草原の音楽

月光が照らす草原で
二人の男が座ってる
一人はギターを抱え
もう一人は太鼓を抱え
一人は石の上に座って
もう一人は草むらに胡座をかいて

一人が太鼓を打ち鳴らし
もう一人はギターを爪弾いた
音楽がさざ波のように
草原を駆け巡った

最初に馬が寄ってきて
次に野ウサギが茂みから飛び出した
色んな愚かな鳥が空から飛んできた
あれはなんだ あれは死んだ弟だ
あれは 見知らぬ人の魂のボロ布だ

足もとの小さい円が
徐々に大きくなって 
円は男たちをすっぽり囲んだ
円は下がっていく
舞台が降りる
月光は消える




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?