眠れない夜の話

寝るのが苦手です。正確には”眠りにつく”のが苦手です。心身をリラックスさせるというのが上手くコントロールできません。

だから入眠音楽を聞いてみたりします。入眠には雨音が良いというネット記事を見たので、音楽配信サービスで「雨」「Rain」「眠り」「睡眠」「快眠」などを検索しては、寝入りに再生しています。けれど雨が降っている訳でもなしに耳元からクリアな雨音が聞こえてくるのが違和感です。もう頭の中が「雨！雨！雨！」でやかましく、とても寝られません（だからと言って「無音(の音)」は得意ではありません)。妥協案としてスマホに挿したイヤホンを枕の下に潜り込ませて、モヤっとした雨音を聞いています。

加えて寝床が決まらないタイプです。寝床は１Kに置かれたベッドですが、毎日使っているベッドのどこに寝ていいか分かりません。掛け布団を両足に挟んで、あっちゃこっちゃに巻き込みながら犬のように動いてしまいます。こんな状態なので、枕なんてどう使っていいのか。毎晩「ここ？」「違うなここか？」と首の位置を確認せねばなりませんし、確認したところで毎晩しっくりきていません。

寝床が決まったら次は重さが気になります。掛け布団は軽い方が好きですが、足元はギュッと圧迫感が欲しいのでベッドと壁の間に無理やり両足先を捻じ込んでいます。絞られた雑巾のような窮屈な体勢になり、息が苦しいながらもこれはこれで。決してリラックスはしてないものの不安ではない格好にはなります。

そして絶望的なことに、まっ暗な部屋が苦手です。常夜灯でもまだ怖いと思ってしまうので、部屋の電気は付けたまま目元を覆うようにタオルをかけています。

そうやってすっかり寝る準備を整えてようやく入眠かと思ったとて、ちょうど良いタイミングでトイレに行きたくなるんだから、寝るってやってらんないよ。