何を信じたらいいかわからなくなっている人へ
インターネットの時代に入り、たくさんの情報源に溢れている。何もかも疑ってしまって何を信じたらいいの?と迷う人がいる。それに対する答えは「何も信じるな」だ。
将来は不安だし頼るものやすがるものが欲しいのは理解できるが、常に正しい情報を発信するメディアも無ければ、常に嘘だけを発信するメディアも存在しない。
人を騙そうとする者はいきなり嘘をついたりしない。最初は本当っぽい情報を与えて信頼させ、徐々に嘘を混ぜる量を増やしていくものだ。ニュースメディアがこれにあたる。 本当のことは少しはあるが、嘘も多い。
本当のことを隠しておきたい者は嘘だらけの情報の中に本当を混ぜて本当のことの信憑性を無くさせる。陰謀論、スピリチュアルなどがこれにあたる。ほとんど嘘だし宗教じみているが本当の情報も紛れこまされている。しかし、普通の人はそのようなものに見向きもしない。嘘まみれの馬鹿馬鹿しい情報源だとして軽視する。確かに陰謀論には"確かな情報筋"など存在しない。思考実験としては参考になる。
何を信じたらいいかわからなくなって混乱してしまう人はおそらく物事の優先順位をどうやって考えたらいいかわからないのだと思う。
情報には嘘がつきにくいものと、誤魔化しやすいものがある。嘘であることを証明するのが難しいと判断に迷ってしまう。そして嘘をつかれると困る案件とたいして困らない案件がある。まずはそのような優先順位をはっきりさせる必要がある。
また、無限の可能性を考えて戸惑ってしまうこともある。あれも嘘かな、これも嘘かな、ととりとめもなく想像して迷宮入りしてしまう。そういう時は、その仮説が証明可能なのか不可能なのかを考えてみると良い。
例えば世の中で起こる地震や災害はたった一人の超能力者の愉快犯による犯行であると仮説を立てた場合、それは証明しづらい。犯人の心の中の問題であり、可視化することができないからだ。また、地震に関する研究は進んでおらず、その地震が人為的なものであると証明することも反証することもできない。つまり宇宙人同様、考えても仕方ない。宇宙人には遭遇してから考えればよい、としか言いようがない。
何か大きな事件が起きた場合、真っ先に考えるべきは証明することが最も簡単な可能性からだ。例えばお金の動き、誰が得をした、あるいは地位を得た、その事件をきっかけに何かが変わったなど可視化できる物事に関連する仮説を立てるべきだ。
漫画や映画には超能力などチートに近い不思議なパワー、物理法則を無視した科学技術が登場するが、現実の問題を考える場合、まずは除外する。超能力などが存在すると考えてしまうと何でもあり得てしまうのであらゆる可能性を考えなくてはいけなくなる。
というわけで、以下、真っ先に考えなくてはいけない問題に私なりに優先順位をつけてみる。
①国内のニュース>海外のニュース
海外の情勢は現地にいないため確かめられない。また、外国語に堪能で無ければそのニュースの全容を掴めない。つまり、国内のニュースの方が確実で、海外のニュースは不確かな情報だ。
②税率の改定、法案の可決、条約の締結
最も確かな情報は税金に関する事である。税金や法律は間違えようがない。消費税が10%になれば10%であり、間違えようがない。
③結果から考える
ある事件や世の中のムーブメントは自然発生的に起こる物ではない。そこに人が関わる以上、必ず誰かの意図が関係している。その事件をきっかけに何が変わったのか、あるいは何が変わろうとしているのか、それをチェックすることで事件を起こした者の意図を推測することができる。
④情報源から得るべきは情報ではなく物の考え方
この世の中、完全に信用できる情報源などない。自分のアタマで考える必要がある。嘘だらけかも知れない情報源から情報を得る場合、そのメディアやその人から学ぶべき事はその人が言っている内容ではない。物事の捉え方や考え方だ。大企業の利益や株式の仕組みに主眼を置いている人、集団の心理学やマーケティングの視点から物事をとらえる人などそれぞれの様々なテーマがある。もしもあなたの見ているメディアの情報が断片的で整理されていなく、何らかのテーマすら見つからない場合、そのメディアを見る価値はゼロだ。「世の中はこうなる」「こうなっている」そのような主張には根拠とする物事が必ずある。その情報の発信者が何を根拠にしているか。彼が見せたい物ではなく、彼が見ている物を見ることができなければそのメディアをそれ以上見る必要はない。
学ぶべきは内容ではなくて物事の「見方」の方だ。
⑤固有名詞ではなく一般名詞で考える
ある事件の黒幕を誰かだと決めつけるのは早計である。大がかりな犯罪や陰謀程、メディアに露出度の高い人間は黒幕ではない。それはそうだ、大がかりな事件を起こせる人間程、巧妙かつ狡猾であり絶対に捕まらない。トカゲのしっぽ切りだ。他人に責任を押し付けて自分は安全圏にいる。つまり、顔と名前の割れている人はしたっぱの使い捨てのコマである可能性が高い。基本的に真犯人は一般人には分からないものと考えて、黒幕をグローバル多国籍資本、とか支配者層などと呼ぶ。
さて、私自身は最近、ニュースを全く見なくなった。時間の無駄だと思うからだ。いちいちその情報が本当かどうか疑うのは疲れるし、不確かな未来をあれこれ推測しても仕方がない。代わりに、古い時代に書かれた本や、歴史のノンフィクションを読んでいる。既に起きた事件には誤魔化しようがなく、そこに世の中の法則性を見いだすことができる。
例えばイザベラ・バードの朝鮮紀行はとても興味深い。1つの国が海外に侵略されていく様子を冷静な目で観察している。官吏に搾取される民衆の姿、列強諸国の傍若無人な態度に翻弄される政権など。お金や経済の根幹を為す役所には必ず世界の支配者層の息がかかっているし、現代の日本にも当てはまる物事がある。
ぜひ読んでみることをおすすめする。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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