それは20代前半の頃。 小学校からの友人、直美ちゃんと遊んでいた。 直美ちゃんは、「ちょっと知り合いに恋愛相談したいけん着いてきてもらえん?」と言った。 断る理由もないので着いて行ったら、直美ちゃんはコンビニに停まっている黒塗りの車の横に停車した。 黒塗りの車をトントンとノックすると、そこにはスーツ姿の男性2人が乗っており、結果を先に言うと二人はヤクザだった。 ヤクザのうち一人はいちごジャムパンを食べており、私にもそのジャムパンを食えと勧めてきた。 食べないと殺やれそうだ
生地を作るには、まず重い土を何百回も捏ねなければならないので、女性のみならず男性でも相当な体力を使う。 今の私はというと、土を捏ねようものならその後何日間も寝込む羽目になる。とにかく力をちょっとでも使うと体にダメージがくるのだ。 一緒にブランドを立ち上げている夫からは、当分は生地は生地屋さんに作ってもらって絵付だけをするよう言われているが、自分のなかで1から作るというところに固執してしまっていて、なかなか気持ちが進まない。 夫が言うことは正しい。 しかし、自分にしか作れ
私は陶芸家である。 陶芸家といえど、作品の作り方は様々。 まず、生地を手捻りやロクロ、石膏型を用いて作る。土も多くの種類があり、おおまかには陶器と磁器に分けられる。 そして出来た生地を釉薬の色味だけで仕上げたり、絵付けを施したりする。絵付も下絵付・上絵付とあり、言い出すとキリがない。 生地は生地屋さんというところで作ってもらい、絵付だけを施して売る場合もある。 私はというと、磁器土を使いロクロで成形し、絵付も自分でやっている。 ところが、病気になってからというもの3年近
そして前回のツイートの一件があった。 あぁ、やはり私は居ないほうがいいのか。そっかそっか。そうだよね。と、どこか納得した。 そこから数日は、どうやって死ねばいいのかなぁ…どうするにしろ迷惑はかかるけど少しでも迷惑がかからない方法は何かなぁ…などと横になって考えていた。 納得しながらも、私は大切な人にとって邪魔な存在だったんだなぁ…とぐるぐる考えると、勝手に涙が出てきた。 別に声を出して泣いていた訳ではないのに、うちの犬が近寄ってきて不思議そうに耳をぴこぴこさせ、どこかへ
前回のツイートで多くの方が心配してくださり、色々なメッセージを頂いた。 滅入りまくっていたので、そのメッセージをズビズビ鼻水を流し、涙で耳がびちょびちょになりながら(横になっていたので)何度も読んだ。 返事をせずに申し訳ないな…と思いつつ、返事の代わりにはならないかもしれないけれど、少しでも伝わればと思ってこのnoteを書いている。 原因不明の体調不良になってからもう3年近くになる。 私にだけ重力多めにかかってない?っていうとてつもない倦怠感。昨日って部活入ってから本格的に
幼馴染のゆみちゃん。 家が2軒隣りで年齢もひとつ違い。 そりゃもう子どもの頃はずっと一緒に遊んでいた。 2人で芋を揚げてキッチンを油の海にしたり、裏山に登って謎の植物を食べたり、畑で古銭を探したりして、とりあえず昼間は一緒に過ごした。 そんな私たちの夏休みは、家から約2キロ先にある流れるプールや温泉、サウナなどがある複合施設に自転車で行き、入り浸って過ごしていた。 ある日のこと、プールの中にあるジュワジュワ〜と泡が出るエリアでぼぉ〜っとしていた時、小学校低学年くらいの男
大学を出て実家の田舎に戻ってからなんとなく寂しくて、ふと、犬が飼いたいなぁ…と思った。 母にそのことをポロっと話すと、いつもなら反対する人がそれには意外にも乗り気で 「そういえばお母さんの知り合いのところにコーギーの赤ちゃんが産まれたって言いよったさ!あれ可愛かよね」などと言う。 私もその気になり、コーギー飼いてぇぇぇ!!と気持ちが高まってきた。 ネットでコーギーについて調べたり、可愛いコーギーとのイチャラブを妄想し、私のボルテージも最高潮に達したあたりで、父が 「犬、決め
母と一緒にピアノの発表会へ行ってきた。 産まれた時から知っている近所の姉妹の発表会だ。 それぞれ高校3年生と中学3年生で受験生なので、今回が最後の発表会だという。 この前オムツはめてたのに…時の流れが早すぎてめっちゃ怖いんですけど。 幼児から高校生まで綺麗なドレスを着て、一生懸命に弾いていて、知らない子なのに(頑張れ…頑張れ…)と思いながら聴いてしまった。 姉妹もとても上手に弾けていて、おばちゃんウルっとウルルン滞在記(懐かしいよね…ウルが出てくるとウルルン滞在記までセッ
