見出し画像

幼き日、握りしめた大事な100円を投入すればよかったと思う後悔

 先日、『カプコン ベルトアクション コレクション』がセールになっており、友達とLINEで盛り上がって購入した。「あの頃のように一緒に盛り上がろうぜ!」と。

 ただ、白状しよう。自分には“あの頃”は存在しない。自分の家は裕福ではなかったので、お小遣いが少なかった。最初はお小遣いすらなく、「友達みんなもらっているから!」と頼み込んで、1ヶ月500円もらえるようにしてもらった。

 そのため、そのお金はとても貴重でお菓子やゲーセンなどでは使わず、とにかくモノとして残るカードダスやコミックに変えた。その貧乏性は40歳になろう今も消えておらず、ケチくさい人間が出来上がってしまった。なんだかなぁ…といった感じだ。

 そんな自分とは別次元であったゲーセンのゲーム。結局、友達は子育てなどに忙しく、また自分も夜中まで仕事をしていることもあって、なかなかいっしょに遊ぶタイミングができずプレイできていない。僕らは大人になってしまった。

 今、ひとりでちょっとずつプレイしているが、あまり熱狂することはできない。やはり当時ゲーセンで収録タイトルをプレイしていないからだろう。

 シューティングゲームなどもそうだが、無限にコンティニューできてしまうと、ただの作業になってしまう。ボタンを押して先に進むだけのゲームに成り下がる。

画像1

 もちろん、コンティニューしないとか、コンティニューの回数を自分で決めるとか、しばるプレイもできるだろう。

 ただ、そうやってプレイしたところで、“大事な100円を使って少しでも先に進む”というあの頃の情熱は得られない。家でプレイしているとゲーセンならではの喧騒、オーディエンスの視線もない。

画像2

 ゲームは自分でボタンを押して操作するというインタラクティブ性の高いメディアだが、“その時、その場所”も大事であると本作で思い知らされた。

 奇しくも、セガがゲームセンターの運営から撤退するというニュースが話題になっている。

 体験にお金を使うということはとても貴重なものだ。いくらお金があっても時間は戻せない。

 「忙しいから」「お金がないから」。こんな言葉はあとできっと後悔する。エンタメを楽しもう。今。そう思った。

画像3


ここから先は

0字
マガジンを購入すると、個性豊かなゲームライター陣によるさまざまな視点の記事が読めます!

プロのゲームライター陣がゲームについて語るマガジン。略してゲームライターマガジン。プロのゲームライター陣がお題に沿って記事を書いたり、「今…

カワちゃんの晩ごはんのおかずが増える……!?