レビュー用のプレイと趣味プレイの違い

どもども。ライターのカワチです。今月のフリーテーマでは、レビュー時のゲームプレイについて書いていきたいと思います。レビューの書き方はいくつか参考になるものがありますが、レビュー用のプレイの仕方ってあまり語られていないんですよね。ニッチだからかな(笑)。


まず、誤解されやすいのがアーリー版や製品版の序盤をプレイして、その印象を書く「インプレッション」と製品版を納得するところまでプレイして批評する「レビュー」は別物ということ。

誤解されやすい理由としてインプレッションなのにレビューという体裁で記事を掲載するメディアが多いことがあげられます。これはレビューと記載されているほうがネットでヒットしやすいからですね。みなさんも作品名+レビューで評価を検索することはあっても作品名+インプレッションで検索することはあまり無いのではないでしょうか。

あとは時間がなかったりしてインプレッションぐらいしかプレイしていないのにレビューとして載せちゃうパターンですね。リリースを読めばわかることしか書いていないレビューは結構あります。プレイフィールでどう感じるかはレビューで重要な部分なので、システム要素の列挙と簡単な感想だけの文はよくないですね。さらに言うと、序盤と中盤、後半でどうプレイの感想が変わるのかが評価として重要なので、序盤のプレイで感じた内容だけをレビューとして掲載するのはNGだと思います。魅力やウリは公式サイトにわかりやすくまとめられていることが多く、そこに書いてあることをそれっぽくまとめるだけでそれっぽい文にはなりますが、後世に残すレビューとしてはまったくふさわしくないです。

さて、レビュー用のプレイと趣味プレイの違いですが、まずレビュー用のプレイは〆切を大きく意識する必要があります。大作RPGであればゲーマーであっても1カ月ぐらいかけてプレイするのが普通ですが、レビューであれば1週間以内に提出するのがベターなので、多くても4~5日でプレイして1~2日で書き上げるペースが平均的かなと思います。そのため、効率よくプレイする必要があります。ただし、下記で詳しく書きますが「最強魔法連発でスピードクリアする」みたいなのは、そのゲームの良さや悪さを見逃すのでダメです。

あわせて、海外版などが先行で配信されていて攻略サイトがすでに存在していることがある場合、攻略を観ながらプレイするのは非推奨です。とくに謎解きは自分で解いて、どうしてもわからない場合だけ見ましょう。

どこまでプレイするかはジャンルによって変わってきますが、RPGやアドベンチャーゲームであればエンディングを観るべきだと思います。仕事として考えると作業時間と報酬の割が合わないのですが、人が作ったものを公の場で批評するのであればエンディングまでのプレイはマストであると思います。

RPGやアクションなどには、いわゆるサブクエストがありますが、こちらはやり込まなくても大丈夫です。上記の通り、レビューは早めに上げなければいけないのでサブクエをやり込んでいたら原稿の提出が遅くなってしまいます。ただし、どんなサブクエがあるのか、どのような報酬があるのかしっかりチェックしなければいけません。

また、レビューで重要なのはどこまで遊びの幅があるのかしっかり調べること。プレイヤーの無茶な発想にどこまでゲームが応えてくれるかですね。たとえばどのキャラクターも殺すことができる自由度の高いRPGだった場合、善良な人を殺すとどのようなデメリットがあるのか。趣味プレイではそういうロールプレイをやらない人もレビューとしてプレイするのであれば確かめてみる必要があります。

同じく、自分は戦士だけを使うとか、パラメーターの力と体力だけを上げてプレイするとか、趣味ゲーだったらぜんぜん問題ないですが、レビュー用としてプレイするなら対極の魔法使いはどのような使い心地なのか、ほかの職業とのバランスは取れているのか、しっかり調べる必要があります。とくにアクションの場合は「すごく難しかった」「単調だった」などと決めつける前に、ほかのクリア方法だとどうなるのかしっかり調べたほうがいいですね。最近はキャラクターの育成パターンも多岐なものが多いので、レビューを出したあとに見当外れで恥を書いてしまうことなども多いようです。

プレイ中にメモを取るのか取らないのかは人によりますが、人間はメモしていないと考えていたことをすぐに忘れます。書きたいことを忘れてしまう人は単語レベルの適当なメモでいいので用意しましょう。

ただしレビューを書くときにメモにあるものを並べて成形するだけでは蛋白になってしまうので注意。人に読んでもらうためには良いところと悪いところを並べるだけではダメで、ちゃんと取っ掛かりのある出だしを作り、文章の起承転結を意識する必要がります。ただ、これはレビュー文の書き方になってくるので、また機会があれば語ってみたいと思います。それでは。

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