あれはたぶん小学5年生のことだったと思う。 夏休みに 「身の回りにあるものを楽器にしよう!」 というふうな宿題があった。 それを夏休み明けに発表するのだ。 私は夏休みの宿題を最終日に泣きながらやるタイプ。 毎年、右手の小指側を真っ黒にして泣きながらドリルをやっていた。 先ずは提出物を終わらせなければ。 楽器なんてすぐに出来る。 そう思っているうちに発表の日になった。 音楽室に向かう同じクラスメイトの手には、見事な作品が握られていた。 空き缶に石ころや木の実をい
私の話になってしまうが、私が陶芸家になりたいと思い始めたのは小学生の時だった。 高校・大学と焼物について学べる学校に行きたいと言い続けたが、 「どうしても焼物の勉強がしたかったら大学を卒業して働いてからお金を貯めて、自分で学校に行け」 と親から言われ許してもらえなかった。 そこまですれば諦めると思ったのかもしれない。 結局私は言われた通りにした。 大学を卒業した後3年間働いて、焼物の勉強ができる学校を受験し合格した。 ちょっとでも早く焼物がやりたくて、入学費や授業料などが
山口県にあるテーマパークこと山賊。 人間の三大欲求は皆さんご存知かと思いますが、かわさきの欲求の7番目くらいの位置にあるのが、山賊。 ある日突然、キェェ〜!山賊行きてぇ〜!!となる不思議な欲求です。 (※「山賊」をコンセプトとしたレストランで、玖珂店・錦店は一連の敷地の中にコンセプトごとに分けた複数の店舗を構える。 玖珂店は野外の席を中心とした「いろり山賊」の他に、その名の通り大きな竃がある「竃」(かまど)、城(天守)風の建物で皇牛を使用した牛肉料理を中心に提供する「桃李
今回は私の祖父のおはなし。 (先に言っておきますが、今回は笑いもオチもないただの長い思い出話です) 88歳で旅立ってからもう10年が経ちます。 両親共働きで姉も8つ上と離れていたため、私はいつも祖父母の家に預けられていました。 祖父は剣山職人。 手先がとても器用で、趣味は能面作りと弓道。 朝じいちゃんちに預けられたら、まずポンキッキーズを見てから、じいちゃんが剣山を作っているところを側でただジーッッと見ます。 お腹がすいたらばあちゃんにオヤツのいりこと巨大おにぎりをに
(前回の記事で軽く紹介したつもりでしたが、結構言いたい所は書いてしまってましたね…。) 身内だけで挙げた結婚式の日。 紋付袴と白無垢の私たちを見たお義母さん ↓ 「うわぁ〜!ヤスヒト(夫の名)、かっこよかぁ〜!!よう似合っとるよ〜かっこよかね〜!!トモコさんも綺麗かぁ〜!うわぁ〜!!」 うちの母 ↓ 「あんた、ファンデーションの色の顔色に合っとらんよ」 …ね。この違い。 うちの夫は自己肯定感バカ高男子で、そこが良いところだなぁと私は思っているんですが、 お義父さんお
メンバー紹介いくぜ! 義父(徳光和夫に激似、イカ漁師、優しい、野良猫みたいで可愛い、痛風、狂ったように餡子を食べる、距離をマイルで言うのでカッコいいがわかりづらい) 義母(ポジティブ、天然、優しい、人の話あまり聞いてない、健康食品好き、偏食、TVで嵐の曲が流れている時は耳が潰れそうな大音量にする、全ての植物を刈り取ってしまう) 妹(可愛い、おそろしく社交的、とても可愛い、義理の姉の私より数千倍お姉さんぽく社交性が死んでいる私はちょっと怯えている、キラキラしていて眩しい、
「水に…点を打ったら…氷になる」 父が唯一教えてくれたこと。 どんな意味があると思いますか? …これね、 読んでそのまま、何の意味も教訓も無いんですよ。 うちの父、俊明(71歳)。すごく不思議な人です。 基本、無口。 喋ったとしても、モゴモゴ言っててあまり聞き取れない。 父から怒られたこともなけりゃ褒められたこともない。 プレゼントのセンスがヤバい(悪い意味で)。 流行りにはやたら敏感。 何を考えているか全くわからない。 本当に何を考えてるのかわからない。(2回言っ
前回も私の結婚の話でしたが、今回も夫との普段の生活の小話です。 私、好きなラジオ番組によくメッセージを送っているんですが、このエピソードも送ったのでリスナー仲間さんは覚えてらっしゃるかもですが… ある日の晩のこと。 お布団に入ってウトウトしていたところ、夫が私の手のひらに自分の指で何かを書いてきたんです。 こ…これは…もしかして… 私に愛を伝えようとしているのか…?照れ臭いから手に書いて…?ふふふ…可愛いなこんにゃろめ…お前の愛、しっかり受け止めてやるぜッッッ…!!