見出し画像

テレビの買い替え

うちのテレビはしばらく前(だいぶ前?)から壊れていた。
内蔵アンテナ受信がダメで、チューナーを通したものだけは映るので、それで見ていた。私はそれでよかったし、最近見る番組が減ってきているので、いっそテレビなくてもいいかなと思っていた。
一方で夫はずっと新しいテレビが欲しかったようで、最近ついに
「テレビを買いたい!」
と、これは絶対に買う決意だなとわかる口調で宣言し、
「これを買いたい。もうすぐ新製品が出て、これが型落ちになる(値下げになる)から」
と型番まで決めていた。

でも、うち、何か買おうとするといつも変なところで揉める。今回も。
夫「ここで買おうと思うんだけどいい?」
私「どこそれ?ネットショップ?電気屋さんの?それとも通販サイト?」
夫「え?そこ関係あるの?安いからここにしようと思ったんだけど」
私「いやいや、ちゃんとどういう会社か調べないと」
夫「どういうって何調べたらいいんだよ?」
私「いつも私が言ってるようなこと」
夫「知らんがな」
私「なんで? 偽物のサイトじゃないかとか、企業理念とか環境への配慮とかいっぱいあるじゃん」

夫「うーん。よくわからんけど、この地方の電気屋じゃないな」
私「遠いとこから取り寄せたら運送屋さんが大変でしょ」

数日後、別のところを見つけた夫。
夫「ここでいい?A社のネットショップ。大手の電気屋だから大丈夫だろ」
私「A社っていいの?」
夫「知らんけど」

夫がお風呂に入ってる間に自分で調べた。
私「Wikipediaでさらっと見ただけなんだけど、A社はブラック企業大賞取ってた。で、なんかのランキングでB社が1位になったときに、B社がそれを宣伝に使ってたら、ランキング最下位のA社が裁判に訴えて、A社が負けたらしい。ブラック企業儲けさせたくない」
夫「ああそう。で、そのB社はいいの?」
私「B社はそのA社に訴えられた件以外はトラブル的なものは書いてなかった。Wikipediaには。そのほかの電気屋さんは見てないからわからない」
夫「まあいいわ。B社なら買っていいんだな?」

そしてB社のネットショップで注文することになったけどまだ続く。
私「いつどうやって届くの?」
夫「何が問題なんや?」
私「宅急便で来るのか電気屋さんが来るのか」
夫「どっちでもいいやろ」
私「誰でもいいけど、玄関に置き配なのか家の中まで設置しに来るのかが問題」
夫「ええーっと、設置を希望しない、を選らんどけばいいやろ?」
私「置き配は誰が受け取るの?それ重い?」
夫「土日指定にしとく」

そして日曜日にテレビは届いた。前のテレビが37インチでこんどは55インチ。箱が巨大。
夫「場所がない。一人じゃできない」
私「どうすればいいの?何すればいいかわからない」
夫「だから最初に言ったやろ。設置まで頼めばよかったんだって」
私「今更そんなこと言ってもしょうがないじゃん」
みたいなごちゃごちゃを経て、なんとか箱から出してスタンドを取り付け、テレビ台にのせた。
こどもが一言。
「大型化」

新旧のテレビを並べ、前のテレビの録画データをハードディスクに移すなど、翌日翌々日と夫がいじっていた。
それから私は録画予約などをせっせと入れなおし、梱包材をゴミに出し、夫が古いテレビをB社の地元の店舗に持っていって引き取ってもらい、約一週間かかってテレビの入れ替えは完了。
結婚した時に買って、こどもが小さい時に張りつくように機関車トーマスを見ていたテレビよ、ありがとうさようなら。

夫「ここで見るにはちょっと大きいな」
夫の定位置からテレビ画面まで1mくらいしかない。
音も大きい。低音が特に大きく感じる。10年前の「みいつけた!」の録画を流したら、この曲にこんなベースライン入ってたのか!と初めて気づいて別の曲みたいだった。