🇦🇪ドバイとかみ合わない私⑤
リュックの中でクスクス、大爆発
ブルジュ・ハリファの観光を終え、だんだんと無料シャトルの時間が迫ってきた。朝、撮影しておいた写真をもとに(ドバイとかみ合わない私②参照)バスの駐車場に行かなければならない。地下にある大きなスーパーで、晩御飯と水を調達する。晩御飯には、クスクスとアスパラが一緒に入ったサーモンにした。35AEDくらい。おいしそうなレモンミントジュースも購入した。ショッピングバックをもらわなかったため、手に持ちながらモールを出て、広い横断歩道を渡り、エスカレーターを降りてバスを待つ。空はまだ明るくて、ブルジュ・ハリファの夜のライトアップを見るには、あまり使いたくないタクシーで帰る他なさそうだった。明日考えよう。とりあえず、今日は無料シャトルでホテルに帰れるかどうかだ。
朝撮ったホテルのバンの写真と、通り過ぎる車を見比べる。ほぼ同じようなバスが何度も何度も前を通るのでうんざりした。バスが使えたらいいのに。調べてみたが、道が複雑なのと、人が歩けるような気候ではないため諦めた。この国の道路は歩行者のために作られた道路ではないと感じた。
ホテルのシャトルを見つけるのに邪魔だったので、リュックに先ほど買った夕食のクスクス&アスパラサーモン弁当を垂直にリュックにいれた。これで大丈夫だろう。ホテルのシャトルの見分けは、運転席の前にA4くらいの紙でホテル名が書かれているだけである。他のホテルのシャトルもだいたい同じようなものだ。目を凝らす。タクシーや大型バス、似ているバンの間を縫っている自分のホテルのバンを何とか見つけた。予定より10分くらい遅れていて、てっきり見逃してしまったかとヒヤヒヤした。
無事にホテルまで到着し、チェックインを済ませる。シックで豪華な部屋だった。かなり気分があがる。
ホテルの案内人が部屋を案内してくれた。ところが、私が使用する予定のルームキーが機能しなかった。「私が新しい鍵を部屋に持ってこようか?それとも後でフロントに来るか?」と聞かれた。部屋にもって来てもらうと、チップを払う必要がありそうだったので、自分で後ほど取りに行くことにした。やれやれ、なんかスムーズにいかないな。
ホテルのフロントに行くと、対応してくれたお姉さんが日本の漫画ファンだった。おお、こんなところにも!ルームキーを設定してくれている間、漫画の話になった。「私はナルト、ブリーチ、ワンピースを読んでいるよ。兄も好きなの」「鬼滅は?デイモンスレイヤー。」「1話だけ見たよ。邦題の方がデイモンスレイヤーより好きだよ」。漫画の話になって、先ほどATMを探している過程で、ドバイモールの2階に大きな紀伊国屋書店があるのを思い出した。こんなところに日本企業が!もちろん漫画も大量に扱っていた。フィギュアも日本のおもちゃもあった。アラビア語の書店なのかと思って入ってみたが、並んでいる本は英語ばかりだった。漫画も英語版だ。この国の人は英語で漫画を読んでいるのかなと思った。
部屋に戻ってようやくホッとした。現金も手元にあるし、カードも使える。最初のタクシーがたまたま使えなかっただけだ。楽しみにしていたお弁当をリュックから取り出す。すると・・・。中で大爆発していた。
購入時から、蓋が緩いなと思っていた。日本のお弁当のようにプラスチックの蓋がされているのだが、これがどうも緩めなのだ。少し力をいれると浮き上がって外れそうになるというか。密閉感がないのだ。おそるおそる弁当箱を覗くと、もともと入っていたクスクスが半分に減っている・・・!
まさかまさか、リュックはクスクスまみれになっていた。クスクスは、細かい粒状の食べ物だ。よりによって、ぶちまけたのがクスクスだなんて!リュックの中身を一個一個取り出す。クスクスにまみれた日傘とか・・・。ハンカチとか・・・。ひとまず全部中身を出して、除菌シートで一つひとつ拭く。そのうち床にもクスクスが付いた。初日の夜、綺麗なホテルの部屋の床を早速拭くことになった。きらびやかなドバイライフは、一体いつになったら送れるのだろう・・・。
続く
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