マーベル入門者の私ですら悲しい~スタン・リーの訃報を知り~

 おっ! いたいた、あはは!! 


 映画の中に、カメオ出演している監督や脚本家、原作者など、制作に携わっている人を見つけたら、楽しい。


 こういう出演の仕方をしているのを初めて観て知ったのは、20歳頃、兄がヒッチコックの作品に凝っていた頃だ。「あっ! いたいた、ほらほらほらほら!」興奮気味にテレビ画面の前に行って、指をさす。ああホントだ、そんなところに潜んでいたか。と笑ったものだ。

 マーベル作品ファンとなった私としては(まだ入門者だけど)、スタン・リーが亡くなったことに触れないわけにいかない。
 今日載せるはずだった文章を横に置いて、急きょパソコンに向かっている。

 朝、ニュースで知ってびっくりしました。

 何度も書いてきているのだけど、私が最初に観たマーベル作品は、「ガーディアンズオブギャラクシー」でした。これもまた何度も書いてきているのだけど、私は元々ドキドキハラハラする映画、暴力的なシーンが次々出てくる映画が怖くて苦手で、マーベル作品は避けてきていた。それでも「ガーディアンズオブギャラクシー リミックス」を観て、こんな良い映画もあるんだと心揺さぶられた。それからもまだやっぱり怖くて観ることができず、でも「3」につながるものだからということと、息子の強い希望で「アベンジャーズ インフィニティウオー」を観ることになった。「ああ観なきゃ良かった」と思うほど絶望的な気持ちになってしまったのだけど、まだ終わっていない、来年続きがあると知り、何かしら色々と希望を持とうと考えているうちに、マーベル作品にハマっていった。怖いシーンをどのようにしてやり過ごすかという技術もあげていった。そうやってあれも観ておこう、これもと観ていくうちに、「えーい、もう全部観てしまえ!!」と覚悟を決めました。そんなわけで、まだマーベル作品ファン歴は短い。半年ほどだ。この半年ほどの間に、ジェームズ・ガンの衝撃的な解雇があり、スタン・リーが亡くなった。先々の作品を観たい気持ちをちょっとくじかれそうになる。

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 我が家は、夫が出張多かったり、休みのはずの土日に仕事入ったり、出勤時間も帰宅時間も当日にならないとわからないことも多々。息子も高校生となって学校や部活が忙しくなってきたことで、3人揃う時間が少なくなってきた。東西南北、山を越えないと映画館がないところだから、なかなか映画を観に行けないし、そもそもそんなだから家でビデオ観る時間も取りにくい。やっと時間できたって、他の映画も観たい。

 そんなわけで、次々と思いのまま映画を観ることができていない。元々、映画の感想を自分の中だけで楽しむことができず、すぐ誰かに言いたい、誰かと分かち合いタイプなのだけど、最近いよいよ待ちきれなくなってきたため、一人で観ることも出てきました。感想は夫に、ザックリとしたあらすじと共にめちゃめちゃ興奮して話し、聞いてもらっている。フガフガ。


 でもマーベル作品は別。何故なら三人とも観たいからだ。三人して観てからそれぞれ感想を言い合いたい。そして観たいけど時間がない。
 もうきっと来年のアベンジャーズ4を観終わった後にも、過去の作品がたくさんズレこむだろうということ込みで、全部観る覚悟はできている。せめてアベンジャーズ4までに、フェーズ1の作品だけでも全部消化したい。
 それほどまでにマーベル作品が気に入ってしまった私たちは、この夏、出先で、それが目的ではなかったにもかかわらず、マーベル展に行った。

 「あっ。近くでこんなのやってるよ」と夫がポスターを見つけ、私たち三人は、高揚した気分でフラフラと建物に吸い込まれていった。私たちはそこで散財し、かなりの時間も費やした。ポスターを貼った人は、ハーメルンの笛吹に違いない。


 その中で私たちが目にしたのは、まだ観ていない作品の数々のいきさつやダイジェスト、俳優たちのインタビューや実際に着た衣装、そしてスタン・リーのインタビュー。彼がどのくらいマーベル作品に貢献してきたのかを知った。

 原作者である。そしてカメオ出演している。ということくらいしかわかっておらず、この時、彼がどんな風に作品に向かい、いかに骨っぽいところがあるのかを知った。ヒーローがヒーローなだけではない人間味を持たせ、戦争の問題、差別の問題に積極的に真剣に向き合ってきていた。 

 マーベル作品、面白い! と私みたいなおばさんでも思えるのは、彼のそういった気骨から来ているのだと知った。マーベル展に行って良かった。

 ちなみにカメオ出演の面白さは、一瞬、現実に引き戻される感じである。最初から探すということもなく、ストーリーに入り込んでいるところへ突然ふと現れる。私などすぐに入り込んでしまうから、映画の世界で圧倒されて、すっかり忘れている。そこへ謎のおじいさんが唐突にちょこっと映り込む。家でビデオ観ている時に気が付くと「おっ! いたいた、あはは!!」となって、家族で顔を見合わせる。映画館では黙っているけど、心の中でそう思って後から家族で確認し合う。

 まだまだ観なければならない作品が山のようにあるから、その度に、その元気な様子を目にして、胸が熱くなるだろう。そして一通り観終わっても、また何度も観直すだろうから、私たちの記憶の中では、ひょこっと現れる元気なおじいちゃんのままです。

 ああ何でだろう。こうやって実感がないのに。悲しくなるものですね。


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読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。