか面白いことが見えてきそうです。ほぼ茶碗回転、公転ばかりで、自転&公転、同じ方向を見て公転は、今回が初めてだったと思います、多分。
すぐに思い出すのは、「塔」の体験で、下から上に上昇し、その後下降、着地そして自転(お茶碗型ではなく普通の自転)し、最後に公転という流れだったと思います。これは上昇することでH6に接触、下降して自転するのがH12、公転するのがH24という、エネルギーの受信と変換を表しているように思えます。つまりH6に達したものを、全惑星意識に広げるというダンスです。
 女帝のダンスに話を戻すと、最後に自分の足を意識したことでフェイドアウトしたというのは、身体のパーツを意識してはいけないということだと思います。体全体で表現する必要があるということだと思います。身体の一部を意識してしまうというのは、つまりH192以下の振動、つまり肉体や物質に近いところを意識してしまったら、そこで創造の光線の下降は途切れてしまうということを示しているのではないかと思いました。つまり、私が気を失ったのは失敗だったというより、「こうなってしまうよ」ということを示すためのダンスとしての表現の一つだったのではないかと思います。

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