見出し画像

サービス紹介⑩ 一緒に仕事をする意味

今回は調査を外に依頼する意味についてご紹介します。私は日本のお客様にインドの調査会社と協力するということを選択しました。「コストで競争力があるから」だけではありません「私に足りないもの」が、「特許を取り扱う技術者としてのスキル」・「知的財産を取り扱うスキル」であり、「彼らこそがそれを提供できる人物であると確信」したためです。

知的財産権・知的財産に関する活用方法(これらを総称してIPランドスケープと呼ぶのが適切と思われます)が様々に提唱されています。欧米企業の成功例をから示唆を得ているようですが、本当に優れた専門家はどこにいるか見極める必要があります。

パテント・マップしかり、オープン・クローズ戦略しかり、2017年の知的財産スキルセット2.0定義も、有用な方針を示したものだと考えています。ただ、どれも、やはり当時の欧米企業の表面をなぞっているように思えていません。実際に仕事を依頼するには、肩書ではなく依頼に応じる能力のある相手を選ぶ必要があります。

日本の知的財産部門の方々から、「知的財産部門が、経営陣のために情報発信するというのは無理だ。そもそもが、上の命令に従う立場にある状態で、反抗ととられかねない」とのコメントや、「自社から発信していく知的財産部のあり方を示したいのだが、結局予算が取れない」などのお話を伺うことがあります。知的財産部門の方々の並々ならぬご苦労を感じます。

しかし、それならばぜひ、私たちにご相談してください。

2017年版スキルセット等を見ていると、つくづく感じられるのですが、「頭でっかちで手を動かしている空気が伝わってこない」のです。欧米系の企業のチーフに話を伺ったのでしょう。

本当のところ手を動かしているのは、多くの場合、調査会社であったり、インドのスタッフであったりするのです。Parintek Innovationsのメンバーはまさにそこにいた人物たちです。

そこには、きれいなストーリーなどありません。試行錯誤と、地道な労力の積み上げがあるだけです。

例えば、下記のような図面が「有用だ」という点に異論はありません

画像1

特定の技術を分析し、材料を特定し、主要な材料に絞って出願の傾向を調べ、最も有望視されているのはどの材料か。最近の出願ではどの分野で用いられようとしているのかを可視化する。上の例でいえば、シリコン系ではなく、金属かアクリル系ポリマーが将来有望とされているように見えます。

上の例では、三つの特性を見て「こういう理由からこの用途にはシリコンが向いているが、こういう用途にはアクリル系ポリマーが有望視されていると感が寝られる」等の「洞察」を得ることが大切です。

しかし、その作業は「欧米の企業の技術者」や「知的財産部」が行ったのでしょうか?一部の企業を除き、かなり考えにくい話です。現在ほどAIは進展していませんでした。

膨大なノイズを含むデータを分類し、それを可視化するという地道な作業を行ったのは、「アウトソース」された企業だったと思われます。

Parintek Innovationsはまさにその企業の一つでリーダーを務めていた人物で構成されています。

例えば、ビジネスモデル分析を行うことがIPランドスケープの一つだと当然と受け入れられるのは通常のことではないでしょう。

画像2

上の図は、ある会社の「ビジネスモデル」を、知的財産権(特許等)の分析と、財務情報等の情報とを合わせて分析し、明確化した例です。

何もないところから図面は出てきません。膨大な「トライアル」&「eエラー」を体験しながら、地道な作業を行ってきた末の競争力なのだと思いませんでしょうか?

そして、やはり、それを行ってきたのも、少なくとも私が把握している限り、インドのケースが多いのです。

本日のテーマに戻ります。①単に安いから協力を頼むのではなく、②コンセプトはあるが(技術者や知的財産がわかる者が足りない)という自社の力量の正確な把握を行い、③協力を依頼できる部分は「相手を選んで」協力を求める。

こうした姿勢が、「一緒に仕事をする」上で必要不可欠な姿勢なのではないでしょうか。

以上、一緒に仕事することについての一見解でした。

2021年1月8日

川瀬知的財産情報サービス 川瀬健人

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?